あらすじ

おなじみボサツと三人の天子たち、今回もにぎやかに修行へと旅立った。降り立ったのは、いつか、どこかにあるというヤマトの国。そこは、なぜか現代日本にうりふたつの世界であった。さて、舞台は山村家。モーレツ営業マンの和夫、耐える主婦の静子、受験生の良男の三人家族。そこに和夫の母が同居することになって…。それぞれの問題を抱えて悩む三人の前に、姿を変えたボサツが現れる。“智恵”がテーマの修行シリーズ完結編。
ブッダへの修行 〈布施〉
後におシャカさまとなられる予定のボサツは、他の天子たちとともに動物の姿となって地上に生まれ変わる。布施を請う修行者に、山犬、猿、かわうそは施し物を用意するがなにもないうさぎは火に身を投じて献じる。再び天に戻ったボサツたちは自分たちの行った布施の意味を話し合い、反省し合う。そして、さらに次の境界に生まれ変わって厳しい布施の修行を積む。
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ブッダへの修行〈2〉持戒
トソツ天から3人の天子たちとともに地上におり、厳しい仏道修行にはげむボサツ。持戒の修行のためにボサツは、しか王やさる王、修行者などに生まれ変わり、命がけで仲間たちのためにつくすのであった。ほとけの道を修めるボサツに打ち寄せる数々の試練…。それらの試練に敢然と立ち向かうボサツ。苦難に満ちた転生の旅を通して、持戒の意味とそのありかたを探る。
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ブッダへの修行〈3〉忍辱
真実の仏道修行を求めてトソツ天から3人の天子たちとともに旅立つボサツ。国王や竜王、修行者に生まれ変わったボサツは、あらゆる苦難を耐え忍ぶ忍辱の修行を積む。苦しみから逃れることができない娑婆世界での生は、忍辱の修行を積むのに絶好の場所であった。いかなる責め苦を受けようとも、他人を許す心をもつボサツ――。智恵の眼と布施の心に裏打ちされた真の忍辱の意味を探る。
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ブッダへの修行〈4〉精進
トソツ天から地上に降り、小鳥に生まれ変わったボサツは山火事を止めようと必死に、消火活動に励む。血眼になって努力した小鳥であったが、火はいっこうに消えなかった。消火できないと思ったらあきらめることも必要である。盲目的な努力をすることは真の精進とはいえない。ボサツたちは真の精進の意味を求め仏道修行に励むのだった。
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ブッダへの修行〈5〉禅定
禅定の修行のため、トソツ天から下界に降り、仏道修行に励むボサツと三人の天子たち。インドの街中に降りた一行は、禅の大家と評判のふたりの師についた。煩悩に妨げられてなかなか修行が進まない三人をよそに、またたく間に師の境地を得てしまうボサツ。しかし、ボサツはさらなる禅定の境地を求めて旅立ってゆく―。坐禅に縛られる心を解き放し、心を自由にして考える禅定の境地を学ぶ。
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ブッダへの修行〈6〉智恵
おなじみボサツと三人の天子たち、今回もにぎやかに修行へと旅立った。降り立ったのは、いつか、どこかにあるというヤマトの国。そこは、なぜか現代日本にうりふたつの世界であった。さて、舞台は山村家。モーレツ営業マンの和夫、耐える主婦の静子、受験生の良男の三人家族。そこに和夫の母が同居することになって…。それぞれの問題を抱えて悩む三人の前に、姿を変えたボサツが現れる。“智恵”がテーマの修行シリーズ完結編。
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おシャカさまと弟子たち

おシャカさまと弟子たち

村の祭りのにぎわいを見てもむなしさを感じ、そこに無常を見てしまうモクレンとシャリホツ。そんなふたりだが、やがておシャカさまと出会って弟子となり、教えに耳を傾け、悟りを開く。それぞれ神通第一、智恵第一といわれるようになったモクレンとシャリホツは、おシャカさまの両腕となって多くの人々を救い、さまざまな悪の手から教団を守り育てる。そのふたりの足跡をここに呈示。
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仏教の歴史〈日本〉

仏教の歴史〈日本〉

6世紀半ば百済から仏具・経典・仏像が伝来され、仏教の受容をめぐって蘇我氏と物部氏の間で激しい対立が続く。争いは崇仏派の蘇我氏が勝利をおさめ日本仏教の基盤がつくられた。蘇我氏によって固められた仏教はほとけの教えを理念として政治を行った聖徳太子に受け継がれ、国は寺院を建立したり、経典の講説を行うなど国家仏教へと発展していった。朝鮮から日本へ―。我が国に仏教が根づくまで、その歴史の実像に迫る。
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法華経物語

法華経物語

はるかむかしから永遠の未来にかけてわれわれに真理の法を説く仏陀。仏陀つまり、真理を悟ったおシャカさまが説く時間と空間を超越した教えに人々は帰依しほとけに到達できる道は一つであると示される。自分が悟るだけでなく他人も、悟りに到達させようとする菩薩の生き方をする人々。それがほとけに至る道である。おシャカさまは数々のたとえ話をもって衆生たちに説法する。
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空海の生涯

空海の生涯

奈良、長岡、平安と都が変転する時代にひとりの傑物が躍り出た。その名は空海。官吏への道を捨てた学生時代、謎の山岳修行時代、渡唐、そして密教の恩師・恵果との劇的な出会い、帰国、最澄との交流と訣別、高野山の開創…。以後一千二百年の日本仏教の歴史を展開させた原動力=密教とは何か。密教の大成者にして、土木技術者、書の天才――。日本のレオナルド・ダ・ビンチといわれるマルチ人間・空海が走り抜けた怒涛の生涯を追う。
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仏教の質問箱

仏教の質問箱

仏教では臓器移植をどうとらえるのか?編集部に寄せられた読者の手紙から展子は考えるようになる。わたしたちの命はほとけさまからの預かりものである、と説くひろ先生。臓器の提供を受ける者、提供する者、そしてそれに携わる医師たち…。延命の努力は、ほとけさまの教えに適ってはいないのか?展子の心の動きを追いながら仏教の生命観をやさしく説き命のあり方を再考する。
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六波羅蜜のはなし

六波羅蜜のはなし

有り金全部をばくちですり生きる望みをなくした勝五郎は、自殺を思い立つ。だが、”悟りを開かぬ人間がみずから命を絶てば、必ず地獄に落ちるぞ…”と止めに入った和尚から聞く地獄の話に勝五郎は死ぬのを思いとどまった。煩悩と迷いのこの世から、ほとけの悟りの世界に近づくための教えを学び、勝五郎は心を入れかえていく。布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智恵を生活に生かすすべがやさしく説かれる。
ダルマ大師 禅を伝えた僧

ダルマ大師 禅を伝えた僧

だるまに手と足がないのはなぜ?どうして片目なんだ?そんな疑問を抱いた貴史は、だるまについて調べはじめる。図書館で見つけた資料には意外な歴史的事実が書かれてあった。だるまはもともとインド地方の小国の王子として生を受け、やがて中国に渡って禅を広めた-という実在した人物だったのだ。しかしそれがなぜ今の形に…?だるま信仰の謎が解き明される。