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じんわりと沁みる作品に触れたくなった時、お薦めしたい作品です。
タイトル通り、坂の途中にあるアパート小鳩荘の住人、そして大家さんを1話完結のオムニバス形式で描いていきます。
101号室のお父さんがいない幸子ちゃん。
103号室の野球でそこそこ有名だった大学生タケシ。
104号室のサーカスで育ったターニャさん。
201号室の駆け出しイラストレーター早川さん。
202号室の宇宙人の山本さん。
204号室の妻に実家に帰られた村上先生。
そして太極拳教室に通う大家さん。
ジェラートが美味しかったり、友達の何気ない言葉に傷付いたり、相手の気持ちを考えられず傷付けてしまったり、ちょっとした親切が嬉しかったり……
そんな彼らのそれぞれの日常の悲喜交々が穏やかで優しい筆致で彩られ、そして時に交錯します。
それぞれの営みが今日も明日も続いて、変わらぬ速さで回っていくこの世界の不思議さと面白さ。
何の変哲もないけれど、特別な物語です。