BRIDGEはこういう作品が出てくるので良いなぁと思います。第1話には『マイ・ブロークン・マリコ』以来の衝撃をBRIDGE作品の中では受けました。 作者の東洋トタンさんも、新人賞を獲りたてで当時の平庫ワカさんと同じく初連載という状況であることや、女性二人の哀切な物語であるところも想起させる要因となっています。 重みと凄絶さ、そしてそれらを生み出す絵柄の美しさと迫力。描く方にも覚悟が要り精神を削りながら筆を握っているであろう、読む方の魂に深々と爪を立ててくるような作品を私は愛します。 1話で言うと、プールのシーンでの1ページ丸々使った音無さんの表情などは最高ですね。 そして、表紙も本当に素晴らしい。彼女たちの持つ言葉では言い表し難い複雑な感情が、笑っているようにも泣いているようにも見える絶妙な表情で一枚の絵として描き表されています。 敢えて作品の内容には深く触れないので、とりあえず読んでみて欲しいです。 余談ですが、一昨日紹介した『Mint Love ミントラブ ‐薄荷之夏‐』とは、同じ思春期の女の子の夏の物語でもこうも違うかと思ってしまいます。 東洋トタンさん、今後も注目して推していきたい新星です。Twitterでは他にも百合短編なども公開されているので、本作を読んで気になった方はチェックしてみてください。
兎来栄寿
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