野愛
1年以上前
せめて描き続けてほしい
報われないならせめて救われてほしかったなあと思った。 事故により利腕を失った漫画家志望の男。 描けなくなってしまった男の前に、利腕の亡霊が現れる。 死んでもなお漫画を描きたくて仕方ない利腕。 描きたくて描いてる訳じゃなかった、取り柄が欲しかっただけだと言う男。 描きたい理由と描けない理由を与えた、男の過去。 何者にもなれない自分で生きていくために、自分で自分を殺してきたこと。 幼い頃にかけられた呪いにいつまでも囚われていること。 才能も経験も不幸なエピソードも何も持っていない自分にも、痛いほどに刺さる。わかる。 何も持たない自分を受け入れて生きろなんて、死刑宣告でしかないのか。 主人公は報われなかった。救われなかった。 せめて、作者本人には描き続けてほしいなと思った。この作品でこの作者名というのが不安になってしまうけど、描いていてほしい。
無くした利腕の葬式をあげる話
あ
7
わかる