黒と誠 本の雑誌を創った男たち
『本の雑誌』立ち上げを描く、出版業界マンガ
黒と誠 本の雑誌を創った男たち カミムラ晋作
六文銭
六文銭
この手の業界漫画が好きなジャンルなのですが、今度は『本の雑誌』という、いわゆる小説の書評を掲載する雑誌をつくった椎名誠と目黒考二2人を中心に描いた話。 わたくし、これを読むまで、そういう雑誌があることを存じてませんでした。 ネットがない時代、情報はこういう雑誌が担っていたんだと痛感します。 また出版業界もイケイケだから、本は沢山うまれてくるわけで、その中から選定して紹介する、そしてそこにニーズを見出す慧眼はうなります。 最初は、2人で500部から自主制作かつ自腹でスタートして・・・というのもアツい。 何か大きなムーブメントになったものも、最初は小さな、本当に小さな個人の情熱だったりするの好きなんですよね。 ここに打算とかなく、まじりっけなしの純粋な動機だけで人を動かす感じ。 昭和の親父にはビンビン響きます。 雑誌や本とか、創り手の思いがこもったものは、それがなんであれいいもんだなとあらためて思いました。 とりあえず、御託はいいから、形にしてみるって大事ですね。 もともとの知名度のある2人に興味ある人はもちろん、出版業界全体の歴史に興味ある人はおすすめします。
どくヤン!
実におもしろいビブリオマンガ #1巻応援
どくヤン! カミムラ晋作 左近洋一郎
ひさぴよ
ひさぴよ
毘武輪凰(ビブリオ)高校…。そこは行き場のないヤンキーたちが集まる底辺不良校!と見せかけて、本を読みさえすれば入学でき授業料もタダの本好きにはたまらない学校。本を愛すヤンキー達のギャップを楽しむコメディ作品です。 特に本が好きな人におすすめな漫画ですが、とにかく一度試し読みして雰囲気の合う合わないを確認しておくのが良いです。ヤンキー文化が苦手な人もいると思うので。 どれだけ本を愛しているかで、ヤンキー同士の格が決まる世界観になっていて、強いヤツほど純文学を溺愛してたり、SF小説を極めていたり何かしらのジャンルへのこだわりがあって面白い。 格の低いヤンキーは、弱そうなやつにブッカツ(本のカツアゲ)をするなど、本好きを冒涜する行為をしがち(笑) 基本はヤンキー文化とビブリオネタをかけ合わせたあるあるネタが多いですが、読んでいて果たしてインテリジェンスが上がってるのか下がってるのか、よくわからなくなります。 一話ごとのオチで本編のストーリーに合わせた本を1冊、さりげなく紹介してくれるので、何だか得した気分になれますね。