かしこ
1年以上前
「迷走王 ボーダー」読んでみた
狩撫麻礼追悼本のインタビューでかわぐちかいじ先生が「自分が描き切れなかった〈ルーズ〉の部分をこの作品は表現している」と語られていましたが、初めて読んでみて「ルーズってこういうことだったのか」と納得しました。 主人公の蜂須賀はその日暮らしの世捨て人のような生き方をしているにも関わらず、億の金を手に入れたりする。でもそれを「蜂須賀さんならあり得る」とみんな納得してしまう。世間の価値観に流されない〈こちら側〉の生き方をしているからこそ、常識では考えられないような転機に恵まれるんだと思いました。 終盤のコンサートをする展開に最初はついていけなかったんですが、「そうだ起ち上がれ GET UP,STAND UP!!」と歌う場面でジーンと来ました。そこから燃え尽きた後に日常に復帰したと思ったらあっけなく完結しちゃうんだけど、その終わり方も「この世の中にもボーダーが普通に暮らしているってことか〜」と考えると明るい気持ちになれました。
迷走王 ボーダー
たなか亜希夫
狩撫麻礼
4
わかる