冥土と浮世を行来する花魁、亡者の魂を救う
あおのたつき 安達智
浮かばれない哀しき者たちの叫びに耳を傾け、元花魁が情で絆して諌める。
難しい言い回しするとこんな感じなんだけど、元花魁の主人公 あお は自分の事は多く語らない。
金が欲しい、金がどんどん必要だ。
その想いは決して下品なものではなく、かといって人に言いたくもなく、助けて欲しいとも思ってない。
彼女自身を救うのは果たしてーーー
という冥土に行ってしまった人気絶頂で死んだ花魁が、冥土の入り口で狐様に出会い、魂を救う助手をするような形で色々な哀れな者たちと出会う物語。
絵柄が可愛いというのもあるけど、パースも丁寧で絵が上手で読んでいて気持ちが良い。
あとお稲荷さんがかわいい。
辛く悲しい想いをした者たちの話というだけでも切ないのに。
3巻の猫の話なんかは苦しくなる。
いい作品です。