あらすじ

19世紀英国、ヴィクトリア女王の時代。ロウランド伯爵家の子供たちの家庭教師に迎えられた牧師の娘・レイチェル。彼女を待ち受けていたのは、貴族の館での苦悩の日々だった。雇い主であるアーサー・ロウランド伯爵の愛人関係、次々に女中と関係する長男からの誘惑…。しかし、そんな試練もすべて神が自らに与えたものと受け止めたレイチェルは館の古い価値観に立ち向かい、しだいに教え子たちの心を開いていく。ただ一人の心を除いては――。
Under the Rose(1) 冬の物語
19世紀英国。没落貴族である侯爵家の娘・グレースは愛人のロウランド伯爵宅で謎の死を遂げた。彼女の息子ライナスとロレンスは実父のロウランド伯爵に引き取られるが、ライナスは母の死にロウランド家の人々が関わっていると疑念を抱く。真相を究明しようとするライナスの孤独な闘いが始まった――。
Under the Rose(2) 春の賛歌
19世紀後期の英国。アーサー・ロウランド伯爵は、子供たちのために新しい家庭教師を迎え入れた。レイチェル・ブレナン。清らかで美しいその女性を見た子供たちは、何故か彼女と打ち解けようとせず冷たい態度をとる。戸惑いながらも真摯に彼等に向き合おうとするレイチェル。その姿を、ロウランド家の次男・ウィリアムがひとり冷たい視線で見つめていた――。
Under the Rose(3) 春の賛歌
19世紀英国、ヴィクトリア女王の時代。ロウランド伯爵家の子供たちの家庭教師に迎えられた牧師の娘・レイチェル。彼女を待ち受けていたのは、貴族の館での苦悩の日々だった。雇い主であるアーサー・ロウランド伯爵の愛人関係、次々に女中と関係する長男からの誘惑…。しかし、そんな試練もすべて神が自らに与えたものと受け止めたレイチェルは館の古い価値観に立ち向かい、しだいに教え子たちの心を開いていく。ただ一人の心を除いては――。
Under the Rose(4) 春の賛歌
19世紀英国。貴族が貴族たりえた最後の時代。ロウランド伯爵家の貞潔な家庭教師レイチェル。彼女は、次男・ウィリアムの纏う暗く冷たい闇に絡めとられ、諍うかいもなく幾度も幾度も辱められる。背徳の罪に絶望し、闇から逃れるためにさらに深い暗黒の淵に没しようとするレイチェル。だが、彼女は知る。ロウランド家の闇は、ひとりウィリアムのみが纏うものではないということを――。
Under the Rose(5) 春の賛歌
19世紀後期の英国。長期滞在の賓客を迎え賑わうロウランド伯爵家。臥せる女主人に代わって賓客をもてなす美しき家庭教師レイチェル。彼女の手によって、光あふれる庭には、さんざめく人々の集いと子供たちの笑い声が満ちる。それは、ウィリアムに忍従するしかなかった彼女を解き放っていく。幸福な情景にレイチェルは、雪間に萌す若芽のごとき微笑を浮かべるのであった。
Under the Rose(6) 春の賛歌
19世紀後期の英国。家庭教師レイチェルの発案による宴は、ロウランド伯爵家に、蜜のような懐かしくも甘い記憶を蘇らせた。やがて、宴は幕を閉じ、賓客は去りゆく。屋敷に訪れるのは、いつもと変わらぬ日常の筈であった。だが、投ぜられた一石は、波紋となって広がる。深窓に隠る女主人アンナの元までも……。
Under the Rose(7) 春の賛歌
19世紀後期の英国。ロウランド伯爵の館は、重く冷たい澱の中へと沈んでゆく。焦燥、不安、倦怠、疑惑、不信、詮方ない想い、独善、憂い、そして、裏切りと怒り。“家”の深部から潰えていくかのような悪寒に、家庭教師レイチェルは大切な教え子を守るための戦いを始める。聖誕祭を希望の光として……。
Under the Rose(8) 春の賛歌 【電子限定おまけ付き】
19世紀後期の英国。堅く閉ざされていた過去の扉を開けたロウランド伯爵の述懐は続く。恋焦がれたリッケンバッカー伯爵の令嬢アンナを娶った彼が手に入れたもの。それはなんであったのか。虚飾のベールが取り払われたとき、そこには人の望みも祈りをものみ込む深淵が横たわっていた。そして、今宵は聖夜、父の帰還を待つ子供らを前に家庭教師レイチェルは――。電子限定おまけ付き!!
Under the Rose(9) 春の賛歌 【電子限定おまけ付き】
19世紀後期の英国。館へと戻ったロウランド伯爵は、彼の『家族』すべてが集うクリスマスディナーに、家庭教師レイチェルの同席を許す。教え子たちの笑顔を喜ばしく思うレイチェルであったが、伯爵の思いがけない宣告に動揺する。それは、終わりの始まり。虚飾と過ちの清算を伯爵は決意していたのだ。そして、レイチェルは怯える。無知故に綻びを招く発端となってしまった己の咎に――。電子限定おまけ付き!!
Under the Rose(10) 春の賛歌 【電子限定おまけ付き】
19世紀後期の英国。ロウランド伯爵の正妻アンナにとって、家とは、夫とは、子とは、そして、妻である自分とはなんであったのか…。虚飾と過ちによって彩られたベールにこもり続けたアンナは、突きつけられた実相に狼狽し妄動を繰り返す。そも罪深きは誰であったのか――。寄る辺を失った彼女は救いを求め彷徨う。そして、ついに……。電子限定おまけ付き!!
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