侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~

しっかり練られた無双ハーレム

侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~ GEN AL
えっちな名無し
基本的には典型的な異世界転生の無双ハーレム物なのだが、とにかく主人公の無双とハーレムを満喫されるために世界観が構築されていて凄い。 圧倒的な格差社会で上流階級に転生出来た主人公、この世界における貴族=戦場兵器であり無双しまくり、現代知識チートが応用できる程度の文明で内政も満喫、そして貴族の血を求め平民は抱き放題という、色々と問題な物語である。 しかし元々の原作が小説家になろうではなくノクターンノベルズ、つまり18禁=低年齢層を始めから切り捨てているからこそ、問題の無いストーリーだったのを、一切遠慮することなく漫画化しているので、面白いけど正直ちょっとビビる。 上流階級とはいえ王族ではなく貴族であり、嫡男であり当主ではないというのも疎かにせずしっかり描かれているので、エロがメインでありながらむしろ「大人向けのハイファンタジー作品」という様相で、単純な無双ものとも言い難い独特な雰囲気がある。 戦記物としても基本的に主人公というか、貴族が強すぎるので戦闘自体はあっさり終わる事も多いのだが、面白いのはこういう世界での和平交渉等も中々説得力ある形で描いていて、無双物でありながら物語そのものは脳筋的な構造になっていない。 ここは無双物が好きな読者だと、蛇足的で余計な要素と捉える人も多そうだが、自分はむしろ世界観が深まり物語の魅力に繋がっていると思う。 そして大事な大事なハーレム部分だが、ココもハーレムエッチではなく1対1のエッチが多く、愛人は多数いても一人一人夜伽で呼び出すような形が多い。 1巻の内容とハーレムと入ったタイトルで読む読者には物足りないかもしれないが、画力は高いしけっこうしっかり描かれてて十分エロい。 全体的には「主人公をいかに活躍させるか」を突き詰めているのだが、その割には底の浅い物になっておらず、主人公に感情移入する分にはかなり楽しめるが、一般市民側に感情移入すると何ともド外道感漂う物語になるので、そこには注意。
本好きの下剋上 第一部

本がたくさん読める幸せ

本好きの下剋上 第一部 椎名優 鈴華 香月美夜
ゆゆゆ
ゆゆゆ
「本は須く(すべからく)うらのもの」がネーミングの由来という、本の虫というか本がすべての女性「本須麗乃」が本に潰されて死に、マインという虚弱少女に異世界転生して、「本がないなら作ればいいじゃん!!!」と死にかけながら本づくりを転生パワーで突き進めるお話。 マインの本を読みたい熱に巻き込まれる家族、友達、知り合い、すごい人、偉い人、いろんな人。 本人は本と家族がいれば十分なのに、巻き込む勢いが大きすぎてそうはいかず… 原作が長編すぎるせいか、コミック版「本好きの下剋上」は複数人の漫画家さんが並行して描いている。 第一部と第二部は鈴華先生によるもの。 Web小説からのコミカライズや書籍は途中打ち切りの作品が多いというのに、アニメ化されたとはいえ、同時進行とはなんと気前の良い振る舞いだろう。 出版元は印刷博物館とのコラボをしていたり、作中で登場していそうなアイテムをグッズ化してどんどん売り出していたり。 「本好きの下剋上」ワールドは沼が深い。 私は原作「本好きの下剋上」が好きだったので、コミカライズ版も読んだクチ。 マンガ版では小説の挿絵では描かれなかった、細かいところま描き込まれている様子に感激した。 漫画だと視点が完全な主人公視点ではなくなるので、小説版でしばし起きた「主人公視点によるミスリード」がどう描かれるかも見物だった。 まずはマンガ版を読んでみてほしい。 おもしろいなと思ったら、小説版を。 無料で読める「小説家になろう」版もおもしろいし、書籍版はなろう版より加筆されているので、それはそれでまたおもしろく読むことができる。