あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
四人それぞれの愛欲=支配の果て
父親に虐待を受ける女子高生が、幼馴染三人と共謀して父親を殺害し、死体を隠蔽する事から始まる物語。四人それぞれの愛欲と、強い執着による狂いが痛々しい。 幼馴染の四人が抱く暗い感情。それを癒すために、それぞれの愛欲に依存してゆく様は、見ていて辛い。 男性とのインモラルな関係に惑溺してゆく二人に対して、とりわけ強い想いで結びつく二人はある男子を障害として、かえって純愛の度を強めている様に見える。 しかし問題は、四人とも愛・性・強い感情に囚われすぎている点にある。 愛情とか快楽とか、強すぎる物で人を支配しようとして、支配されている……そんな観点で見ると、四人の陥る闇の深淵は、実は私の足を少し踏み込んだ先にもあるように感じる。 殺人事件の解決、そして四人の関係性の終点に、救いは無い。想い合う二人の逃避行は二人の純愛の様に美しいが、その先に約束されているのは苦しく溺れるしかない暗い海だ。それでも純愛という支配から、逃れられない。 過去に恋を拗らせてしまったことのある人には、分かるかもしれない。こういう人間の昏さの為に、筒井いつき先生の作品はある。
少女支配
筒井いつき
1
わかる