くらげバンチの感想・レビュー200件<<12345>>好き汝の隣人をXせよ 中原たか穂名無し絵が好き。顔がいい。 再会の仕方もとてもいい。 戦争を止められなくても、一時的にでも停められるような明るくて愛のある人間になりたい。 一瞬ののちには誰かが撃たれてしまうのであろうラストがせつない。暴力シーン&グロテスクなシーンが大量殺彼―サツカレ― 旭 大介starstarstarstar_borderstar_borderゆゆゆ話が進むと警告がド派手に大きくなるので、小さい文字で警告はダメねとなったんだろうか。 作者コメントで旭さんが「倫理観をバリバリに保ったままフィクション殺人鬼愛に溢れた漫画を描きたい。」と書かれているのだけど、倫理観とは。 出てくる殺人鬼キャラクターたち、見た目は良いのかもしれないけど、どいつもこいつもどこかおかしい。 主人公がおかしいと言ってるから、おかしいで間違えていないはず。 その真っ当そうに見えてくる主人公はDV男。勘違いしてはいけない。 一人称視点で読める風の、それぞれのお仕事(殺害)シーンもあったり、ドラマCDについての閑話もあったり。 ドラマCDまで作られたのは、見た目は良いキャラクターたちだからかなとか、ホラーやグロ表現が好きな人もいるよねとか、第一話冒頭の「エンターテイメントで描かれる暴力が楽しめるのは無関係だから」につながるのかなとか、いろいろ考えてしまった。「首くくりの町 ~篠宮神社シリーズ~」感想首くくりの町 ~篠宮神社シリーズ~ 武者辰虎 夜行列車ニーナええ…表紙を見た時から気づいてました。コレはヤベー話に違いない。そして案の定えげつなかった。しかも〈シリーズ〉って何!?…シリーズ化しちゃうんだ(笑) …っていうか、あまりに怨念パワーが壮大すぎて、逆に怖いのか何なのか分からなくなった(笑)。それにしても、怨霊がえげつないのは当然として、過去の村人たちの方がよっぽど鬼の所業に見えたよ。…続き、気になるなぁ。推しを殺したい推し殺す タカノンノstarstarstarstarstarゆゆゆ憧れすぎて、好きすぎて、これはもう嫌いなのかもしれない。 そんなセリフを言う恋愛漫画があったような気がする。 これはそれの漫画描き版といえばいいんだろうか。 自分がマンガ家・大森卓を超える存在になって、大森卓を殺したいという意味不明な発言をする大学1年生女・三秋縁。 人に作ったものを見られると快感を覚えるという性癖も意味がわからない。 普通なら見られることに抵抗を覚え、それに抗って人に見せ、批評を聞いて、プライドをずたずたにされながら強くなっていくはずなのに。 作品を見られて快感を覚えるせいか、配布するほど、見られることに躊躇がない。 作品に対する指摘はその場で直し始める。 この子、ものすごくできる子だ!! 対して主人公の小松くん。 若い時分に、ネットで好き勝手に作品を批評され、荒らされ、潰れかかっている所を担当らしき編集者はリアルでも批評してメンタルを潰してきて。 トラウマが深すぎるだろうに、小松のトラウマを横に置かせてしまう、三秋さんのマイペースさもなかなかすごい。 デコボコというか、デコデココンビだと思うのだけど、この二人によるボーイミーツガール&サクセスストーリーとなるのか。 今後の展開が楽しみ。超強力な怨念が「町」を全体攻撃…!「神仏vs悪霊」な町規模サバイバル!首くくりの町 ~篠宮神社シリーズ~ 武者辰虎 夜行列車starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。ちゃんと怖くてキモいニクバミホネギシミ パレゴリックstarstarstarstarstar_borderNanoあらすじを軽く読んで「オカルト系かな!?面白そう!」ってワクワクで読み始めたらがっつりホラー系だった!いやオカルトなんだけども、しっかり怖い。私はオカルトもノストラダムスの大予言も詳しくなく、流行ったんだよ~という過去の出来事として人から聞いてなんとなく知ってた人間なんですが、これめっちゃ続き気になる。 1話2ページ目からもう画が強い。そこからしれっと1999年のオカルトブーム時代の話になり、実際に放送してたようなテレビやオカルトライターの環境が垣間見えたり…この時点でこの時代を体験していない自分にとってはとても興味深い。そして私も知っているような鏡の話、いわく、怪談。極めつけに冒頭に繋がる1話ラスト…ぞくぞくしました。マジで犬吠埼ちゃんがどうしてああなったのか気になりすぎるよ…。寒くなってきた今だからこそ、オススメしたい作品。これが現実ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない― 有賀starstarstarstarstar_border野愛鬱を治すためには日光浴びてご飯食べてよく寝てネガティブなこと考えないで……ってそんなん意識してできる人は健康でしかない。死にたくなったら助けを求めようって言うけど病院は予約でいっぱい。 皮肉みたいだけどこれが現実なんだと思い知らされた。 学生や子どもが自殺したニュースを見るたびに、大人になれば自由になれば楽しいこともあるのにと思ってしまうけど、今が辛くてどうしようもないのに先のことを考える余裕なんてあるわけないよな…。 せめて医療や行政へのアクセスがもっとスムーズになればいいのにな…と無責任に願うばかりです。ふっ…おもしれー男!ヴィランの学校 奥嶋ひろまさたか※ネタバレを含むクチコミです。笑えて癒されて少し泣けるスローライフ魔王 #1巻応援ポンコツ魔王の田舎暮らし 渡邉ポポstarstarstarstarstar_border兎来栄寿『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の渡邉ポポさん最新作です。今作も推せます。 最強にして最凶でありながら、その性格は圧倒的に陰キャでコミュ障というアンバランスな魔王が本作の主人公。 ″骨″との闘いに疲れて 「知っているか 魔王は逃げられる」 とばかりに魔界から人間界の田舎に逃げてきた彼女が、奇妙な新生活を送っていくゆるいコメディとなっています。 話しかけられることを極端に忌み嫌い、無人販売所や自販機を見ては人間界とは何とコミュ障に優しい住みやすい世界かと感激する魔王が憎めず楽しいです。 個人的に特に好きなのは、ゆるさ極まったドラゴンちゃんたち。ヴィジュアルからしてとてもかわいくて大好きですが、いろいろな仕草もまたかわいい。ぬいぐるみなどがもしあったら欲しいレベルです。 渡邉ポポさんの描くかわいいキャラと田舎の風景とゆるい空気を纏ったギャグが合わさった心地よさときたらないのですが、本作はそれだけでは終わりません。エピソードによっては少し切なくなるところもまた味わいのひとつ。普段のゆるさとのギャップもあって堪りません。 『よつばと!』と『ぼっち・ざ・ろっく!』と『葬送のフリーレン』の要素を併せ持つ作品、というと売れ線感がある気がしてきますね。オバケ一刀両断カヤちゃんはコワくない 百合太郎starstarstarstarstar_borderゆゆゆタイトルから何故かラブコメを想定して読んでみたら、主人公は幼稚園児(年中)だし、ラブコメじゃなくてホラーだし、一刀両断で怪異を除霊していくし、びっくり! カヤちゃんがバシュバシュと怪異を倒していくだけでなく、カヤちゃんの家庭環境やらいろいろ出てきて、さらにこれから出てくる強いやつまで予告されていて、どういうことだろう?と飽きずに読み続けられます。 ちなみにオマケ漫画の神八って誰かと思ったら、「かや」の漢字名だと、2巻のオマケを読んでようやく理解しました。 トラブルメーカーとされる女の子が本当に見えているものというのは興味深いです。不器用ってレベルじゃねーぞ!!犬飼兄弟は不器用 あいづサク ヤマシタク名無し※ネタバレを含むクチコミです。新しいゲームって嬉しいよね働かないふたり 吉田覚starstarstarstarstar_borderゆゆゆこの働かない兄妹はとっても仲良し。 両親も二人のニートを見捨てていない。 この設定だけで、なんとほのぼのすることか。 新しいゲームに喜び、兄と一緒に遊ぶ妹。 流行りのアイドルの踊りとやらを深夜に二人して踊ったり、深夜に突然料理を作り始めたり、二度寝だと二人で一つのベッドに寝ようとしたり。 仲が良すぎて、小学生か幼児の兄妹をみている気持ちになるけど、彼らは既卒かつ未就労。 仲が良いのは兄妹だけでなく、両親とも仲が良い。 愛情たっぷり込めて、今も育てられている、働かないふたり。 餃子にわさびを入れる驚きプレーを母が止めないのに驚き、そしてわさび味に当たる父に驚き。 でも毎年肩たたき券をくれる娘というのは、一周回って、嬉しいものなのかもしれないなと思った。 お母さんは将来を考え、兄には就職活動、妹には花嫁修業をさせようとしているのだけど、妹の就職活動はいいんだろうか。生きていくすべをまず身につけろということだろうか。 お父さんの方も会社の人に料理上手な息子を主夫にいかがと勧めているので、なんとかなると思っているのは働かない道もあるということかもしれない。 スエット着た兄妹(特に妹の春子)の言動を見ていると、忙しくする日々で忘れていたものを思い出せるような気がする。裏の裏、更に裏があるんじゃ…?と深読みさせられるけど#真相をお話しします 結城真一郎 もりとおるstarstarstarstar_borderstar_borderさいろく答えはない。何度か読み返して考察するしかない。 昔のショートショートみたいだなと思って読み始めたものの、実際ゾワッとするような話から割りと解りやすいのに考えさせられる物語まであって結構良いと思っている。 絵がポップな感じでシンプルなのも原作の雰囲気に茶々が入らないので良い。 個人的には2巻がちょっと長い話から始まるのでもう少しショートショートらしさを売りにしてくれたほうが好みなのだけど、今後も続きがあるようなので楽しみ。婚活は戦場だ!婚活バトルフィールド37 猪熊ことりstarstarstarstarstar_borderゆゆゆタイトルを見て37巻と思ったら、37歳のことだった。 いやいや、なりたてだから、36歳のようなもの! 乳児のように37歳と何ヶ月かを気にする主人公・赤木。 わずかな差に繊細な主人公。 派遣会社勤務、趣味は海外旅行、好きなものは寿司、元ミスなんとか、元地方のモデル。 これはきっと、港区女性にならなかった、港区女性。 作中には、婚活に使用するあれやこれ、いろいろ出てきます。 婚活アプリは有料のほうが恋人を見つけやすいとか、相談所も大変ではあるけど結婚相手を見つけられるとか、社会人運動サークルで付き合い始めたとか、成功話を聞いたことある方法が次々出てきます。 しかし、本作はバトルフィールドなので、チャンスを倒し続けます。 赤木さん、倒しちゃだめだ!そこはブリッコを!! いやでも、婚活が疲れてきた人には、倒し続ける赤木さんを見て、すっきりするのかもしれません。 赤木さんのブリっているところも、本性も、突き抜けていて爽快です。 周りの独身女性キャラクターも、なかなかこじれた性格の方々が多く、デフォルメされたリアルを感じます。 しかし、年収500万で共働き必須って、都心で生きるのは大変だなあ。巻ごとに主人公が変わっていく、すばらしい脚本。か「」く「」し「」ご「」と「 二駅ずい 住野よるさいろくこれは良い。 1つの学園モノなのだが、 1巻では人の感情がテロップのように頭の上に見える少年、 2巻では人の気持ちがプラス・マイナスのバーで見える少女、 3巻では人の鼓動が数字で見える少女が主人公である。 皆1巻から登場するし、組み合わせが最高に面白い。 なんだろ、すごい変な喩えだけど涼宮ハルヒシリーズのような? それぞれお互いの能力は知らない同士のままなのがきっと暗黙のルール。 言い過ぎるとネタバレになりそうだから書かないけど、とてもとても良い。おすすめ。美ドールを愛でるおじさんを眺めるのがこんなにも幸せ #1巻応援ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話 さとうはるみ兎来栄寿先月の新刊でもトップクラスに大好きな『133cmの景色』に続いて、こちらも『月刊コミックバンチ』で連載中の大好きな新作です。 タイトルがすべてを物語っていますが、端的に言えば42歳の冴えないおじさんがドール沼にハマるお話です。 まず作者のさとうはるみさんの絵がとても良く、もうひとりの主役であるスターレットちゃんを始めドールたちが美麗なタッチで抜群に可愛らしく描かれているのが大きな魅力です。絵の説得力により、おじさんが急激にドール沼の深みにハマっていくのも自然に感じられます。今後、どんどん可愛くさまざまなおめかしをしていくであろうスターレットちゃんも楽しみです。 そして何より、本作で良いなと思うのはドールに出逢ったことで輝き出すおじさんの「生」です。 人生すべてを賭けることに何ら躊躇いのない推しとの運命的な出逢いを果たした瞬間のドラマチックさ、その出逢いによって世界が輝きに満ち、日々自然と人に優しくなり善行を積めるようになったり今まで気にも留めていなかった路傍の花の美しさに感動したり、といった描写が実に鮮やかに行われているのが良いのです。 彼は、いい歳をしたおじさんの自分が人形に興味を持ち好きであるということが社会的にどう見られるか、というところにはしっかりと自覚的です。それでもなお堰き止め切れず想いが溢れるシーンの数々を見ていると、しみじみとしながら口元が緩んでしまいます。 "ただの挨拶なのに… なんでこんな染みんだよ" というシーンなどは本当に好きです。 少しずつ、明らかになっていくおじさんの過去の事情がまた良いんです。 恋人もおらず会社でも疎まれて何のために生きていたのか解らない日々から一転、ドールによって「救われた」男性の物語は、きっと誰かの人生を救ってくれることでしょう。何もないと思っている人生にも、ある日突然予想もしないところから何かが起きることは往々にしてあります。 球体関節人形を作る友人はいても私自身はドールにそこまで詳しくなく、ラジオ会館の店の前も通ったことはあるくらいですが、読んでいるとドール知識が身に付いていくのも楽しいです。 細かい好きポイントとしては、 "ウィドマンシュテッテンの輝きは幾星霜の祈りの記憶" という1ページ目冒頭の文学的な書き出しからして、最高です。 マンガイントロクイズがあったら「ウィドマンシュ/」くらいで押して「『ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話』!」と力強く回答したいです。人の力では作り出せないものたちと、人によって生み出され人の形をしているドールという存在の絶妙な対比も美しさを感じます。 読んでいて心底幸せになれる作品で、人間ドラマとしての面白さがあるので特にドールに興味がない人にもお薦めです。プリニウスの感想 #推しを3行で推すプリニウス ヤマザキマリ とり・みきstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 昔に一巻読んで完結したら一気に読もうと思っていたので今回まとめて読んだが最高だった。プリニウスの旅、ネロ/ポッパエア/ティゲリヌスの宮廷話どれも素晴らしかった。 ・特に好きなところは? プリニウスの旅の全て。プリニウスの言動、プリニウスを尊敬してやまないエウクレス、そしてこの男がいなかったらこのマンガの面白さがかなり減ってしまうと思うフェリクスが特に良かった。パンクラチオンの達人でこよなく風呂を愛しプリニウスに対して疑問や意見を率直に言うところやエウクレスやプリニウスのツッコミに対しての反応全ていい。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 最初少しとっつきにくいところがありますが、フェリクスが登場したあたりから気にならなくなります。プリニウスやネロの描写や物語の構成は凄いという一言ですが、個人的にはフェリクスの描写が本当に良かった。 小田雅久仁の短編集がコミカライズ禍 小田雅久仁 山本貴大 ジヨンヌたか※ネタバレを含むクチコミです。知らない世界への扉を叩く女性に風俗って必要ですか?~アラサー独女の再就職先が女性向け風俗店の裏方だった件~ ヤチナツ 吉岡そのstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ世の中にはこういう世界もあるのかと、驚きながら読みました。 女性向け風俗、略して女風。 サービスを与える人はセラピスト。 「セラピスト 風俗」で検索すると、知らない世界がさらに開かれる記事が多々出てきて… …世の中、いろいろあるんですね。 漫画を描けるのにどうして事務員の仕事ばかり?と疑問を抱いたのですが、原案と漫画の方は別の方だったんですね。よく見ていませんでした。 コロナ禍で仕事が無くなったとはいえ、よく飛び込んだ&続けたなぁと思いました。 それから、最後のおまけ漫画にあった、セラピストはものすごく儲かるわけじゃないけど、女の人が好きだから仕事にしているというのは、すごく納得しました。 世の中、趣味を仕事にしたくない人と、したら仕事にならない人と、そのほうが仕事になる人がいます。 風俗というのはお客様事情が大変そうですが、向いている仕事があるというのは、良いですね。ウツパン見て同感する人もいるかもウツパン―消えてしまいたくて、たまらない― 有賀starstarstarstar_borderstar_borderママ子パンダが主人公。他は写実的なのに違和感のある漫画だけど読み進めてしまった。自分が心の病気カモと思って病院へ連絡すると一か月後の予約。心が弱っている人からしたら見放されたと同じ感覚かもしれない。追い打ちをかけるようにカラスに攻撃されるが助けが求められない。きっとそんな人が世の中には溢れているのかもしれないと感じさせる漫画でした。妖怪園のおしごと妖怪の飼育員さん 藤栄道彦starstarstarstarstar_borderゆゆゆ「ゲゲゲの鬼太郎」や「鬼灯の冷徹」のように、いろいろな人外の存在が出てくる、妖怪園という妖怪の動物園的なところで働く人間たちのお仕事漫画です。 妖怪というのは、信じてくれている人や知っている人がいなくなると消えてしまうものらしいですが、妖怪の存在が受け入れられ、人々が見ることができる世界線なので、妖怪園で保護された妖怪たちも安心です。 登場する妖怪も、かわいらしい見た目の妖怪だけでなく、怖いものや醜いものもしっかりでてきます。 性格もあっけらかんとしたものや、ジトジトした性格のものなど、多岐にわたります。 日本だけじゃなくて中国の妖怪もでてきます。 妖怪園以外の妖怪も登場します。 妖怪だらけです。 怖い顔の妖怪でも、基本的には怖がらせる展開ではないので、安心です。 妖怪が身近だったら、本当にこんな世界なのかもしれません。いきなり!1カ月大阪西成ドヤ街生活西成ユートピア ワダユウキ 國友公司名無し※ネタバレを含むクチコミです。子育てと、終活と。 #完結応援セブンティドリームズ タイム涼介兎来栄寿今この世界に生きている私たちは、誰しもがとんでもない確率と幸運の上に生きているーー そんな当たり前すぎることを、逆に当たり前すぎるからこそ忘れてしまいがちです。 生まれてきたこと、生きていること。 そのかけがえのなさ。 そして、それを成り立たせてくれている人々。 それは何も直接関わる家族や知人だけではなく、身の回りにある物品やこれまで飲み食いした物ひとつひとつの向こう側にいるそれに携わった人々も。 70歳で初の出産をする『セブンティウイザン』では赤ちゃんであったみらいちゃんは、数々の困難もありながらすくすくと成長し『セブンティドリームズ』開始時点では3歳になり幼稚園に通うようになりました。 子供を育てることの難しさ、大変さ。 その合間に訪れる、言葉にできないほどの嬉しさや幸福。 みらいちゃんを始めとする子供の目線からの思考や言動が非常にリアルで、自分が子供のころの思い出が蘇ってきます。感情をまだうまく処理できない友達との付き合い方の難しさや、何気ない一言が嬉しかったり傷ついたりする様などなど……。 タイム涼介さんが実際にご自身の子育てで経験したこともふんだんに含まれているであろう粒度の高いひとつひとつのエピソードから、知り合いの子供の成長を見ているような、あるいは自分ではしたことのない子育てをしているような気分にさえさせてくれます。モロー反射やラン活といった言葉は、この作品で学びました。 しかし、希望に満ち溢れたみらいに対して朝一たちは否が応でも残された時間の短さを常に意識させられる日々。子育てと終活、あらゆる人にとって他人事ではないふたつの軸が同時並行で語られていくからこそ、私はあらゆる人がこの作品を読む価値があると感じます。 ときに辛い現実も襲いかかります。2人目不妊や、終盤ではコロナ禍という未曾有の事態に陥った世界で生きる子供たちなど、困難なテーマも描かれます。今この作品を描くのであれば、そこから逃げてはいけないだろうという覚悟も感じました。 人は、人に何を伝えて、何を残していくのか。 何を幸せとし、何を喜びとするのか。 前作『セブンティウイザン』から全体を通して、人間が生きる上で大切なことがたくさん描かれている作品です。 先月、完結巻が発売となりましたが最後の5~7巻は紙媒体では発売されず電子限定となってしまっています。見つけにくくなってしまっているのが非常にもったいなく、多くの人に読まれるべき素晴らしい作品です。いつか『セブンティウイザン』同様に実写化などしてより広く知られて欲しいと切に思います。 子供の目線でも読んで感じるところは多いと思いますし、ぜひ親子で読んで語り合ってみても欲しい作品です。キツイけどマジでこれウツパン―消えてしまいたくて、たまらない― 有賀starstarstarstar_borderstar_borderNanoタイトル、目が覚めると28時間が経っていたの文字、読む前の注意書きで覚悟して読み始めたけど、キツイです。というか正直言うと、同じく大学生の頃作者さんと近い状態になったことがあります。読んでて思い出してしんどくなった。精神科や心療内科の予約の取れなささ、なんなんでしょうね本当…どれもリアルすぎて、死ぬ力がないから仕方なく生きてるんだよな、と改めて思ってしまいました。 鬱経験者も全くの未経験者でも、読んでて気分が沈んだり勉強になったり、今までの考えが変わったり整理されたり、色んな感想を抱くと思う。どんな感想でも間違いじゃないけど「へぇ鬱ってこんな感じなのか」程度でいいから覚えておいてもらえたら、もしかしたらいいのかもしれません。<<12345>>
絵が好き。顔がいい。 再会の仕方もとてもいい。 戦争を止められなくても、一時的にでも停められるような明るくて愛のある人間になりたい。 一瞬ののちには誰かが撃たれてしまうのであろうラストがせつない。