現住所は東京ですが、魂は奈良県民なので全力で推したい作品がこちら。 「倭まほろば郷土研究部」、通称「奈良マジエモい部」の活動を通して、奈良の歴史や現在の見どころ、名産やグルメなどを楽しく知ることのできる4コママンガです。 ヒロインの春日大社の神鹿が化けた姿であるハルヒノさんは、ウマ娘ならぬシカ娘といった風情(不敬)。普通の人には人間にしか見えないハルヒノさんですが、東京から転校シてきた主人公の中西ちあきくんにだけは本来の姿に見えてしまうところからふたりの少し特別な関係性も始まりほんのりほんのり進展していきます。 最初は基本を押さえて奈良公園や東大寺などの超有名どころから始まりつつ、ならまちミジンコブンコのスパイスカレーなど近年人気のスポットも登場。 「斑鳩、明日香、吉野もお薦めだぞ」 と、私の故郷である吉野を推してくれるハルヒノさん、推せます。 十津川の谷瀬の吊り橋は高さ54mで全長は300m近く風の強い日には渡るのもかなり怖いですがDQウォークでもランドマークに指定されたところで迫力満点ですし、1巻後半でフィーチャーされる洞川は街全体が昔ながらの温泉街の独特の雰囲気が強く漂っていて素晴らしいですし、作中で描かれる面不動鍾乳洞はRPGのダンジョンのような風情もあってライトアップは綺麗ですし何よりそこに辿り着くために乗るトロッコが非日常感満載で楽しいところなので、ぜひ一度観光に行ってみて欲しいですね(饒舌早口)。 4コママンガですが、1ページまるまる使ったワイドタイプであり背景がかなり精緻なので、舞台探訪欲を掻き立てられます。実際に現地に行ってみたら、ほぼ同じ景色が広がっているので感動することでしょう。 1300年の歴史を身をもって知るハルヒノさんがガイドしてくれる奈良紀行は、とても豊かで楽しい学びです。逆に、そんなハルヒノさんが現代文化に触れるときのギャップの面白さも良い感じで描かれています。 魂が奈良県にある方には問答無用で、そうでない一般の方にも日本の歴史や文化が詰まった作品として推せますし、また奈良に旅行に行く際にはお供として携えていって欲しい作品です。 なお、単行本巻末にはおまけとしてかわいさマシマシなハルヒノさんらの初期デザイン案が載っていますが、個人的には現行のカッコよ美しさマシマシなハルヒノさんがより好きです。
兎来栄寿
兎来栄寿
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい