僕のジル

11.27発売の作品集は絶対買ったほうがいい、たぶん

僕のジル 鯨庭
野愛
野愛

優しくて悲しくて痛くて甘くて、鍵のかかる箱に入れてそっとしまって置きたくなるような作品でした。 トーチwebでは『僕のジル』と『君はそれでも優しかった』の2作が公開されています(20.11.05現在)。 どちらもユニコーンやグリフィン、ピポグリフといった伝説の生き物と人間による物語が描かれています。 自分以外のなにものかに対して、側にいたいとか優しくしたいというのは人間の身勝手な感情なのでしょうか。自分が傷つきたくないから、寂しくなりたくないから、愛するという言葉を使って行動するのかもしれません。 人間が作り出したものならどうなるのでしょう。教育された優しさは本当の優しさとは異なるのでしょうか。 自然に生まれ出づるものだけが真実だとしたら、ひどく人道的に道徳的に産まれ落ち、十分な教育を受けて生きてきた私たちは作られたものなのかもしれません。 愛って何なんでしょう。馬鹿みたいに泣きたくなりました。 でも、悲しいだけの物語ではありません。愛に満ちた悲しくも優しい物語です。 作品集、手元に置いておきたい。優しさも悲しさも忘れないように、鍵はかけずにしまっておきたいです。

鬼女たちのティータイム

月刊!スピリッツに掲載された…レディコミ?!

鬼女たちのティータイム たかばやし澪
名無し子

主人公は元オタサーの姫。同じサークルに入っていた夫と結婚してからはオタ活をセーブしていたが、同人活動を続けている夫からは「コミケに向けて集中したいから」とセックスを拒まれる日々を送っていた…。どうにか夫の気を引こうとしてコミケ当日に夫の好きなキャラクターのコスプレをして会いに行くと「俺の美沙ぽんが汚れるだろーが!!」とブチ切れられてしまう。落ち込んでいた主人公に優しく声をかけてくれたナオ君と親しくなり、そのうちナオ君から不倫相手を紹介してもらうようになる…が、実は夫とナオ君は長年付き合っている恋人同士で、すべては主人公に離婚させる為の二人の策略だった。しかし最後は主人公が実体験を元にしてBL漫画新人賞を受賞する逆転オチでした。 月刊!スピリッツを読んでたらレディコミが現れた?!と驚いた作品。普段は別名義でめちゃコミに「制裁病棟」という作品を連載されているようですね。絵やストーリーに荒さはありますが読みづらさはないです。逆にそれが面白さになっているし、ふとした言葉のチョイスや見せ場の作り方はすごくセンスがあると思います。また月!スピで作品を読みたいです。