たか
1年以上前
 ある分野で努力してきた人が、違う世界で活躍する話ってみんな好きですよね。わたしも大好きです。  主人公の朗(ろう)は、15歳にして世界を目指していた東京のフィギュアスケーターで、北海道の凍った湖で有名ホッケー兄弟をスケーティングで圧倒するところから物語は始まります。もうすでにこれだけでおもしろいのに、出てくるキャラクターがみんな濃い…! https://shonenjumpplus.com/episode/13932016480028833016  色黒で爽やかな紅露キャプテン、幸運の分だけ不幸を連れてくるアズミン、ほほえみデブ・水嶋、鬼監督・二瓶、センター分けの不気味な猫。個性の強いキャラたちが、野田先生独特のギャグ&パロディを繰り広げるんだからそりゃおもしろいに決まってる…!  試合・体育館・道具の作画がとてもリアルで、運動部ならではのキツイ・苦しい・理不尽な練習と上下関係の描写も素晴らしくて、気づいたら選手たちを心から応援してました。  個人的には1巻を読み始めて、3ページ2コマ目の時点で「はい、もうこの作品好き!!」と確定しました。ここのコマの姿勢だけで「ああこの子、今からアクセル跳ぶな」とわかるからです(スケオタ並の感想) フィギュアスケートの大会でアクセルを跳ぶ朗。 見開きで宙に浮き、次のページで着地した瞬間、彼がいたのは試合中のホッケーリンクでーーー  …っていう始まり方、最高。 「1人で美しく戦うフィギュアスケーターから、チームで荒々しく戦うホッケープレイヤーになる」という、物語のあらすじを端的に表現する見事なシーンが、1巻の冒頭5ページに収まっているんですよ。はい、もう読みたくなった!!(※上のリンクから読んでください)    そして何よりスピナマラダ!の最高なところは、フィギュアスケーターとしてプレイしてきた朗が真に、心からアイスホッケー選手に変わる瞬間が最終巻で描かれているところです。ここホント最高なので死ぬ前に必ず読んでください。全6巻なんで。  「え...6巻しかないとか終わるの早すぎ」って思うでしょ? わたしもそう思います。「でもこっちが終わったからゴールデンカムイっていうめっちゃおもしろい漫画が始まったんだよな...」というジレンマを、野田サトル先生ファンみんなが抱えています(※諸説あり)  ちなみにスピナマラダ!の中には、次作ゴールデンカムイでも登場するキャラクターや、有名なフィギュアスケーターネタ(ランビエールさんの赤猫、羽生選手の衣装)など、知ってる人だけが気づくイースターエッグ的要素もありニヤリとできますので各方面のファンにおすすめです!