ミケ【コミック版】
ホラー漫画なのにどこかシュールで可笑しい
ミケ【コミック版】 晏芸嘉三
ひさぴよ
ひさぴよ
着ぐるみのように巨大なネコ「ミケ」が家から家へ彷徨うホラー漫画。 ホラーといっても血が出るような怖い漫画ではありません。 ミケは人間を傷つけるようなことはせず、いつの間にか家の中に居たり、餌をねだったり、狭いところにもぐったり、普通のネコの行動とたいして変わりません。 あくまでも人間の目を通した、ネコの不気味さ・ミステリアスな部分を怖く描いた漫画なのだと思います。 ただ申し訳ないですが、恐怖するよりも爆笑しながらこの漫画を読んでしまいました。なんと言ってもミケ自身と、ミケに対する大人たちの反応がおもしろすぎて。「どう見てもネコじゃないだろ!」「中に人が入ってるだろ!」と必死にミケを否定する大人たちが、次第に間違ってるのは自分の方なのか?とミケを受け入れて、それが日常になってゆくシュールさがたまりません。 完全にギャグでやってるとしか思えない回もあったので、ホラーを意識しすぎないで、笑って読んでも良いのかもしれません。 作品には、「捨て猫は絶対に許さない」というメッセージが込められていて、その辺りにもマジメなネコ愛を感じましたね。