その少年は、15歳にして悪徳の限りを尽くした。傷つけ、犯し、奪い尽くした……。半年間の失踪を経て、記憶の全てを失ってしまった高校生、斎藤悠介。記憶喪失なりに平穏だった日常は、ある日、突然、破られた。次々に現れる過去を知る者、復讐者たち。覚えのない咎で断罪される瞬間、死肉に突きたてた刃の、幻を見た。━━さて。俺が殺したのは、どこの誰だ? 謎と暴力の記憶喪失サスペンス! 終わりはくる。あらゆる物事に。無残なほどに絡んでもつれた事件にも、周囲を巻き込んで連鎖し続けた悲劇にも、魂を軋ませながら生き抜いてきた、命にも。その夜、雪の廃墟に、藤森蒼志が訪れた。本性をむき出しにして向かい合う悪魔たち。騙し合いの果て、出し抜かれたのはどちらか。信じたのは誰で、裏切られたのは誰だったのか。──さて。俺を殺すのは、どこの誰だ?
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ある日、人の頭上に数字が見えるようになりました――。カメラマンの見習いアシスタントとして働く百環は33歳。趣味は写真、仕事も写真で、彼氏無し暦=年齢。同窓会でも「そんなに仕事ばっかりしてて人生楽しいの?」と言われる始末。好きなことを仕事にできて幸せだ、と割り切っていたつもりだったけど… その帰り道、交通事故に巻き込まれ意識を失う瞬間に思ったのは、恋愛と仕事への後悔で――。奇跡的に無事、意識を取り戻した百環だったが、それから人の頭上に数字のようなものが見えるようになってしまい…!? 数字が示すのはそれぞれの運命…? どんなに大人になったって迷いながら生きている。数字があなたの『トリセツ』教えます。