綿の国星

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仔猫が世界を哲学するにコメントする
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転んでもタダでは起き上がらない!
綿の国星 大島弓子
影絵が趣味
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転んでもタダでは起き上がらない! 大島弓子のマンガは、もうこれに尽きると言ってもいいかもしれません。というか、もう全編に渡り転びっぱなし。敗北の人生。しかも、あしたのジョーですらびっくりして卒倒するぐらいのノーガード戦法で立ち向かってゆく。でも、それは戦法なんて呼べた代物ではなく、彼女たちは単に生まれながら身を守る手段を知らないだけなんです。それはそれは痛々しくて見ていられないほどの。 『綿の国星』のチビ猫は、両親に刷り込まれたロマンティックな価値観よって、大きくなったら人間になれると信じている。その両親というのは、じっさいには人間の飼い主で、チビ猫はほんとうの父母すらもわからない。飼い主は事業のしっぱいで夜逃げしてしまい、瀕死のノラでいるところを時夫に救われる。そして恋をする。 少女の姿で描かれてはいても、チビ猫はやっぱり猫なので、助けてくれて「ありがとう」のたったの一言も伝えることができません。それでもチビ猫は、たとえ転んでもタダでは起き上がらない! いつか人間になったら「一番はじめにありがとうって伝えるわ」と心に誓うんです。 衰弱から回復して元気なってくると、しかし、チビ猫はだんだんと世の理りを理解するようになります。でも、あたまで理解したからといって人間への憧れが消えるわけではありません。だからといって相変わらず言葉が通じるわけでもない。時夫の一家は優しく接してくれます。でも、チビ猫はいつだって周囲の人間たちにたいして、あるいは猫たちにも、あるいはものを言わないこの世界の自然にたいして、たったのひとり(いっぴき)なんです。でも、それでもチビ猫は、転んでもタダでは起き上がらない! たとえ意志の疎通ができなくても、その対象を懸命にみようとする、きこうとする、肌で感じようとする、たとえ泥だらけになろうとも。 大島弓子のマンガは全編に渡り、この種の健気な気合いがみられます。『つるばら つるばら』というのがまた凄まじくて、男性に生まれてしまった女性が、子どもの頃くりかえしみた夢にでてくる家をどこまでも、どこまでも探し続ける。夢のなかでのことですから、あらゆる意味で当の本人にしかわかりえない家をどこまでも、どこまでも探し続けるんです。もうね、大島弓子というひとはとにかく気合いが入っています!
婚約破棄された替え玉令嬢、初恋の年上王子に溺愛される@COMIC
妹は悪役令嬢
婚約破棄された替え玉令嬢、初恋の年上王子に溺愛される@COMIC
ゆゆゆ
ゆゆゆ
主人公である姉への扱いが酷すぎて、読者からのヘイトを一身に集める妹。 二人は双子の姉妹で顔はそっくり、中身は大違い。 妹は、いわゆる悪役令嬢役とはいえ、性格が歪みすぎていて、何があったんだろうと訝しむレベル。 闇落ちした悪役令嬢というんだろうか。 その妹と結託し、婚約破棄&妹と婚約宣言するなど、いいように扱われる第二王子。 こちらは兄への嫌がらせで、好きでもない主人公と婚約するほど、兄への思いをこじらせている。 とんでもない人たちが身近にいて、いわゆる主人公補正がなければ心が折れていたんじゃないか。 そんな主人公の初恋の人であり、彼女を溺愛することになる第一王子。 見目麗しく、知性と才能溢れる男性。 突然出てきたと思ったら、外国の学校で研究をしていたので、主人公の窮状を知らなかったらしい。 主人公を救い居場所を作り、ヘイト集めマシーンと化した妹に対して「天誅!」と言わんばかりに策略を繰り広げる。 そんなお話です。 ジャンル的には少女漫画だそうです。 興味深い箇所はやはり、妹の悪役令嬢っぷりです。 よくここまで思いつくなというほど、ひどいです。 姉への思いをこじらせて、闇落ちしなければ、普通に大切にしてくれる人と出会えていただろうに。 彼女たちの父親も、もう少し正気を保ってくれていたら、いろいろ違っただろうに。 ifを考えてしまいます。
わたのくにほし
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