野愛
野愛
2020/08/08
QOL向上させてこ
昔からつくおきにはお世話になってます。休みの日に(元気だったら)ある程度まとめておかず作っておくと仕事の日めちゃくちゃ楽なんですよね。 そんなつくおきにお世話になってる青年・梅尾くんが主人公の漫画。毎日自炊するぞ!と決意しながらもハードな仕事に追われ、具なしのお好み焼きを食べて生活しています。 正直、具なしお好み焼きつくるだけでも偉い。 お湯沸かすのとか弁当あたためるのも面倒でコンビニの前でおにぎりとかパン食べてゴミ捨てて帰ってたこととかあるし…。 そんなひとにもつくおきは優しいのです。休みの日につくっておけば、仕事終わりにくたくたになってもレンジでチンするだけで手作りご飯が食べられるのです! まあ正直そんなことはつくおきのサイトを見ればわかることなのですが、これを利用してこんなにQOL爆上がりしました!というのを目の当たりにできるのが漫画のいいところ。 梅尾くんが幸せそうにしてるし自分もなんかつくってみるか〜なんて思えます。 疲れて帰ってきて煮物とか漬け物とかあると嬉しいもんね、自分で作ったものだとしても用意してあるってのが嬉しいの!わかる! 毎日ちゃんとしたもの食べよう、というモチベーションが上がる漫画です。
野愛
野愛
2020/08/02
まずは知ることから
病気を抱えた人間が、適切な治療を受けられないまま閉じ込められるのはおかしなこと。体の病気だったり怪我だったりに置き換えてみれば簡単にわかることなのに、精神疾患になるとどうしてこうも認識が変わってしまうのか。 押川のもとを訪れる親たちは、子どもを救いたいというよりも手に負えない子どもから解放されたいように見える。 家庭内暴力や異常行動に悩まされ追い詰められという気持ちはわかるけれど、もっとはやく気づいてあげられないものなのかと虚しい気持ちになる。 健やかに生きるという人間の根本を忘れるなんてそれこそ病的な発想だと思うのだけど、家庭という閉鎖的な社会だとかえって見誤ってしまうこともあるのかもしれない。 実話をもとにした作品なので、出てくるすべての人間が救われるわけではない。適切な医療に繋げられなかった、最悪の結末をむかえたお話もある。 この作品を読んだところで誰かが救われるわけでも、救えるわけでもない。でも、知ることや興味を持つことは重要だと思う。 ひとりでも多くのひとが健やかに生きていけるように、願うだけではなく知ることからはじめていきたい。
野愛
野愛
2020/07/22
さよならだけが人生だ
陰キャも陽キャも漏れなくうわああああってなるポイントがある作品なのでは…?と思うのはわたしが陰キャだからなのでしょうか。陽キャの気持ちはわからないので。 と思ってしまうあたりスクールカーストの呪いから抜け出せてないですね。学生じゃなくなって10年以上経つというのに。 この作品の主人公は陰キャ男子・朝倉。いじめられているわけではないけれど、さりげなくでもあきらかに虐げられています。 そんな陰キャ男子・朝倉がスクールカースト上位の伊藤マユミと付き合うところからストーリーはどんどん展開していきます。 この伊藤マユミがなかなかのサイコパスで破壊衝動マシマシの強キャラでして、わたしはめちゃめちゃ好きなのです。 惡の華の佐和とかオナニーマスター黒沢の北原を明るくしてポップにして罪の意識丸ごと抜いて社会性プラスしたみたいな感じです。余計にヤバいやつです。 童貞を振りかざすな理論はまじで痺れた。 陰キャに寄り添うでもなく、陽キャを突き放すでもなく、それぞれの善悪や葛藤や苦悩を描いているので幅広く刺さる作品なのではないかと思います。 学校のクラスってほんとちっぽけな世界で、でもあの空間で起きることって人生に大きく影響するんですよね。とは言え、痛みも苦みも含めて青春だったなと過去にできると思うので。 今を生きましょうね。
野愛
野愛
2020/07/19
すべてのひとに救いがありますように
死んでしまったひとに、何故死んでしまったのかを問うてもわからない。残されたひとは残されたものから何かを拾い集め、つなぎ合わせて、生きていくしかない。 真言のように幽霊が見えて解剖ができて警察官の友人がいれば別かもしれないけれど、それでも真実にたどり着くのは難しいことだ。 無念を晴らす、真実を突き止めるという行為は死んでしまったひとのためでもあるが、残されたひとが前を向いて生きるための行為でもあるのだと思う。 真言の能力によって、死んでいったひとたちだけではなく残されたひとたちも救われているのだ。 世の中の多くのひとは、幽霊も見えないし医者でも警察でもない。真言のように真実に向かって突き進めるひとは一握りだ。 それでも、残されたひとは生きていかなければいけない。死んでいったひとのことを忘れずに、できうる限りのことをして、前を向いて生きていかなければならない。 生きているひとにも、死んでいったひとにも救いがある世界でありますように。 最後のお話で真言自身にも救いがあったのがよかったなあ。 決して押し付けがましくなく、前を向いて生きるひとを優しく支えてくれるような作品でした。