あらすじ

祖父の体調悪化を機に、祖母が家のことを取り仕切るようになると、ユリを取り巻く環境に大きな変化が。ユリの家庭教師として招かれたディビッドは、ユリに勉強を教える一方で、幽閉された美しい少女の人生に興味をそそられていた――。祖父の呪縛を背負った少女の波乱の人生をドラマチックに描く!!【第6話~第10話まで収録】
繭の宴 単行本版 1巻
心を病んだ祖父に、神聖な“蚕”として大切に飼われていた美少女・ユリ。ある日、同じくらいの年頃の少年・玄太と出会い、理由もわからぬ胸の高鳴りを覚える。週に一度、祖父の留守中に玄太と庭で会っては、柵越しの会話を楽しんでいた二人。しかし、そんな幸せな時間も、長くは続かなかった……。祖父の呪縛を背負った少女の波乱の人生をドラマチックに描く!!
繭の宴 単行本版 2巻
祖父の体調悪化を機に、祖母が家のことを取り仕切るようになると、ユリを取り巻く環境に大きな変化が。ユリの家庭教師として招かれたディビッドは、ユリに勉強を教える一方で、幽閉された美しい少女の人生に興味をそそられていた――。祖父の呪縛を背負った少女の波乱の人生をドラマチックに描く!!【第6話~第10話まで収録】
繭の宴 単行本版 3巻
数年後、神戸の地でストリッパーとなったユリは、取材中の新聞記者・玄太と運命的な再会を果たす! 体を重ね合う二人だったが、玄太には底知れぬ不安がつきまとっていた。一方、劇場の支配人・アゲハの前に、姿を消していたはずのディビッドが現れ――。
繭の宴 単行本版 4巻
人気ストリッパーとして各地を転々とするユリは、呪縛から逃れるかのようにゆきずりの男との情事に明け暮れていた。一方、余命いくばくもないアゲハのお腹には、望まぬ形で得た新しい命が…。アゲハのいる病院に見え隠れするディビッドの影。そして、院内の教会に仕え、アゲハを献身的に支えるイワンもまた、ディビッドと浅からぬ縁がありそうで――。
繭の宴 単行本版 5巻
アゲハは自らの命と引き換えに、ランという女児を産み落とした。一方でアゲハを想い、ディビッドの呪縛にさいなまれるユリは、その事実をなかなか受け入れることができないでいる。意を決してランに会おうと、ユリはランを育てるイワンの元を訪れるが、ランは養護施設に引き取られた後で…。ユリは再び、えも言われぬ不安に襲われる――。
繭の宴 単行本版 6巻
アゲハが産んだランをめぐり、ユリとイワンは大きな事件に巻き込まれてしまった。それは、イワンの生命すら脅かすもので…。目を覚まさないイワンを前に、現実を受け止めきれず混乱するユリ。そんなユリを見て、幼なじみでありかつて関係を持っていた玄太は彼女の背負う“業”を払しょくすべく、ユリの生家へと誘う。そこで明かされたのは、ユリを混沌へと導いた祖父・喜一の衝撃かつ悲哀に満ちたとある真実で――。
繭の宴 単行本版 7巻
エスペランサ最悪の夜が明け、それぞれの場所で新しい一日が始まる。留置所に囚われたユリは弁護士もつけず、弁明もせず、罪を認めてただ日々を過ごしていた。しかしその心には、ほの暗い情念の炎が――。一方、ユリと離れ離れになったイワンは煩悶していた。再びユリと過ごすため、何ができるのか。絵筆を手に取り、そして……。日常に戻ったランは、密かにユリとの再会を期す。そのランの前に現れた人物とは――?
繭の宴 単行本版 8巻
「あなたを愛した母の気持ちだけはわかる気がするの」。思いもよらぬ形でランとディビットとの邂逅を果たしたユリ。自らの出生を巡る複雑な人間関係に困惑しつつも、ユリに惹かれるラン。ランが去り、残されたユリはディビットの情欲をその身へと受けることに。イワンとの再会を渇望するユリを連れて、ディビットはある所へ向かう。その先に待つ悲劇とは……? 終わりなき狂乱の宴がいま、始まろうとしていた。
繭の宴 単行本版 9巻
「あの女がいてもいなくても、ここはお前の居場所だ」。神河たちの庇護を失い、さまようランが向かった先はディビッドの部屋だった。少女の耐え難き孤独に、かりそめの居場所を与えるディビッド。一方、秋山に自らの悔恨を懺悔したユリは、イワンにその身と心を捧げて「聖女」として生きることを決意した。その美しき献身はしかし、傷ついたイワンの心を砂のように崩していくのだった……。【第41話~第45話まで収録】
復讐の残響

復讐の残響

「義兄だけは許さない…。」小学校の音楽教師、星乃海は明るく評判の良い先生だが、暗い過去を持って生きていた。その原因は母の再婚相手の息子、星乃洋。洋は海から何もかも奪い、家族を崩壊へと導いた。そして何も告げず海の前から姿を消した…。それから10年。洋に傷つけられた指の後遺症に悩み、家の近くの小さな病院で治療を続けている海。ただ、そこでは治療の限界があり、主治医から大きな大学病院への転院を進められ紹介状を渡される。その紹介された医者は、姿を消した洋だった。心の奥底に沈めた記憶がよみがえり、沸々と腸が煮えくり返る。積年の恨みを抱えた復讐心と愛憎劇が開幕する。
水曜日には恋をして

水曜日には恋をして

「結婚して3年…家事もせず甘えてくるだけの夫にうんざりしている」――だだをこねて朝起きない、会話をしているのに目線の先はスマホの画面、食べこぼして汚くなったテーブル、上げっぱなしの便座の蓋にはため息がこぼれる…。何度言っても変わらない夫、貴臣の態度に日々げんなりする妻の実和子。結婚してすっかり慣れきってしまった3年目、夫婦ではなく親子のような関係に最近は今の生活が辛くなってきている。そんなある日、新聞紙に挟まれた広告の語学レッスンに目をとめた。張りのない生活に潤いを感じたくて始めた語学レッスンで知り合った既婚者の剣持歩さん。仕事でも家庭でもない場所で人と話す楽しさを教わり心がはなやいでいく。目をみて会話をしてくれる剣持さんに次第に、夫の貴臣と比較してしまう実和子。夫の尻ぬぐいのような雑用を、ルーティンのようにこなす日々は妻の役目だと思えばそうだけど…。夫が嫌いなわけじゃない、今の生活を投げ出したいわけじゃない、それだけはたしかな想いだったのに。まさかそれが思いもよらない方向にそれぞれの夫婦たちを導いてしまうなんて…