魔法使い養成専門マジックスター学院

私だけのマジックアニマル(イモ虫)

魔法使い養成専門マジックスター学院 南澤久佳 ミヅキ
サミアド
サミアド
イモ虫のクリームが可愛いです! 漫画図書館Zで無料で全話読めます。 雑誌Gファンタジーの作品ですが、続編を連載したゼロサムが未収録話などを収録した新装版を出しています。 魔法専門学校の『アニマルマスター科』の話。 大きな設定やストーリーがあり、感動する話や心に残る名言もあります。 しかし個人的に特筆したいのは畳み掛けるギャグ部分! 主人公兼ヒロインの顔芸!ボケ!イモ虫愛! 幼なじみ男子のハリセン!叫び!存在がツッコミ! 褐色少女の毒舌! 牛好きと牛! 担任教師の超髪! イモ虫の変顔!つぶらな瞳!キャベツ!もりもり!! 独特な絵やノリが苦手な人も居ると思います。イモ虫と牛 以外のアニマル達はメイン回以外、影が薄いです。 セイウチのせいぞう君にもっと出番を… 魔法やギャグに目を奪われますが、青春漫画としても良い作品だと思います。 続編の『トリプルスター』で伏線回収&完結しているので、ノリや絵柄が気に入った方にはそちらもオススメいたします。 イモ虫のクリームが可愛いです!(念押し) 画像は友情を育む為にスーパーファイヤーレシーブを打つ牛型マジックアニマルです。
ニーナさんの魔法生活

魔女「師弟の」成長物語として

ニーナさんの魔法生活 高梨りんご
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
こちらは魔法が使える世界の物語ですが、世界観……特にエネルギー事情が面白いです。 「マザー」と呼ばれる巨大生命体から供給されるエネルギーを魔法に変え、利用する人間。しかしマザーと人間は、500年前に戦争をしていた。 頭上を通る、巨大竜の様なマザーの存在感は圧倒的。美しい世界観の中で、登場人物も私も、先行きの不確実性を考えてしまう。 ★★★★★ 物語は、魔法学校の生徒アイリスが、世界最強の魔女・ニーナの元に見習いとして訪れる所から始まります。アイリスはえらく優秀な生徒ですが堅物。対するニーナは魔法は凄いけれども、いい加減で感覚派。 一刻も早く魔法使いになりたくて焦るアイリスと、それをはぐらかすニーナ。双方の本質が次第に明かされ、師弟は互いをぶつけ合い、見つめ合います。 自分の有り様や、人との関係と向き合いながら、仲を深め、互いに人として成長していく二人の様子は優しいエモーション。アイリスの秘めた才能や「マザー・ニーナ」と呼ばれるニーナの秘密など、3巻時点ではまだ分からない要素が多い。エネルギー事情の微かな不穏さと共に、魔法世界の秘密を追う愉しさがある作品です。
とんがり帽子のアトリエ

これは割と"完璧"な作品

とんがり帽子のアトリエ 白浜鴎
さいろく
さいろく
美しい世界、魅力的なキャラ、奥が知れない物語と展開。 そして幻想的な「魔法」のエフェクトに加えてそのエグいほどの恐ろしさが、表紙からは想像もつかないギャップとも言える世界観を作っています。 ジャンルとしてはダークファンタジーと言ってもいいと思う。 壮大で人を惹きつけ魅了する世界観がありつつもゾッとする恐ろしさが両立しているため、こう表現すると陳腐かもしれないけどジブリ映画のような完成度の高さが垣間見えている作品。 以前どこかで見たんですが、白浜先生が絵を描いている動画があって「そこ直接書いてるの!?」とビックリした憶えがあります。 扉絵か何かで魔法使いの子供たちが家でご飯の準備か何かをしているシーンだったかと思いますが、画力というのはこういうのを言うんだなーと勝手にこれまでの努力も凄かろうと想像して感心させられました。 服のシワの書き方とか模様とかもすごかったなぁ。。。 もちろんストーリーも面白いし、怖いし、先が気になる素晴らしい展開。 編集部からも大事にされてるんじゃないかと思いますが、ゆっくりでいいので最後までクオリティを保っていただければこれ幸い。 追記:白浜先生の画力の高さはこの序章を担当されてるところでよくわかります http://www.moae.jp/comic/kugutsusenki/1
魔法先生ネギま! MAGISTER NEGI MAGI

ヒーローは博士ポジ?(「らしさ」の解体)

魔法先生ネギま! MAGISTER NEGI MAGI 赤松健
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
『魔法先生ネギま!』の私的ベストバウトは、27巻のネギ・スプリングフィールド対ジャック・ラカン戦です。 犬上小太郎とのタッグ戦ですが、終始ラカンとネギの力比べが繰り広げられます。しかし魔法世界最強傭兵に対し、実力的に劣るネギ。それをカバーしたのは、何重にも仕掛けた罠と、天才的な魔法開発力、そしてあらゆる力を取り入れた、なりふり構わぬ戦術でした。 戦いの後、ネギは称賛と共に揶揄されます。「(筆者注:それはヒーローというより)どう考えてもハカセポジションやで!」 (27巻249時間目より引用。口調からして味方の小太郎ですね……) ヒーローらしくない博士ポジの主役……そうネギが呼ばれる時、私は同時代に週刊少年マガジンで連載されたテニス漫画『ベイビーステップ』を思い出します。 ベイビーステップの主人公・丸尾栄一郎は、浅いキャリアと肉体的な不足を補うべく、「研究」と「コントロール」を武器として強豪と対峙する。遂に世界ランカーになる彼ですが、最後までコートで研究ノートを書き続けました。 2000年代末から2010年代にかけて同じ誌面に描かれた、二人の「博士ポジ」主人公。彼らはヒーロー「らしく無さ」がカッコ良くなる、と言う事を示してくれました。 この10年でマンガに描かれてきた、ジェンダーの揺らぎや、新たな文化系ジャンル、もしくはスポーツ漫画の新たな価値観や育成観。そこでは少年マンガに顕著な従来のヒーロー「らしさ」は、解体されて行く。 そしてそこで描かれるバトルは、従来のヒーローバトルよりも更に複雑で、新たな視点からの面白さに満ちている。旧世代代表のラカンを乗り越えるネギの戦いは、その代表例と言えるでしょう。 #マンバ読書会 #少年マンガの名バトル
Dark Seed―ダーク・シード―

魔法は子供達を傲慢にする

Dark Seed―ダーク・シード― 紺野キタ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
傲慢さという性質は、なかなか御し難い。それは時に私を駆り立てる力になる。しかし一方で、自分を特別視し人を見下し、高みから誰かに噛み付いては、自分の心を傷つけ狂わせていく。 この『Dark Seed』という魔法学校ファンタジーは、そんな「傲慢さ」とどう折り合いをつけるか?という事が主題になっている。 ★★★★★ 魔力を持つ子供は、毒でもある魔力を中和する「対(カノン)」の存在無しでは生きられない。しかし魔力を持つ子供は力に思い上がり、仮初の魔力を得る「対」を見下す。そんな魔法学校で、主人公の少女は強い傲慢さを持ちながら、とある偉大な魔法使いの力を受け継ぐ。 主人公と「対」の諍い、学生達それぞれのパートナーシップ、偉大な魔法使い一族の内情と、跡目と目されていた少年の画策……それぞれに見て取れるのはやはり、力を持つ故の「傲慢さ」。しかし描かれる感情には共感できる部分が多く、それ故に己の持つ危うさが、客観的に見えて来る。 そして偉大な魔法使いの仕事を受け継ぐ時、主人公は酷くどす黒い「傲慢さ」と対峙する事になる。 学校や師から学ぶのは、魔法より小さくても実のある優しい力との「世界の均衡」。それを好んだ少女は、荒々しさを抱えたまま「傲慢さ」と対話を始める。変に悟って腑抜けてしまうのではない、元気なままで己の傲慢さを手放すやり方に、どこかスッとする。
聖骸の魔女

キレーな魔女のおねーさんに翻弄されたいひと向けファンタジー

聖骸の魔女 田中ほさな
ANAGUMA
ANAGUMA
主人公のニコラは「浄会」に奉仕する修道士(童貞)。ひょんなことから人類の仇敵である魔女と次々契りを結んでいき(重婚)、悪しき魔女を魔女の力によって打ち倒す旅に出ます。 ちなみに彼女たちはニコラの体液を摂取することで真の力を開放する変身、「女神変成(アドベント)」ができるのです。最高ですね?どんな体液かは読んで確かめてほしい。 魔女の力を使うアクションのカッコよさはもちろん、魔女たちとニコラの愛の行方も物語の重要な焦点です。 ニコラと契りを結ぶ魔女3人は高飛車お嬢のエゼル、男勝りのウプスラ、根暗気味のミュリッタとみな個性的。禁欲生活を送るニコラは常に振り回されていますが魔女という割にはみなピュアなところがあってギャップがかわいいです。 中世ヨーロッパの世界観も作り込まれていて読み応えがあります。歴史上の慣習や社会情勢の描写はリアリティ抜群。 個人的にツボだったのが用語解説のコーナーで、本格的な解説かと思いきやネタに全振りしたものもあって笑っちゃいます。イチオシは「魔女ガチャ」の項目。業が深いね。 アクション、ロマンス、世界観。三拍子揃ったファンタジーが楽しめますよ!