お願いだから死んで!
お願いだから軽い気持ちで読んで
お願いだから死んで! Euntae
野愛
野愛
80年代アニメ風の絵柄に物騒なタイトル。アンバランスな組み合わせがポップで可愛くて秀逸です。 主人公は成績優秀、運動神経抜群で男子からもモテる美少女・春香。 そんな彼女が恋をしたのは同じくハイスペック男子の連。 春香が連に告白しようとするたびに近くで事件や事故が巻き起こり、謎のヒーロー・赤いライオンが現れて告白の邪魔をされて(命は助かるけど)しまう。 親友の美香に協力してもらい、今度こそ告白成功なるか…? みたいなラブコメ部分は全部前フリで、SFチックなストーリーに突入します。なるほどだからこのタイトルか、と納得するわけです。 とにかく主人公の春香が可愛いんです。 恋愛も友情もまっすぐ全身全霊で向き合う姿が魅力的です。 頭も良くてスポーツもできて可愛くて、みんなわたしのことが好きなんでしょ!!という自信過剰っぷりですが、その自信過剰さも含めて可愛く見えてきます。生まれながらの主人公体質の女の子です。 恋愛も友情も突如降りかかった災難も、全部まるっとハッピーエンドになるの?と思うけど、春香なら運命も科学も超えられそうな気がします。 まだ読んでる人が少ないようで、Twitterでタイトル検索すると不穏なツイートしか出てこないのが悲しいところ。お願いだから可愛い漫画読んで春香みたいに可愛く生きよう。
おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!
パンツと一緒に価値観も取り替えましょう
おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか! 練馬zim 練馬ジム
野愛
野愛
実際に沖田のような偏見で凝り固まった人間がこの作品を読むかどうかはさておき、常識アップデートのハウツー漫画として素晴らしい作品だと思います。もちろん漫画としても面白いです。 主人公は、男は男らしく女は女らしく、仕事終わりの飲み会は必要不可欠なコミュニケーション!みたいな思想のアラフィフサラリーマン・沖田。 引きこもりの息子、なんだか冷たい妻と娘、男性用ブラジャーをつけた部下など、どいつもこいつも何を考えているんだか…という日々の中、ゲイの青年・大地と出会い自らの凝り固まった価値観をアップデートさせていくというストーリー。 実際に自分の近くにこんな人がいたら即心を閉ざしてしまうけど、息子の気持ちを理解したいと奮闘する沖田がだんだん愛おしく思えてきます。 沖田を見ていると、今まで出会ってきた愚かな人間たちも古い価値観に縛られた被害者なのかなあ…と許せるような気さえしてきます。 タイトルにもあるように性自認や性的指向なんて、パンツと同じようなもの。何を履いたって、誰を好きだって、自由でいいじゃないか。 大地との交流を通して自らをアップデートしていく沖田の姿はとても眩しいです。いくつになっても人は変われるし学べるんですよね。 より多くの人に読んでほしい、何か気づかされる部分がきっとあるはずです。
私は整形美人
美しければ幸せになれるのか
私は整形美人 メンギ
野愛
野愛
なかなか読んでいてしんどい作品でした。 男だから女だから美人だからブスだから、など。 他人には関係ないことなのに、見た目やスペックで好き勝手言われる世界。表面的なごく一部の情報をもとに自分という人間を品評される世界。美人でもブスでも地獄のような世界。 この漫画ほど酷くはないにしろ、そんな世界で私たちは生きているんだと痛感させられます。 主人公は自分の顔に絶望し、整形美人となった美玲。 綺麗になったんだからあとは楽しく生きたらいいじゃん!と思うのにそうもいきません。 人の顔をランク付けしたり羨んだり、人の好意を素直に受け止められなかったり、自分に自信が持てなかったり。 綺麗=幸せではないということをまざまざと見せつけられます。 もう一人の主人公(と言っても過言ではないと思う)天然美人で性悪・穂波の生き方にも苦しくなります。 美人でもブスでも整形してもこの世は地獄なのか…。 そんな絶望的な世界で、ゆっくりながら強く美しく成長していく美玲に心打たれます。 本当の幸せも美しさも、他人から決めつけられるようなものではないのです。 唯一読者が幸せになれるのは、美玲の過去を知るイケメン・慧との恋愛パートだけです。  ちなみに、まともな男性キャラは2人しか出てきません。あとはゴミです。