ゆゆゆ12ヶ月前編集ただの床に置かれたメガネを落とし物と思わず、作品と勘違いさせてしまう空間。 それが美術館と第一話冒頭では描かれている。 だから、落書きのような絵も、もっともらしい説明と親の七光り、本人の自信満々な態度があれば、すばらしい作品に見えるのかもしれない。 最初に登場した「福沢」がお金を第一にする人として描かれていたので、次に登場した「みもざ」は「わざと天才と自称し恐ろしく下手な絵を高説と共に描き出す」態度を取っているのかと思ったら――そうなのか、どうなのかもわからなかった。 読めば読むほど煙に巻かれに巻かれ、何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってくる。 いやそれだけではなく、あまりにも考えを変えて魅了される人が多いので、あの絵はみもざが言うとおり、様々な意図をはらんだ、おそろしく上手な絵なのかもしれないと思い始める。 作中の大衆に飲み込まれ始める。 だって、福沢が「下手な絵」云々と評しているから、その流れに飲まれて、「下手な絵」と思い込んでしまっただけかもしれない。 どうみても子どもが描くような絵だけど、芸術ってそういう理解できないところがあるもの。 みもざの画力以外にもおかしな点は描かれているのに、気にする余裕もなく、次の御高説が披露され、作中ではまた信者が増えていく。 芸術っていったいなんなんだろう。 現代アートキャンパスコメディとあらすじにあるのに、大真面目に考えてしまう。 お金第一がこんなに理解しやすいシンプルな考え方とは思わなかった。 そして、儲かる個展は開けるのか。 信じる者と書いて「儲」だから、このコンビならいけそうな気もする。 あなたも本作を読んで、この不可思議な世界に足を踏み入れましょう。3わかるfavoriteわかるreply返信report通報
あらすじ天才美大生(?)×現代アートコメディ!! 美大の学生でキュレーターとして個展の企画などを行っていた福沢は、ある日教授に頼まれて手伝ったデッサンの授業で一際個性的な絵を描く女の子・花屋敷みもざと出会う。みもざが天才芸術家・花屋敷千雄の娘だと知った福沢は、みもざを使って一儲けを企み…!? 不思議なカリスマ性を持つみもざは本物の芸術家なのか? 若手キュレーターと天才(?)現代アーティストによる美大コメディ開幕!!続きを読む
ただの床に置かれたメガネを落とし物と思わず、作品と勘違いさせてしまう空間。
それが美術館と第一話冒頭では描かれている。
だから、落書きのような絵も、もっともらしい説明と親の七光り、本人の自信満々な態度があれば、すばらしい作品に見えるのかもしれない。
最初に登場した「福沢」がお金を第一にする人として描かれていたので、次に登場した「みもざ」は「わざと天才と自称し恐ろしく下手な絵を高説と共に描き出す」態度を取っているのかと思ったら――そうなのか、どうなのかもわからなかった。
読めば読むほど煙に巻かれに巻かれ、何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってくる。
いやそれだけではなく、あまりにも考えを変えて魅了される人が多いので、あの絵はみもざが言うとおり、様々な意図をはらんだ、おそろしく上手な絵なのかもしれないと思い始める。
作中の大衆に飲み込まれ始める。
だって、福沢が「下手な絵」云々と評しているから、その流れに飲まれて、「下手な絵」と思い込んでしまっただけかもしれない。
どうみても子どもが描くような絵だけど、芸術ってそういう理解できないところがあるもの。
みもざの画力以外にもおかしな点は描かれているのに、気にする余裕もなく、次の御高説が披露され、作中ではまた信者が増えていく。
芸術っていったいなんなんだろう。
現代アートキャンパスコメディとあらすじにあるのに、大真面目に考えてしまう。
お金第一がこんなに理解しやすいシンプルな考え方とは思わなかった。
そして、儲かる個展は開けるのか。
信じる者と書いて「儲」だから、このコンビならいけそうな気もする。
あなたも本作を読んで、この不可思議な世界に足を踏み入れましょう。