プロレスマンガの感想・レビュー54件<<123>>今夜「線」を超えろ!!!!A・O・N 道元宗紀みど丸プロレスをインチキと断ずる少年が最強のレスラー「アオン」になりすまし全国のレスラーに宣戦布告、真のファイトとエンターテインメントを追求する…というふうに書くとシンプルな話のスジにきこえますが、読むとなかなか曲者で独特。独特、というのが『A・O・N』に最もふさわしい言葉な気がします。 存在を知ったのもその手のマンガに詳しい友人から「パワーがすごい打ち切りマンガがあるから読んでみてくれ」と薦められたのがきっかけでした。確かに話の運びが強引すぎたり、主人公に気持ちが入りづらかったり、連載が10話で終わってしまった理由は正直言って読めばなんとなく察せます。 一方で全10話の全コマから気迫みたいなものが迸っているのも事実。クセは強いんだけど抜群にうまい絵とか、流れはなんか違和感あるんだけど勢いにあふれた台詞とか、「今それやる!?」っていう展開に全力振り絞ったりとか…。 このマンガにしか無いような圧力というか、エネルギーが備わっていて、これも読んだ方にはわかっていただけるはず…。 少なくとも自分は強烈なインパクトを受けました。気になった方にはぜひ今夜「線」を超えて読んでみてほしいです。白いマットのジャングルに今日も嵐が吹き荒れるタイガーマスク 梶原一騎 辻なおきstarstarstarstarstar_borderさいろくルール無用の悪党に正義のパンチをぶちかませ とありますが、パンチはプロレスでは反則となります。 (歌詞を記載するのはNGなんでしたっけ?) タイガーマスク世代ではないのですがプロレスファンとしてプロレスを語るのに外せないタイガーマスクのお話。というか原作ですね。 実在したプロレスラーであるタイガーマスクは新日本プロレスが当時海外修行に出していた佐山サトルという若手の天才(イギリスだったかな?で東洋人だからということでブルース・リーのような黄色いジャージに黒ラインの衣装で現地でも大人気だったそうです)を日本に呼び戻し、講談社・梶原一騎と正式なタイアップとして実現させてヒーローを具現化するプロジェクトにより誕生した本当のヒーローです。 当時のプロレス人気は凄まじく、日本全国でタイガーマスク旋風が巻き起こっていたとかなんとか。 当時の映像をNJPW WORLDという新日本プロレスの公式動画配信サービスで見ることが出来ますが、タイガーマスクは他の選手と比較にならない動きをしてます。本当に圧倒的に違うし、一人だけ格ゲーのキャラみたいな動きをバンバン繰り広げていく様は今見ても体幹・センス・スピード・運動神経のレベルが常人のそれを遥かに上回っている事がわかります。一度見てみてほしい。 タイガーマスクで大成功を収めた新日本プロレスですが、当のタイガーが相手がいなくてつまらん、こんなルール(プロレス)では最強になれないので最強を目指すため辞めます!と言って人気絶頂のところで本当に辞めてしまい非常に困った状態になってしまったのでした(初代タイガーこと佐山さんはここから総合格闘技の前身とも言える修斗(シューティング)を創設、後の格闘技界に多大な影響を与えます) ただ、タイガーの影響でプロレスラーを志す若者は後を絶たず、結果としてプロレス業界を力道山・アントニオ猪木に次いで盛り上げた人物といえるのではないかと思います。諸説あるのは重々承知ですので文句がある人は一緒に飲みながら語りましょう。 ちなみにプロレスファンなら最近まで現役だった獣神サンダー・ライガー選手をご存知かと思うのですが、そちらも永井豪先生の原作との公式タイアップで生まれたキャラで、そちらも名に恥じぬ豪腕・スーパースターぶりを発揮し、私も含め多くのファンを魅了し続けた名選手でした。 というわけで脱線しまくりですが、漫画のほうでも色々とあります。 孤児院で育った「伊達直人」という主人公が、「虎の穴」という悪のレスラー養成所に攫われて(スカウトだっけな)訓練して殺人拳を学んで覆面レスラー(悪役)としてデビューするところから始まります。 虎の穴での修行は常軌を逸したもので、伊達直人は自分と同じような境遇の孤児たちにつらい思いをしてほしくないと願い、ファイトマネーを孤児院に投げ入れていくのですが、それが虎の穴からは裏切り行為とみなされて虎の穴からの刺客たちと戦う羽目になる…という流れだったと思います。違ったらごめんなさい。 ただ、その「伊達直人」という名義で幼稚園や保護施設に匿名に近い形で莫大なお金を寄付する人が度々現れているんですよね、現実に。 2005年だか2007年だかぐらいにもあったんですが、当時はすでにTwitterが生まれていたので割と話題になったのを憶えています。 まぁ何が言いたいかというと、本当に全国のちびっこ達の心を掴んだ作品であり、そのちびっこたちが大人になって力を得た結果として慈善事業が潤ったりプロレス業界が潤ったりしていて、色んな所へ波及しているのがわかるんですよね。 漫画に限った話ではないですが「本当に素晴らしい作品」とはこういうのを指すのだろうな、という話でした。 長くなりすぎたのでこの辺で。正直絵が古いのは否めないのですが一度読んでおくとためになるかもしれませんよ!ここが好きだよテリーマン!キン肉マン ゆでたまご地獄の田中ここが好きだよテリーマン! 「しかしこのテリーマンの説はそのどちらでもない」って言ってる時のテリーマンとかがすごい好き 一番良識派のようで一番ぶっ飛んでいるようにも思うんだが今も続くキン肉マン 38巻〜キン肉マン ゆでたまご名無し80年代に大人気だったキン肉マンが2011年から再開されたものですが、次々と全盛期が更新されていく面白さで、新たに登場した敵キャラクターも大変魅力的です。旧作の必殺技もほとんどが改良を加えて登場しており、進化した絵柄と合わさって実に見ごたえがあります。PR厳選!読んでほしいこのマンガ終末のワルキューレ著者:梅村真也フクイタクミ他1名21巻まで刊行作品情報はこちら!!連載当時読んでいたら5倍は面白かったかも...四角いジャングル 中城健 梶原一騎 高森敦子starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男※ネタバレを含むクチコミです。まだ見ぬプロレスファンの貴方へ俺のプロレスネタ、誰も食いつかないんだが。 さかなこうじ 柴田惣一野愛2000年代において90年代のプロレスメインで漫画にするというのがなんとも心憎いですね…。 白黒テレビで家族揃ってプロレスを見ていた時代が終わり、メジャー団体だけではなくインディー団体が生まれ、冬の時代を迎えながらも細分化され現代のプロレスに繋がっていく…そのいちばん美味しくていちばん学んでおきたいところを掻い摘んで知ることができるのであります。 とは言ってもプロレス好きな人なら履修はしてあるかな?という話題が多いとは思います。逆に言うとこの辺おさえとけばなんとなく今に繋がる流れがわかるってことなのかもしれません。 まあそんなことはさておき根本にあるのは「人の好きを笑うな」ということだと思う。 この漫画をプロレスファン以外のひとが読むことは滅多にないでしょう。でも、もしプロレスファンじゃないひとがこの感想を読んでこの漫画を読むことがあるならば(ないと思うけど)伝えたいことがあります。 誰に笑われても、誰に否定されても、どうかその好きに誇りを持ってほしい。 ニワカでも詳しくなくてもいいんだよ!あなたの好きがコンテンツを支えるんだよ! わたしの好きなプロレス団体の代表は常々「プロレスをメジャースポーツにする」と謳っています。今存在する全てのコンテンツが、新規に伝えることを辞めてしまったら衰退するばかりなのです。 ニワカであることを誇れ!古参はニワカを愛せ! たまちゃんをニワカだと批判するキャラクターが途中登場しますが、これは全てのヲタクが自分を省みるべきという戒めなのだと思います。知識とか認知とか金額とか(それらはひとつの指標だけど)だけを誇ってはいけないし、他のヲタクを排除してはいけないのです。 愛するコンテンツを守るために愛を広げなければいけないのです。 虎はウザいしたまちゃんはもっと喋れ、女装家レスラーやジェンダーレスレスラーがいるんだからオカマとか安易に言うんじゃない、とか思うところは多々あれど、結局はラストシーンでたまちゃんが虎に発した台詞が全てだと思います。 好きなものは好きと言おうじゃないか。好きなものを好きでい続けようじゃないか。 そして、プロレスをメジャースポーツにしようじゃないか!!!昭和を熱狂させたプロレス熱が甦るプロレススーパースター列伝 梶原一騎 原田久仁信名無し今では信じられないでしょうが、私が子供の頃はプロレスがテレビのゴールデンタイムで毎週放送されていました。だから、40~50代前後のお笑い芸人がやけにプロレスを熱く語るのは、そんな背景があるのです。 閑話休題。噂には聞いていた、リアル過ぎるプロレス漫画である本作「プロレススーパースター列伝」を遂に熟読しました。とにかく熱い漫画ですが、試合だけでなく練習風景やレスラーの生い立ちなどの背景をしっかり描いているのが感動でした。そして、それぞれの選手が実写のようなリアルさがあります。脳内で、選手の声や奇声を物まねしながら読むと、これほど夢中させてくれる漫画も珍しいものです。今の10代~20代は過去の伝説を追いかける伝説として、30代~40代は青春や幼少期のプレイバックとして愛読してはどうでしょうか。梶原一騎さんに感謝します。吹けよ!カミカゼ 梶原一騎 古城武司名無し漫画原作者・梶原一騎さんは「あしたのジョー」「巨人の星」「タイガーマスク」を世に送り出し、私はいずれの作品も雑誌で、そしてテレビで夢中になって見ていました。その梶原さんの遺作「吹けよ!カミカゼ」も名作です。プロレスファンでありながらリアルタイムでは見ることのできなかった力道山、16文キックのジャイアント馬場が登場し、それだけでもお宝作品です。ストーリーも秀悦で、力道山がプロレスを教え込んだ神風大助が繰り広げる悪役レスラーとの激戦は、ついつい力が入ります。プロレスの礎をつくった頃の熱を感じさせてくれるこの作品を、ぜひ今のプロレスファンに読んでほしいと思います。後のせかつよ?1・2・3でキメてあげる 大宮直依名無し1・2・3と書いてカウントスリーと読むそうです。 昭和、平成初期にかけではプロレスをゴールデンタイムで見ることが多かったですね。昭和プロレスと言う言葉もありますからね。 「1・2・3でキメてあげる」も、そのブームに乗った女子プロレスをテーマにした漫画です。 エロ要素なしで、純粋に青春を描いています。もっと読みたいプロレススーパースター列伝 梶原一騎 原田久仁信名無しすごく懐かしい。80年代の漫画なので登場するレスラーの中にはすでに他界されていて、久しぶりに名前を聞いたレスラーも多いです。プロレスが好きなので以前に読んだことがあるのですが、記憶があいまいなのでまた読んでみようと思います。タイガーマスクが好きなので探してみます。脱力系キン肉マン『キン肉マン』スペシャルスピンオフ THE超人様 石原まこちん ゆでたまご名無し人気漫画キン肉マンのスピンオフ作品。本編であまり活躍しなかった超人、カナディアンマン、スペシャルマン、プリプリマンを漫画の主役にして、ファミレスで喋っているだけの作品で。力の抜け具合が実に面白いです。連載中のキン肉マン本編を1週遅れのスピードでネタに作品が進んだこともあり、独特の時間軸が流れているところが非常にユニークです。一歩踏み出す勇気、ってやつです新日学園 内藤哲也物語 新日本プロレスリング株式会社 広く。野愛まず、わたしはプロレスファンである。 そして、内藤哲也アンチである。 推されてきた割に期待されてきた割になかなか花開かなくて、ロスインゴで急に人気出たけどロスインゴ別に内藤のオリジナルユニットじゃないんだし、言うほどスペイン語喋れないし、会社に推されてきた割にオカダに対して会社に推されてる人はいいねみたいなこと言うし って思ってきたのでこの作品を読むべきかどうか迷っていた。大アンチなので。 ファンからはこういう視点で見えているんだなあと納得しました。 推されていたのになかなか花開かなかった部分も含めて、泥臭さ不器用さを感じて応援している人たちがいるんですね。 そう考えると、真田とかBUSHIとかロスインゴのメンバー、内藤の歴史を語る上で欠かせないタイチもそういう魅力がある人ばかりだな…それは認めざるを得ないんだけど…内藤だってそうだよな… 実際の内藤うんぬんはさておいて、漫画の内藤は夢を追う若者として眩しく応援したくなります。 実際のオカダはもうちょっと可愛らしいところがあります。 普段新日本はそこまで見てなくて、インディー団体ばかり見ている者が言うのはアレですが プロレスは幅広くて面白い世界なんです。こういう学園ドラマを重ね合わせて見るもよし、イケメン選手の顔を見るもよし、レスリング技術の細かな部分に感動するもよし…どこからでもいいのでプロレス好きになってくれる人が増えたら嬉しいのです。 プロレス「ファン」達が主人公の奇書的プロレス漫画最狂超プロレスファン烈伝 徳光康之名無し連載当時に読んでいたけれど、 リアルタイムなプロレスネタを取り入れていて かなり面白かった。 だが同時に、これはプロレスファンでも 好き嫌いが別れそうだし、 ましてプロレスに興味がない人には 全く受けない漫画だろうな、と思った。 時代を経た今となっては、最近にプロレスファンになった、 という人が読んだら、何がナンダカ全くわからないかも。 某大学のプロレス研究会の面々が主な登場人物だが、 これは多分、作者の徳光先生の実際のプロレス友達とか かなりキャラに反映させているんだろうな、と思った。 それくらい、ファン目線での当時のプロレス界についての 一喜一憂が物凄く伝わってきていた。 ユニバやUインターがなにがどうしたとか、 「佐山にあやまれ」とか 「あれは龍原砲ではない」とか、 当時のプロレスファンでなければなんのことやら ワカランとおもうが・・ 「マスカラスのマスク!」は 今読んでも、爆笑するかも(笑)。 たしか連載が終了してから、 ファンの要望で、最終回を書き直した復刻版が 発売されたんですよね。 一部だけ、当時のプロレスファンだけにしか通じないかも 知れない面白さだけれど、印象に残っている漫画です。そうだ、プロレス楽しめるようになってみようぜ新日学園 内藤哲也物語 新日本プロレスリング株式会社 広く。さいろくあなたの近くにもプロレスファンがいませんか? その人は間違いなくいっぱい語りたいはずです、知識をひけらかすではなく一緒に熱くなるために。 プヲタはめんどくさい人が多い、そう思われがちなんですが… 決してそれはウザい人がマウントしてくるのではなく、上手く語るのが難しいのに共感を得たくてウズウズしているからなんですよ。 昨今、というか今現在はまさに空前のプロレスブーム(第3次)でして、新日本プロレスをブシロードが運営するようになってから拍車をかけるようにクリーンでメジャーで大きくなっています。 日本のファンのみならず、今や新日本プロレスは世界で2番目に大きくメジャーな団体と言っても過言ではない状態。(1番はアメリカのWWEであることはまだまだ変わりません) これほどまでに日本のプロレスが熱い状況な今、ラグビーの1試合をたまたまTVで見ただけで大熱狂できるあなたなら(自分はそうでした)プロレスはぜっっっったいに面白い。 というわけで! プロレスにどこから手を付けていいかわからないよ!という人へのジャブとしてまずはこれを読んでみてはいかがか? という話でした。マンバユーザーならマンガから入るのがよかろうもん。 ちなみに「スーパースター列伝」とかも読むのはいいんですがあれってその人達がすごいわーぶっ飛んでるわーで終わってしまうんですよね。 この漫画はアマゾンプライムビデオでも超大人気のくりぃむしちゅー有田哲平が送る「有田と週刊プロレスと。」の第一シーズンから挿絵を描かれているイラストレーターさん(漫画家だったらごめんなさいですが)が描いているので、そこもぜひ要チェックです。 はい、冒頭にすら入れてないのにこんなに長い。これがプヲタの悪いところですが聞いてもらいたい、伝えたいことがいーーーーっぱいあるんですよ。 それだけ魅力がいっぱいの世界な上に、今は女子人気もすごいので観に行っても別に臭くないです!大丈夫!やったぜ! このマンガにだけフォーカスすると、内藤哲也という新日本プロレスで純粋にまっすぐに育った男がスターになるためにどう苦労していたか…みたいな話かと思いきや(ここ数年はまさに新日本プロレスの3本柱と言ってもいい中心人物です)このマンガでは新日本プロレス全体を一つの学園と見立てて、因縁とか生い立ちみたいなものをわかりやすくコメディ風にコミカライズしているという、全然事実と違うじゃねーかっていうとこもある内容になっております。 ファンが見ると面白いんだけどね! 長くなりすぎるのでここまでー 読んでみてくださいーギャグの密度が濃いねえTHE MOMOTAROH にわのまことマウナケアこの作品を読むと、ひと昔前の少年漫画って本当にギャグの密度が濃いなあと思ってしまいますね。本作はおとぎ話をモチーフにしたキャラが闘うプロレス漫画なのですが、ギャグ作品なため登場レスラーはシャレの効いたキャラ揃い。モモタロウ永遠のライバル・キンタロウはイケメンなのに髪切りマッチで敗れて河童状態だし、あんまりなモジリの牛バカ丸や、酒呑童子ならぬシュテンドルフと、そのキャラの立ちっぷりやネーミングは抜群。そして彼らとモモタロウ対決の中で繰り広げられるギャグの応酬。これがまた半端じゃない。それこそひとコマごとに小ネタが入り、その合間に試合をしているようなもの。このネタ、ちゃんと押さえていくと普段の3倍くらい読むのに時間がかかるw。で、さんざん笑わせてかっこよくキメる、というのが小気味良い。気を楽にして読むことをおすすめします。また、オールド・プロレスファン向けのネタもあるのでそこも楽しんでもらえたら。ブラック・モモタロウの正体である影幻春架の元ネタとか、わかるかな?「私、プロレスの味方です」アグネス仮面 ヒラマツ・ミノルマウナケア「私、プロレスの味方です」という、直木賞作家の著書を知っている世代なら、この作品にも絶対ハマれるはず。舞台は昭和、格闘技ブームが到来する前のプロレスがおおらかだった時代。海外武者修行から帰国するも所属団体はすでに潰れており、成り行きでライバル団体のマスクマンとしてデビューすることになった男のアクションコメディです。とはいえ決してプロレスを茶化しているのではありません。血が滴り、肉が裂け、骨が軋むハードな試合場面や、興行の裏側にある大人の事情、アウトローの切なさなどを描くのが本筋。それに行き当たりばったり、意味不明なハッタリ、過剰すぎる演出などが挟み込まれる構成。娯楽要素が満載ってわけです。ドタバタもシリアスもひっくるめてこれがプロレスの醍醐味、と料理して出してくれるところが、私のような昭和からのファンにはたまりませんよ、ホント。しかしアグネスの名前の由来にはあきれましたね。ブラジルからの刺客だから…、ってそこで間違えるか! しかも実は何で間違えたかというとトホホな理由が。ま、それもプロレスですな。真面目で暑苦しくて、それでいていい加減なプロレス馬鹿たちの物語アグネス仮面 ヒラマツ・ミノル名無しなぜだか無性に覆面レスラーがかっこ良く思えてきて、勢いでルチャリブレの写真集なんぞを買ってしまいましたが、特にプロレスファンというわけではありません(僕のプロレス知識はスーパーファイヤープロレスリングで終わっている)。ただ、マスクマンのおどけながらも真剣な在り方になぜか惹かれてしますのです。 そんな気持ちにさせてくれたのが『アグネス仮面』という相当な熱血馬鹿漫画。真面目で暑苦しくて、それでいていい加減なプロレス馬鹿たちの物語です。登場人物は皆、少し抜けていますが、それだからこそまっすぐな熱いドラマを魅せてくれるのです。 主人公の山本仁吾は大和プロレスのプロレスラー。長い海外修行から帰国した仁吾は、大和プロレスの社長・ジャイアント安藤(ジャイアント馬場ぽい)が死に、さらに大和プロレスが帝日プロレスに潰されてしまったと知ります。旧大和プロレスのプロレスラーは散り散りになり、海外にいたため皆から忘れられていた仁吾が、最後の大和プロレスのレスラーなのです。ジャイアント安藤の奥さんにそそのかされ、帝日プロレスに道場破りに向かった仁吾は、そこで帝日プロレス社長のマーベラス・虎嶋(アントニオ猪木っぽい)に勝負を挑みます。引退して2年のブランクがある虎嶋に完膚なきまでに叩きのめされた仁吾は、強制的に日系ブラジル人の覆面レスラー・アグネス仮面に仕立てあげられ、なぜか帝日のリングに立つはめに…。こうして仁吾の覆面レスラー人生が開幕するのです。 才能あふれる若きレスラー・仁吾は周囲の様々な人に振り回されます。アントニオ猪木に似ているマーベラス虎嶋がまず酷い。とんでもない無茶は言う、約束は守らない、言ったことは全て忘れる。そもそもアグネス仮面という名前もアマゾン仮面と間違えてつけただけなのです。しかし、仁吾はそれらの指示になんだかんだで従い、がむしゃらに達成してしまう。自分でもなんだかわからないまま、仁吾はアグネス仮面として活躍してしまうのです。 周囲の人たちはみな、目標に向かって真っ直ぐで、熱くて、ただすこしばかりテキトー。ときに凄惨なシーンもありますし、ショックな場面も出てきますが、プロレスに対する疑問はかけらも出てきません。なぜ彼らがプロレスに夢中なのか?なんてかけらも出てきません。ただただ、プロレスが好きで、プロレスが最強だと信じていて、その気持ちを裏切らないように生きていく人たちの熱き物語。 ここで描かれているのはある種の楽園のようなものかもしれないと思います。いつまでもフォーエバーオニクキン肉マン ゆでたまご38歳の人のマネージャーあの頃からずっと楽しませてくれるキン肉マン。 現在も30年経ってもなお、今、この超人をピックアップするのかと胸が高鳴る。 今から、キン肉マンを読み始められる人が羨ましい。 僕の30年を一瞬で味わえるだなんて女子高生×プロレスラーの純愛プ女と野獣 JKが悪役レスラーに恋した話 安曇ゆうひ兎来栄寿最近何かと話題に上がるプロレス女子、略してプ女。ただ、本作はプロレスのことを全く知らなくても楽しめる内容です。 花の女子高生かつ美少女でありながら、普通のイケメンには興味がなくプロレスが大好きでイカついヒールレスラーに心を奪われているヒロインの恋物語。 SNSでのささやかな交流をお互いに楽しみにしているところから始まるのが現代的です。とにかく推しが尊すぎるが故に、実際に対面しただけで感極まり泣いてしまう純朴なヒロインに共感します。 お互いに好感度が高い状態からのスタートではありつつも、しかしまだヒロインは女子高生であるという部分で社会的な障壁は存在せざるを得ません。それをどう解きほぐして行くのかも見所の一つです。 メインの二人がピュアすぎて心の中では随所で思わずツッコミを入れながらも楽しい気分で読み進められます。 明るい恋愛マンガ好きの方にオススメです。プロレスにファンタジーを感じられた時代の名作プロレス鬼 コンタロウ名無し格闘技だショーだ八百長だと何だかんだと 言われ続けてきたプロレス。 90年代の格闘技ブームや暴露本の出版等を経た結果、 最近ではショーやパフォーマンスとして扱われることが 多くなってきた感もある。 しかしかつてのプロレスは、 真剣勝負とファンタジーの狭間で 各人がそれぞれの思い入れと想像を広げて 楽しめる世界だった。 この単行本はプロレスファンであるコンタロウ先生が、 プロレスに対する様々な思いを作品化した短編集だと思う。 かつてプロレスは、単純に真剣勝負として語ったり 逆に八百長と決め付けて卑下したり、 あくまでも個人の趣味嗜好として楽しむだけだったり、 様々な人が様々な見かたをしていた。 そういう時代にコン先生がプロレスに対して 感じた思い入れや面白さを、様々なプロレスファンにも それぞれ受け入れられそうな各種の短編として 結実させた作品が収録されている。 プロレスは色んな意味で自由な世界で、 それぞれのファンがそれぞれの思いや好みや価値観で、 それぞれの楽しみ方が出来る世界だったんだ、 ということを感じさせてくれる単行本。大雑把だけれど真剣という超異色プロレス漫画。明日が見えないのは被っている仮面のせいなのか?アグネス仮面 ヒラマツ・ミノル名無し※ネタバレを含むクチコミです。リトル「喧嘩商売」ランカーズ・ハイ 中島諒mampuku喧嘩商売の少年コミック版みたいな感じでとても面白かったのですが、残念ながら誌上での人気は伸びず、アプリ版に移行してしばらくして完結。これからはちゃんとアンケ送ってあげよう…期待の若手作家さんです。1994年、三四郎が帰ってきた。1・2の三四郎2 小林まこと名無し※ネタバレを含むクチコミです。2010年代プロレス漫画における傑作プロレスメン ジェントルメン中村マンガトリツカレ男単純なギャグ漫画ではなくプロレスラーへの憧れ/プロレスの奥深さ/ギャグを煮詰めてある傑作。巻末特別付録やあとがきも含めて全ていい <<123>>