進まない
たーたん 西炯子
敦が鈴にいつカミングアウトするのか、このマンガの核はこの一点で、それがいつ訪れるのかを楽しみにしながら読んでいる。
当然、そう簡単にその時は訪れない。このカミングアウトに向けて物語を補完する作業が延々と行われている。
それはそれで構わない。登場人物たちの人間性が回を重ねていくごとに深みを増していくのは良いことだ。
だが、月イチ連載がゆえに進むペースが遅い。
もうそろそろ物語が急展開してもいい気がするが、なかなかそうはならないのだろう。
これは我慢比べのマンガだ。
たーたん
職を転々として最後の失業保険で風俗に行こうとした28歳の童貞男上田敦に、殺人を犯してしまった友人から「お前しか頼めるやつがいなかった…」と赤ん坊を託される。そして時はすぎ、赤ん坊も立派に15歳の女子中学生になり、ズボラな上田敦に代わり家事全般をこなす可愛く立派な女の子に成長した鈴とたーたんこと上田敦の生活の話。
刑期を終えて、実の父親が来年出所してくるんだけどまだ本当の親は別にいると言えないでいる上田敦の葛藤と、たーたんのことを本当の父親だと疑っていないけどお母さんに会いたくてしょうがなくなっている鈴の思い込んだら突っ走る感じのすれ違いが、時に心温まり、時にハラハラし、毎回頑張れたーたんと思う漫画。そのうちたーたんの恋愛も描かれそうで、そっちも頑張れ!って思ってる。