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『君の膵臓を食べたい』の住野よるさん×『ミッドナイトブルー』の須藤佑美さんという豪華なコラボレーション。Audible版では悠木碧さんが朗読を務めたことも話題となりました。
食べることと本が大好きで、図書館司書を務め、主人公の三歩に私は共感しきりでした。特に以下の二点。
子供の頃から図書館が大好きで通い詰めており、図書館の独特な匂いが好きで、散らばった本を元に戻す作業をするだけで幸せになれるところ。
また、ブル○ンのお菓子をこよなく愛して高らかに愛を謳うところ(アル○ォート、ホワイト○リータ、チョコ○エール、ルマ○ドetc... 素晴らしい逸品ばかりですが、バーム○ールは私の中でもとりわけ神です。バーム○ールがなる樹があったら全力で手に入れて栽培したい)。
そんな彼女が過ごす、何の変哲もない日常がゆるりと心の中に入ってきます。
前から行きたかったラーメン屋で大盛りを頼んで、その後に鯛焼きも食べて、微睡んでいたらいつの間にか夕方になっていて朝になったかと焦って、夕飯もガッツリ食べた後にお菓子にも手を伸ばす。そんな怠惰な等身大の休日の様子に心が解れます。
かと思えば、突然シリアスなテーマに切り込むシーンもあり、ただゆるいだけではなく。
職場の先輩たちもそれぞれに魅力的で、私は優しい先輩も怖い先輩も好きです。
こんな時代だからこそ、三歩の日常からもたらされる安堵感により価値を感じます。