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愛しています、キョーコさん。

この愛は歪すぎる!! #1巻応援

愛しています、キョーコさん。 藤村緋二 のざわたけし
名無し
最初は、彼女を異常に溺愛している男が主人公で、主従関係がある変なカップルの話だなと思って読んでいたら、実は彼女のキョーコさんの方にヤバすぎる秘密がありました。 新興宗教、かどうかはわからないけど、キョーコさんは地球滅亡を止めるため「太陽神」に捧げる生贄を10人集めないといけないという使命を背負っていることが判明します。さすがの岡田くんも「何言ってるんだこいつらは」とドン引きするも、結局はキョーコさんの為に自分が「生贄」を集めることになってしまう。 岡田くんからすると、自分はキョーコさんと2人だけで一生仲良く暮らしていければそれで良かったのに、厄介な事に巻き込まれてしまったなという思いかもしれません。ただ客観的に見れば、キョーコさんは太陽神を崇めている。そしてそのキョーコさんのことを、岡田くんは崇め奉っている(愛し方が恋人のそれとはかけ離れているように見えるので)。完全なる信仰の一方通行が出来上がっています。 これから、岡田くんはキョーコさんのために生贄を集めなければいけないわけですが、同意があったとしてもやってることは誘拐・監禁という立派な犯罪です。 どこかで我に返ってキョーコさんと縁を切る…なんてことはおそらくなさそうなので、気が済むまでキョーコさんのために突っ走って頑張ってほしいな。 一番笑ったのは、大家さんの圧倒的なパワー。2巻以降も出てきてくれるのかな。あと岡田くんの正気なのか正気じゃないのか判別の難しい表情が地味にツボ。
幻想集

作家性が横溢する幻想短編集 #1巻応援

幻想集
兎来栄寿
兎来栄寿
『幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい』、『書店員 波山個間子』、『三護さんのガレージセール』などでお馴染みの黒谷知也さん。 上記3作品のような線の整った作品群とは別に、よりコミティアなどで出逢うような雰囲気で作家性を剥き出しにして描いている短編。その中でも、本にまつわる話を中心としたシリーズに分類されるSNSで2021〜22年頃に公開していた短編を1冊にまとめた本です。 こういう夢想が自然に浮かんでくる瞬間ってあるなぁと思える幻想譚たち。泡沫の夢のように、何もしなければ刹那弾ける泡のように消えていってしまうものたちを、繋ぎ留めるように手繰り寄せて現出させ形に残しているような感覚があります。 ときに好奇心を、ときに恐怖を掻き立てられ、不思議さに戸惑いながら酔い痴れ、理不尽に鬱屈としながらそれが快感でもある。 本を愛するから解るところもあり、本を愛するから苦しいところもある。紙とインクによる魔的な被創造物。読書という広大な宇宙海を漂う、無常感と無上感。 本がテーマでないお話も、寓話的で批評的な「グドゥグドゥ」や「鰐の起立」などとても好みです。社会の形式が変わるifがある物語は、想像力を刺激されます。 「言葉の珈琲」という柔らかい口当たりで始まりながら、とても強い刺激に満ちた1冊です。尖った作家性を浴びたい方、非商業的な作品を好む方には強くお薦めします。
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