ゼウス―神々の王― 天王寺大 秋重学
漫画を愛する塩澤さん
東京ヒゴロ 松本大洋
東京の街で文鳥と暮らす、漫画編集者の塩澤さん。
塩澤さんという男がどんな人間なのか、本文に滲み出ている。
文鳥と敬語で会話。物は多いが整理された部屋。深々と丁寧にお辞儀。文房具全てに名前シール。横断歩道では手を挙げて。待ち合わせには1時間前到着。
そんな塩澤さんは、どれほど真摯に仕事に向き合ってここまできたのだろう。そんな中、仕事を辞めた。
この先、愛する漫画とどのように向き合っていくのか。
塩澤さんの新しい生活が始まる。
マンガから訣別した人、マンガが上手く描けなくなった人、自分のマンガが認められない人。それぞれ事情はあるものの、皆命懸けでマンガと対峙していました。作り手にとってのマンガの魔力のようなものを感じる作品です。これからマンガを読むときの姿勢にも影響しそうな。余韻がすごいです。