コミックDAYSの感想・レビュー965件<<34567>>「クラゲの骨は青」感想クラゲの骨は青 追本ニーナ何とも意味深なタイトルだ。そもそもクラゲに骨は無い。この得体の知れなさが、しかし読んでみると妙にしっくりくる。 物語全体を覆うヒリヒリした痛みや不安に煽られるように、ページを捲る手はどんどん早くなっていく。…結局ひとは得体の知れないものに対して、恐れを感じながらも惹かれてしまうものなのだ(笑)。巻いたが、よい結末片喰と黄金 北野詠一starstarstarstarstarhooper金 or 困窮、とか、視野狭窄した2択の外側に、アメリアちゃんが出られて良かったと思う。 他の登場人物たちも何かしらの、希望のある外側に出られたんじゃなかろうか。次作も期待。 【追記】 作者のブログ「北野詠一場」、10巻小ネタの記事でラルフさんの顛末が読めまーす!「青野くんに触りたいから死にたい」感想青野くんに触りたいから死にたい 椎名うみニーナホラーと純愛は実に相性が良い。片方だけでももちろん成り立つけど、組み合わさると最高の相乗効果が生まれる。この作品もまさにそんな感じだ。純愛ゆえの暴走はより恐ろしく、ホラーゆえ切なさにも拍車がかかる。そして物語はいよいよクライマックスに突入。この2人は一体どんな結末を向かえるのだろうか。最後まで見届けたい。誰の心の底も見えない。貴族社会、こわい。雪と墨 うの花みゆきstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ大量殺人&放火をした極悪人ネネオの前では、ほわほわのほほんとした追放令嬢のフレイヤがかわいい。 そんな彼女に癒やされている、男二人もとても良い。 ネネオの傷を隠していたものは2巻でペリッと剥がされ、過去の傷が少しは癒えて生きていきやすくなった。 3巻以降はフレイヤの番ということだろうか。 ほわほわのほほんとしていたから、腹芸なんぞできるのかと思ったら、さすが本家筋の大令嬢。 ちゃんと言うことは言えていた。 義姉が単なる極悪な性格の姉だったら、もっと勧善懲悪展開ですっきりしたのだろうけど、そうでもなさそう。 しれっとひどい言葉を言い合うのに、誰も腹の底を見せない。 イラストはとてもきれいで、笑うフレイヤはとてもきれいで、きっと顔立ちが似た義姉も笑んだらとても優しい顔をしている。 ネネオはいい加減にフレイヤの名前を呼ぶべきだけど、身分差のせいなんだろうか。 4巻発売が楽しみ。厳選!読んでほしいこのマンガねずみの初恋著者:大瀬戸陸1巻まで刊行作品情報はこちら現代的な主人公によるJ2からの立身 #1巻応援ナリキンフットボール 明石英之 清水海斗兎来栄寿旧来の作品においては、データや科学的アプローチを重視する頭脳派キャラというのは噛ませ犬ポジションであることが非常に多いものでした。データを過信して、データを超える強さや成長やチームワークを見せる主人公側に敗れるというのが様式美です。 しかし、今は逆にデータで戦う頭脳派キャラクターが主人公になる時代なのだなぁとこの『ナリキンフットボール』を見てもしみじみ思います。 古くから行われてきたスポーツアナリティクスが近年では現実世界でも非常にメジャーな存在となってきたことはSports Analytics Labのこちらの記事に詳しいです。 https://www.sportsanalyticslab.com/column/sports-analytics-history.html 特に、2003年に発売され2011年にブラッド・ピット主演で映画化もされ大人気となった小説『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』の大ヒットもあり、一般的にもプロスポーツの世界でデータを分析し活用することを重視して戦うことはメジャーになりました。 それから更なるテクノロジーの発達によりGPSやドローンでより多角的にデータを採ることができるようになり、得られたビッグデータをAIによって解析させることも可能となりました。それによって、人間が抱く印象を超えたいくつもの真実が浮かび上がってきます。 本作の主人公は、サッカーIQが非常に高く目に見えない部分のチーム貢献度が大きいセンターバックの我王(がおう)。彼が、J2という舞台から最高の選手を目指していく物語です。我王は体力テストにおいてはJ2でも最下層で、技術的にも優れているわけでもない選手です。しかし、対戦相手や味方の分析を誰よりも深く緻密に行っており、俯瞰した視点から試合全体を見通すことのできる能力を持っています。 近年では、運動能力の66%は遺伝的な要因で決まるという研究もあるそうです。体格や骨格、柔軟な筋肉などはどうしたって天与のものです。フィジカルやスピードはいくら鍛えても先天的な才能の差で負けてしまうことも多いでしょう。しかし、たくさんの知識を得た上で他者よりも多く思考するというところに関して言えば、時間さえかければ誰にでもできる、努力の余地か大いにある部分です。 実際、近年目覚ましい活躍を見せる日本代表の三笘選手も目に見えるドリブルや決定力のすごさはもちろんのこと、それ以上に高いサッカーIQこそが特筆すべきものであると言われることもあります。 超常的な身体能力を持たなくても圧倒的なインテリジェンスがそれ以上の武器となること、それが主人公像にさえなり得ること。「頭が良いことはかっこいい」という、現代的な価値観が反映されています。 なお、我王はアナリストではなくあくまで選手としてのトップを目指します。なぜなら、アナリストではどれだけ頑張っても億単位の収入を得られないからです。サッカーが下手なままで、頭脳によって最上位のプレイヤーを狙っていく。そこに新鮮味のある面白さと熱さが詰まっている作品です。11人でやるチームスポーツだからこそ、個の能力以上に戦略やチームワークがものをいうサッカー。個性豊かなチームメイトと共に、我王がどのような戦略を打ち立ててチームを躍進させていくのかワクワクします。描かれているのはサッカーではありますが、ビジネスなどにも通じる物語でもあります。 J2のチームの予算配分などプロスポーツの経済的な部分も詳しく語られるので、『グラゼニ』のような作品が好きな方にもお薦めです。医者マンガの中でもトップクラスに好きですアンメット 大槻閑人 子鹿ゆずるstarstarstarstarstarさいろく医者・医療系マンガは数多くあれど、実はちょろっと読んだだけのものが多くてちゃんと続けて読んでいるものが少ないんですが、本作はちゃんと全部読んじゃってます。単行本ですが。 最初の1巻でのヒキがかなり強かったのと(ヒロインの話は凄い重さだし、主人公も実は激重…)医療マンガにある難しい空気感が少なく、マンガとしてめっちゃ読みやすい。 「ブラックジャックによろしく」とか「コウノドリ」とかも好きですが、やっぱそういう前知識がちょろっと入って溜まってくると抵抗なくなってくのかな? いずれにせよアンメットも外さないなーっていう安定感があり、イイ話も満載です。 あとこれは医療マンガ全体がそうだけど、飽きないように毎回別の病状になってるわけで、取材や調査の努力が尋常じゃないなって読んでてわかるんですよね。そこがまたイイ。 もやもや病とか聞いたことなかったもんな(指定難病なようなのでかなり珍しいようですが)ゴリラーマン40の感想 #推しを3行で推すゴリラーマン40 ハロルド作石starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 連載中も読んでいたがまた読み返してみると、「ストッパー毒島」のネタとかも思い出したりできたのでよかった。トイレに鯉を流す話はゴリラーマンでも面白いし、思い出話でしても面白すぎるだろ。 ・特に好きなところは? やはり注釈もふくめてべかちゃん。高校時代とあまり変わっていないと考えるか研鑽を積んだべかちゃんと見るかで感想は変わりそうだな ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! いきなりゴリラーマン40を読むよりも「ゴリラーマン」を読んでからの方がより楽しめると思います。 マタギ系漫画だ!やったー!と思いきやマタギガンナー 藤本正二 JuanAlbarranさいろくまさかのe-Sports系。 1巻の表紙買いをしてしまった自分が悪いんだけど、初めて手に取るタイトルは買う前にあらすじを読むのも重要ですね。 せっかく買ったから読もう→気づいたら6巻まで読み終わってた! クチコミ残そう、と思ったらマンガ沼webでピックアップされてて、川島さんがザックリ説明してくれてました。 https://manba.co.jp/manba_magazines/26332 個人的にFPSはPUBG・APEX・フォートナイトぐらいしかやったことないんですが、本作ではAPEXっぽいゲームを、伴侶に先立たれたお爺ちゃんマタギがひょんなことからプレイしてみるというマンガ。 どうも原作者がスペイン人らしい。スペインで原作書いて日本人が日本でマンガ起こしてるのってすごいな。 ただ、なんでそんなにいきなりFPSが上手になれるのか…?とか無粋な事も正直思ったのでそこら辺を割愛せずに説得力持たせてくれたほうがよかったのでは、とかは思いましたが、そんなこたーいいよっていうぐらいサクサク話が進みます。 大枠を俯瞰すると典型的な展開ではあるものの、そういう典型的な徐々に仲間が増えていったりする物語をスピード感持ってサクサク描かれているのは人気が出るのもわかりますね。スナック的に楽しめるので(悪い意味ではなく)ご時世的にはとっつきやすいのかな。 1巻を読んだ時点では、川島さんも言ってますが2巻ぐらいで終わっちゃいそうな雰囲気がしてましたが現在6巻まで。また続き出たら読むと思います。五十嵐大介×猫×鎌倉×海!!かまくらBAKE猫倶楽部 五十嵐大介名無し※ネタバレを含むクチコミです。ポルノ原理主義みょーちゃん先生はかく語りき 鹿成トクサク 無敵ソーダstarstarstarstar_borderstar_border江戸川ネタバレ含まないように内容には触れず。 タイトルは、ニーチェの名著「ツァラトゥストラはかく語りき」から取ったのは明らかだが、内容は一切関係ない。 気持ちいいくらいポルノ(商品)として作っている作品。 たくさんの美少女たち(年齢は違うが、造形は全て幼さが残る女性たち。エイジズムを感じさせる)が、性にまつわる話しや実践を行う。読者は傍観者であり、覗き見している感覚にさせる。劣情の煽り方がうまい。 ニーチェの言うところの「深淵」はない。深堀りするのが野暮なほど、ポルノに徹している。 こういうお粗末でシンプルな作品は、気持ちいいので嫌いではないが、哲学的に考察することが趣味なので、あえて違う角度から。 ポルノに徹するこの作品、ある意味、漫画家たちの高尚なものを作りたいという有りがちな心情へのアンチテーゼに思える。 なぜニーチェの言葉を引用したのか。 「神は死んだ」という有名な言葉があるが、作者は「高尚なものの存在価値は死んだ」と、言いたいのではないか。 ある意味、正解である。 漫画を通して、何かを伝え、誰かを救ったり世界を少しでも良くできるか? 非常に難しいだろう。 それならば、一日の疲れを癒やすようなサプリメントのような役割に徹する。そちらのほうが役に立つのではないか、と。 間違っていないような気がする。 しかし僕は、宮崎駿や高畑勲などの「漫画やアニメという媒体は、思想の伝達のツールとして有能」という理由からの、ある種のアンガージュマンに感動する。 日本はもう下降する一方だ。景気のいい時代のように、考えないままでいるわけにはいかない。「パンとサーカス」を与えている場合ではないのだ。 商業主義、拝金主義に迎合せず、使命感を持って、血も滲むような努力をしながら、「微かな可能性」にかけて制作する作家たちを応援したい。 ニヒリズムに陥って居直る作家たちよりも。これまじで中丸くんが描いてるのか山田君のざわめく時間 中丸雄一starstarstarstarstarNano漫画描くの上手すぎてびっくりした。本当に普段歌って踊ってコメンテーターしてる人が描いてるんですか??本当に?? 大前提として私は中丸くんどころかジャニーズに全然詳しくないのですが、最近Twitterを始めてそこで原稿スペースをしていたことは知ってました。普段の仕事しながら漫画描いてて本気でデビュー目指しててすごいな~かっこいいな~私も原稿頑張らんとな~と思ってたら、本当にデビューしてアフタヌーンに載ってるのすごすぎる! ストーリーも「ざわめく時間?なんだろう?」と疑問を抱いて読んでみても「ああ!これね!あるある!」って共感できたり、オチもクスッとなったり、普通にめっちゃ面白くてひたすらびっくりしてる。すごすぎる。てかごうわん君って誰!!?これ毎月読めるの楽しみすぎる。マジでめちゃくちゃ応援したい。「架空戦記」でもあり「歴史」でもあるアルキメデスの大戦 三田紀房starstarstarstarstarmampuku極上の「負」のカタルシスだった。 日本が第二次大戦に突入しそして敗戦するまでを描いた戦記モノで、架空の天才軍人・櫂直(かいただし)が明晰な頭脳と冷静な分析によって開戦を、ひいては敗戦を回避すべく孤軍奮闘する話。 犠牲を払いながら手を尽くしても戦争へ突き進む軍部を止められず、事態は坂を転がり落ちるように悪化の一途をたどっていく。巻数にして30巻を超える長い長い無力感と喪失感を味わいながら、物語終盤ミッドウェー海戦で惨敗、櫂は軍を離れ、そのまま終戦、東京裁判を経て完結へ。 勝利も復讐も俺TUEEEも、およそ快感と呼べるものを与えられないまま、ずっとしんどい思いをしながら読み続けることになるものの、読後感は不思議と悪くない。むしろ心地よいまである。なぜか。 「いわんこっちゃない!」と叫びたくなるような負の感情のカタルシスの連続、喪失感、破壊(と再生)、櫂の決意と忠誠、わずかな希望……。一言であらわすなら、「大人の味すぎる娯楽」って感じ。あっけらかんと、現実を突きつけられる。ひとりでしにたい カレー沢薫 ドネリー美咲starstarstarstarstar_borderゆゆゆ現実、将来、老後。 どの言葉がよりふさわしいんだろう。 あっけらかんと、つきつけられる。 持たざるものからしたら、主人公が珍獣のように見える理由はとてもよくわかる。 しかし、主人公は少しずつ、知らなかった生活環境を送る人たちの存在に気づいていき、変わっていく。 すべてのきっかけが孤独死というあたり、なんだか都会っぽい。 孤独死しないために婚活して結婚? 結婚したからといって、大丈夫と思うなよと言わんばかりに突きつけられる、親の介護、何もしない夫、子がなにかしてくれると思うなよの嵐。 気にしたら見えなかったものがどんどん見えてくる。 ただ、耳をふさぎたくなるような話題も、主人公の百面相のようにコロコロ変わる表情や、油断したら出てくる猫もしくは猫オマージュ、あと不思議な人・ナスダくんで大変読みやすい。 我々の将来は、一体どんなかんじになっているんだろう。 今日が明日も続いて、親が過ごしていたような老後を我々も?と思っていたけど、昨今の情勢を考えると、それはなさそうだなという気がしてきた。沙村広明っぽさ✕最近のスピード感✕ミステリー✕バトルな漫画カオスゲーム 山嵜大輝starstarstarstarstar_borderさいろく面白い。 スピード感と展開の強引さ(というか死)が読みやすさを後押ししていて、グイグイっと話が進んでいく。 3巻読了、まだ全貌が全然見えないしどんどん展開していくし矢継ぎ早な少年誌っぽいバトル、いいねいいねヲタクって恋できるんだなぁ...ヲタクに恋は難しい ふじたstarstarstarstarstar_border宮っしぃ隠してはいないんだけど実際自分も結構な雑食ヲタクなんで、分かる気持ちは結構ある... ゲーオタと雑食腐女子、コスプレイヤーとノーマルアニオタ、ゲーオタ大学生と一般大学生、色々なカップル同士が織りなすラブコメは楽しくも切ない要素もありつつ、でも最後は綺麗に着地して笑わせにもくる物語 最初から最後まで綺麗にスッキリした気持ちで読めるので、男女問わずに楽しめる良作ラブコメです あまりいないかもですが、未読ならオススメですよ初恋よりもロマンティックな恋は見つかるのか!?ふたりじめロマンチック 蟹沢ちひろ名無しファーストキス(幼稚園)が自分史上いちばんロマンティックな思い出のまま高校生になった主人公が、当時のキス相手と同姓同名の男子を見つけ運命を感じるも、似ても似つかない別人で、更にドライすぎる性格でがっかり。だったのに、彼のことがとにかく気になる。そして関われば関わるほど、実はいい人だとわかってきた!もしかしたら人生イチのロマンティックが更新されるかも?な可愛らしいラブストーリーでした。感情が生々しく表情から伝わる。ちーちゃん 押見修造 内藤瑛亮 「毒娘」製作委員会starstarstarstarstar_border江戸川さすが押見修造。その世界に入り込んだ感覚になる。前回の血の轍は、読んでいて正直辛かった。今回もそんな予感がするが、原作?が付いてるようで、新たな押見修造ワールドを見れそうだ。 ネタバレは避け、作者の思想について語りたい。 押見修造の世界は、バタイユの著書エロティシズムに通じる。死や破滅と性的興奮はリンクする。彼は一貫してそれを描いている。暗くて救いようのない話なのに、それが劣情を発動させる。ではなぜ、愛ではなく、死や破滅がそうさせるのか?そこをさらに深堀して物語として提示されたなら、名作になるに違いない。僕なりの答えはあるけれど。 兎にも角にも、本当に描きたいのは、苦悩や閉塞感ではない。性的興奮の正体だ。うーん、、、山田君のざわめく時間 中丸雄一starstarstar_borderstar_borderstar_bordersawaごめんなさい、良さがわからなかった、、、ジャニーズが漫画描いたっていう話題性で推されているとしか。 なによりも、漫画愛の強い私は、苦労して描き続けているガチ勢たちを推していきたいのだ。名言の勉強になるが・・・。サラリーマンZ 石田点 NUMBER8干し芋1巻読了。 昭和のサラリーマンを思わせる前山田が経営者たちの名言を織り交ぜながら危機を乗り越えていく漫画だが、ゾンビが出てきたり、社員がゾンビに変わっていく様子を観察したり、ゾンビがたくさんいる中食糧を調達しに行ったり、と盛りだくさんで、とても、忙しい漫画。 一瞬たりとも気を抜くと次の場面に進んで切る感じ。 読んでて、私は、ちょっと疲れる。ワンダンスワンダンス 珈琲starstarstarstarstar寸々初心者であるカボの修行シーンや元々よく音楽を聴くほうだからノれる幅が広いといった背景を省略して、ただひたすらダンスシーンを見せたいというのが伝わってくる。ただのスポ根ともまた違う感じ。 ダンスバトル編に入ってからはダンスシーンの迫力に磨きがかかり、音が可視化されるワンダさんのダンスやコブラを画面内に召喚してしまう恩ちゃんなどの「異能バトル」っぽいノリも面白い。 あと何よりビートの上では男女が対等になる点を描けてるのも大事。新食感の居酒屋群像コメディ #1巻応援慎みなさい篠宮くん! 桃聖純矢starstarstarstarstar_border兎来栄寿『恋は妄毒』の桃聖純矢さんの新刊が2冊同時発売しました。その異才ぶりは、同時発売の短編集『桃聖純矢短編集 ハニーサックル』を読んでいただければよくわかります。 純度100%の短編たちに比べると、連載作品のこちらはマイルドで楽しく間口の広い作品に仕上がっています。ただ、それでも主要キャラから滲み出る作家性は健在です。 この作品は、所沢のあるチェーン店居酒屋が舞台。かわいい娘を持つ店長と、その娘を露骨かつ執拗に狙っているチャラいけど仕事や気遣いはめちゃくちゃできてコミュ力おばけで人気者の篠宮くんとのせめぎ合いを描いたコメディとなっています。 気軽に「お義父さん」と読んでくるし、ことあるごとに娘の個人情報を聞き出そうとしてくるし、油断も隙もない篠宮くん。しかし、時折見せるのが娘ではなく店長自身への謎の気持ちの向け方。もしかしたら、本当に狙っているのは店長なのでは……? というミステリ的要素も含んでいるのがひとつポイントです。 篠宮くんと並んで存在感を放つのが、社員の酒井さん。常に周りに厳しく、店長にも当たりが強い……かと思いきや、2年前の妻の出産日に立ち会わせてもらった恩義を強く感じていて、内心では店長を崇拝している彼。しかし、それにも関わらずアクシデントも重なって店長にはうまく接せないし、篠宮くんはやたらとフランクに店長と絡んでてジェラシーを禁じえないしでかわいそうな酒井さんがまた癖になります。 「バッシング」「金種表」「グリスト」など、居酒屋バイトの解像度がとても高いのも特徴的です。居酒屋バイト経験者は「あるある!」という気持ちになるのではないでしょうか。学生同士の職場の大変だけど楽しいわちゃわちゃ感も描かれます。個性豊かな学生バイトたちとがんばって上手くコミュニケーションを取ろうとするも、なかなか上手く立ち行かない中年店長の悲哀もまた共感を呼ぶポイントでしょう。 徐々に店長の妻の美代子にも取り入り好感度を高めていく篠宮くんの本懐は果たしてどこにあるのか。それが果たせる日が来るのか。 笑いの裏に少しの恐怖がありますが、それでも楽しさが上回る作品です。若いイケメンにほだされて戸惑うおじさんが見たい方にお薦めです。弁護士れいな先生の百面相が素敵ギャル弁 ー歌舞伎町の幽霊ー ヨウイチ 高崎俊(弁護士法人原法律事務所)starstarstarstarstar_borderゆゆゆものすごくにこやかな表情から、通常モード、セリフと相まって自身の心の闇を見せる表情、少し昔のハードボイルド漫画のような男前っぷり。 れいな先生がとても良いキャラクター。 強そうなのに、「ご自身を一番大事にしてくださいね」という気持ちも分かる。 しかし、ものすごく短いタイトルであっても、作品の内容がちゃんと表現されていたのに、ちゃんと理解しきれなかったのは、昨今の長いタイトルに慣れきった弊害だろうか。 ギャルで弁当でなくギャルで弁護士だし、ギャルなのに弁護士っていうおふざけ系かと思いきやサスペンスだし、コミックス表紙は怖い話のような様相だし、実際(人間が一番怖い的な)アングラな怖い話だし。 なんだこの作品は。すごいぞ。 初連載でこんな勢い、すごいぞ。 第一話は常に無料公開とあったので、興味を持たれた方は第一話だけでもぜひご一読を。 こういうアングラな作品を描かれる方っていうのは、どういう取材や生活をされていて、ストーリーを思いつくんでしょう。知りたいような、知りたくないような。?????アカイリンゴ ムラタコウジstarstarstarstarstar_border山下真司ずっと何読んでるかわからない エッチなの見たい人はどうぞ圧倒の東アジアン・ファンタジー霽雪のニルヴァーナ 松下朋未starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。<<34567>>