転生したらスライムだった件

確かに異世界転生モノの名作

転生したらスライムだった件 伏瀬 川上泰樹 みっつばー
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
異世界転生ジャンルとか関係なく、普通に面白かった。 前世で通り魔に襲われ、亡くなりゆく意識の中で獲得していったスキルが、異世界へ転生後発揮され、体はスライムに、そしてスライムには持て余すほどの強いスキルを手に入れ、目覚めた直後にいた最強のドラゴンを捕食し、吸収。 序盤から敵なしの最強スライムが誕生する。 だが、スライムだ。 スライムゆえに不自由な部分を、もがきながら快適にしていく痛快サクセスストーリー。 システムの勝利かと思ったら話も面白い。 世界観やシステムをスキルに説明させることができるので、試行錯誤の部分がもう本当にいろいろ省力できるし、捕食することでその者が持つスキルを手に入れられるのでぐんぐん強くなっていく。 ということは、ほぼノンストレスでストーリーパートをぐいぐい進められるということで、詳しいあらすじ読んでる並みのスピードで話が展開していくから気持ちいいのなんの。 スライムなのに~、と、スライムだからこそ~、が散りばめられているのもいい。 個が力を持った先に何があるかというと、強すぎる個だけでは対応できないこと、つまり大規模な政治。 早々に軍団を作り上げて近隣とも政治をしていって政治的にもどんどん力を持っていく。 強さは戦いだけじゃないよというのも良いし、転生ものの醍醐味である前世の知識もそれなりに活用している。 そして、やはり絵が上手いし、漫画も上手い。 女の子もかわいいし、男もかっこいい。 ギャグもいける。 これは売れるわーと思うが、やはり苦労と絶望をしてほしい部分はあるな~。その振れ幅を楽しみたい。 危機的状況にあってもわりと簡単に解決できちゃうのはノンストレスでいいのだけど、それはこの作品に求めることではないのかしら。 気軽に読めるのが何よりの魅力だとしたらいらないんだろうな。