海はとおくに満ちて往く

海はとおくに満ちて往く

海沿いの街で商店を営み暮らす橘。高校生のときに亡くなった幼馴染・岬希の姪である灯に懐かれ、店では度々2人の時間を過ごしていた。橘の心に強く根を張り、時折身体中をかけめぐるあの日の悲しみ、そして後悔――。幸せになんか、なりたくない。灯の高校卒業をきっかけに、橘の止まったままの時間が動き出そうとしていた。
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