さよなら私のクズ旦那 プチキス 井上霞 山本理沙 佐野倫子
説法と精進料理のマリアージュ
サチのお寺ごはん 久住昌之 かねもりあやみ 青江覚峰
価値観の多様化、SNS地獄、人間関係
・・・そんな悩み多き現代に生きる人々清涼剤のような作品。
主人公も、何かと悩みがつきないOLサチ。
彼女が、ひょんなことで出会ったお寺で、説法と精進で心身ともに癒やされ成長していく物語。
仏教をベースにした考え方というか物事の捉え方は、長年人々の心を癒やしてきたこともあって、自分のような無神教の人間でもじんわりとしみいります。
そこに、丁寧に下ごしらえをして出来上がった、肉や魚を避けた精進料理の数々。健康には、もちろん美味しそうだからたまらないっす。
心に響き、体にも響くから、本当に人間的にも良くなりそうです。
原作は『孤独のグルメ』の久住さんというから驚き。
孤独のグルメ以降一人で食べることの矜持を中心に描いてましたが、こういう題材でもいけるのかと、引き出しの広さに感服しました。
(後半になると、サチも恋愛し始めるので、そこも久住漫画では珍しいので、ファンとしてはニヤニヤポイントです)
手垢のつきまくったグルメ漫画で、まだまだその底深さを感じさせてくれる一冊です。
住職の道源さんが作る料理がとにかく美味しそうで真似をしたくなります。それと、サチたちが思い悩んだときに、道源さんが送る言葉がとても温かくて、わたし自身も何度も救われました。わたしにも道源さんのような人が身近にいてほしいと思ってしまいます。サチと道源さん、くっついて欲しいです。