――その人魚には海で命を落としてしまう人間の魂を歌で救済するという役目がありました。
ある日、その役目を果たそうとした人魚は本来死ぬはずだった男を助けてしまい、
その後、恐ろしい魔女と取引をして、自身を人間に変えてもらいます。
しかし、その人魚が“心を奪われていた”相手は助けた男ではなく、
彼が船から落とした1本のお酒でした――(『酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす』)

他にも、ガサツでだらしない女性に飼われている“ネコ”や百貨店に売られている“口紅”、さらには繁華街にあるファーストフード店の“牛丼”など、様々な視点から描かれる短編たち。

そのどれもがほんのりとした温かみを宿し、だけどひとしずくの切なさを秘めている、そんな淡く儚い余韻を残す物語を束ねた短編集です。

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夢想のまち

夢想のまち

「雲ヶ浦」という海の見える街に、一人の少女・楠まよわが引っ越してきた。そこで出会うのは、あたたかい下宿先、あやしい瓜二つの別人二人組、閉じこもりがちのやさしい少女と、不器用な青年。まよわがそんな街にやってきた理由とは…?彼女を中心に、不思議な街で綴られる、眩しくて仄暗い日々の記録。
淡く儚い余韻を残す短編集 #1巻応援にコメントする