読んでいて凄く苦しくなりました。
誰も悪くないのに少しずつおかしくなって、気づけばどうにもならなくなって、結果家族全員が不幸になる感じが現実社会そのものでキツイ。

主人公は、幼い頃に父親が他界し母子家庭。
そこから母親は女手ひとつでお店(お好み焼き屋)を切り盛りしていき、主人公もそれを手伝うようになる。
ところが母親には、もう1つの顔があり、いわゆるスピリチュアルカウンセラー的なもので、これによって主人公の生活が大きく影響を受ける。
色んな人から悩みを相談され、店を閉めてまで遠方にいったりするから、生活はますます困窮していく。
しかもお金はとらない。
お金はまくものだと、神さまがちゃんとみているから、良いことをすればちゃんと返ってくると信じている。

ここまでなら、ただのお人の好しのお母さんなのですが、自分がリアルだなと感じたのは、有りていに言うとお金の問題は子供である主人公を使うところ。
大家さんに滞納した家賃を払いにいかせたり、親族の遺産相続の場に主人公を使ったり・・・
あまつさえ、
「お前を学校にいかせるためのお金なんだから」
と言われてしまう。

親ってなんだろうって思ってしまった。
金銭的に何不自由なく・・・は難しいんだろうけど、少なくとも、親なら子供の成長や教育、それに付随する費用は、這いつくばってでも何とかするのが親なんじゃないんだろうか。
少なくとも、自分はそう思うので、この親のセリフや行動はやはり理解できないし、主人公にただただ同情しかなかった。

その後も、タイトル通り母親が病気で倒れた後は介護などで追われ、子供でありながら母親の奴隷として、肉体的にも精神的にも縛れていきます。
共依存関係ってこうして産まれるんだと、身にしみます。

まだ完結していないようですが、その後、自分の人生を歩むことができたのか?気になるので続きを楽しみにまとうと思います。

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