タリアは病身の母を抱えながら、生計を立てるために身分を隠して帽子店で売り子として働いていた。そんなタリアを見初めたヘリントン伯爵は、愛人になるよう迫る。父・ガヴァシャム卿が亡命中でなければ、こんな屈辱を味わうこともないのに。タリアはれっきとした貴族の令嬢らしく、ヘリントン伯爵の申し出を断るが…!?

伯爵令嬢であるライナは、結婚によって爵位を得ようとするヘクター卿の執拗な求愛から逃れるためにロンドンへ向かった。ライナは身分を隠し、侍女として伯爵夫人に雇われた。サヴァーネ公爵が主催するパリの舞踏会へ行き、上流階級のレディを演じることを命じられる。魅力的な公爵に心ときめくライナだったが、この仕事には意外な思惑が隠されていて!?

貧乏貴族の令嬢・カーメラは呆然とした。放蕩者の兄が賭け事に負けて、家宝のネックレスを奪われてしまったからだ。あのネックレスには、絶対に知られてはならない「秘密」があるのに…。一刻も早く取り戻すべく、ネックレスの持ち主の邸宅に乗り込んだカーメラ。そこで待っていたのは社交界で名高い、傲慢だが魅力的なイングルトン侯爵だった…。

両親を亡くして一人ぼっちになったセリナは、生計を立てるために、著名な音楽家だった父の遺した楽曲を売りにロンドンへ。しかし、そこで拉致誘拐されたセリナは、北アフリカの港町・アルジェの奴隷市場で競売にかけられてしまう。窮地に混乱するセリナを救いだしたのは、イギリス人の公爵・アサストンだった――!!

没落貴族の令嬢・アレタは、やむをえず先祖伝来の館をアメリカの大富豪とその娘・ルーシー・メイに貸すことになった。そこへ大富豪の客としてスタッドハンプトン公爵が訪れる。しかし、その公爵こそが、２年前の星影の夜以来ずっと、アレタが会いたいと願い続けていた男性だった。紳士的で誠実な公爵…けれども、彼は既にルーシー・メイの花婿候補で…!?

自国の運命を背負い、政略結婚のため隣国・ドルシアの王に嫁ぐことになった王女・ゾシーナ。しかし、プレイボーイで傲慢な王からは冷たくあしらわれ、深く傷ついてしまう。そんなゾシーナに救いの手を差し伸べたのは、国王の叔父・サンド伯爵だった。彼の優しさに心ときめくゾシーナだったが、それは決して許されない恋の始まりで…!?

双子の兄・ケンドリック王子と共に、身分を隠してパリに降り立った王女・ゼーナ。魅惑の恋の街・パリでの１週間は、ゼーナに許されたわずかな自由時間…。この後には、両親から押し付けられた望まぬ結婚がゼーナを待っているのだ。ところが、ある舞踏会でド・グロウモン伯爵に出会ったゼーナは、夜空のように透きとおった伯爵の黒い瞳にとらえられてしまって…!?

「ロンドンから、一人で歩いて城まで帰れるか？」親友とのたわいない賭けで、身分を隠して徒歩の旅をすることになった公爵・テオ。彼が旅の途中で出会ったのは、義父に追われる薄幸の少女・アリシアだった。アリシアの境遇を知り、その純粋さに心打たれたテオだったが、貴族への不満が高まる中、身分を明かすこともできず…!?

雨の夜、車道脇の電話ボックスに現れる悲しげな女の霊、パワースポットであるはずの滝の水面に移る人の影、事故が多発するいわくつきのトンネル、観光地の見学スポットに浮かぶ白い光の玉……。そこは実は「出る」ことで知られる恐怖の場所だった──!!読者＆霊能者の体験をもとに漫画化した7作を収録した身の毛もよだつホラーアンソロジー!!

夫を亡くしたシャーロットは住み込みの仕事を得て、息子とふたり西インド諸島　にやって来た。けれど迎えに来た男性を見た瞬間、シャーロットは凍りついた。ローガン！　十数年前、一度だけ結ばれた人。愛しあった翌朝、何も言わずにいなくなり、二度と会うことは叶わなかった。それなのに…なぜあなたがここに？さらに驚くことにローガンは、仕事の雇い主は自分だと告げてきた。ああ、絶対に気づかれてはいけない。息子の父親が彼だということを――。

情熱的な口づけだった。忘れることなどできないほどの…。友人の結婚式で雰囲気に流され、キャシーは雇い主であるキールとキスしてしまう。彼はキャシーが勤めるラスベガスのホテルの支配人。由緒正しきオコンネル家の御曹司だ。住む世界が違う上に、キールの「彼女はただの従業員だ」という言葉を聞いてしまい、キャシーはすべてを忘れるため、新たな職を得て別の土地へと旅立つが――。まさか新しい職場の上司がキールで、毎日顔を合わせることになるなんて？

ある夜、イゾベルが目を覚ますと隣に夫ジェイクの親友が裸で寄り添っていた。何が起きたの!?　目撃した夫は激怒し、家を飛び出していった。あれから11年、家は没落し、女手ひとつで娘を育てるイゾベルのもとにジェイクが訪ねてきた。成功して今や富豪となった彼は正式な離婚を申し出に来たのだった。再婚の報告を聞き、胸に嫉妬の痛みが走るイゾベルは身の潔白を訴えるが、あの夜の光景は今もふたりの間に横たわる。謎と憎悪、情熱と疑惑はからまりながら燃えて…。

祖父母から受け継いだ牧場を経営するカーリーは、地下に石油が埋蔵していると知らされる。発掘調査人としてやってきたのは、ジョシュというハンサムで情熱的な男性だった。牧場を守るため発掘に反対するカーリー。だが、敵だと知りつつも、時に傲慢、時に紳士的なジョシュに彼女の胸はかき乱されて…!?

エイミーと大富豪のスコットの家は代々敵同士！けれど、落ちぶれた家と愛する家族を支えようと学業の傍ら働く彼女を、スコットは強引に誘惑しようとする。反発しながらも惹かれる想いと罪悪感の間でエイミーは揺れてしまう。そんな中、スコットからエイミーに、ある危険な申し出が…？

名家の令嬢ながら束縛を嫌って建築家として働いているブリアは、ある時、出張先でエキゾチックな男性サムと出会う。危険なほどに熱い彼の視線と、激しい、ただ１度きりの抱擁が忘れられない。しかも別れ際に彼は、「僕たちはまた出会うだろう」とふたりの運命を予言するかのような言葉を残した。そして、その言葉どおり、ブリアの次の出張先、中東の王国アダラでふたりは再会するが、なんと彼はアダラの王子として「僕は君と結婚する」と一方的に宣言してきた…！

「彼女は情緒不安定で酒と薬物に溺れている――」別れた夫に根も葉もない噂をバラまかれ、仕事を失った女優のフレイア。マスコミの目を避け鬱々と過ごしていたが、ある日、叔父からナッシュという男性を紹介される。彼の仕事は著名人の広報活動。その道のカリスマである彼の助言に従えば、業界復帰も間違いなさそうだが、彼はフレイアに驚くべき提案をもちかけた。「英気を養うために僕の別荘へ来ないか？」と。女優業のためフレイアは彼とフランスへと旅立つが…？