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星野之宣の短篇連作といえば、『2001夜物語』がまず思い浮かびます。ハードSFマインドをリーダブルで感動的な物語に詰め込んでいて、本当に素晴らしい大名作です。(SFっぽいセンスで描かれた漫画は多いのですが、星野之宣は折り目正しい「ハードSF」なんですよね、それがすごい)
でも、個人的に思い入れが強いのは、ヤングジャンプに連載されていた『妖女伝説』!
SFはもちろん史劇や伝奇など手を変え品を変えた多様なテーマを、実に平明で丁寧なドラマに織り込んで、しかもそれを、あの無類に「端正」な絵柄で見せてくれる。
良質、ハイ・クオリティー、佳品…そういう表現が本当にぴったり。
短篇漫画を読む悦びを、これだけビンビンに感じさせてくれる作品集はないです。
自分は十代の中頃に、この作品を何度も読み返すことで、「物語感覚」のようなものを学ばせていただきました。
その「感覚」は一生の宝物だと思っています。