100万の命の上に俺は立っている

現実世界とパラレルワールドと中二病と

100万の命の上に俺は立っている 奈央晃徳 山川直輝
ゆゆゆ
ゆゆゆ

アニメ化されたと聞いたことがあったので、タイトルは知っていて、でもアニメはまだ見たことなくて、漫画をいつか読もうと思っていて‥ついに読み始めた。 主人公たちはパラレルワールドで、全滅しないようタスクをこなしていくという、おつかいゲームのようなことをマスターを名乗る人にやらされている。 今読んでいる時点では、ストーリーはただそれだけ。 人間関係はごちゃごちゃしている。 ただ、その先に何が待っているのか、それは誰もわからない。 剣と魔法とモンスターもいるのに、主人公が中二病というか、一歩引いているせいかファンタジーというにはちょっと冷めているかんじがする。 パラレルワールドには勇者として登場しているせいか、反則のような俺TUEEE設定だけど、そこはあまり気にならない。むしろ、ものすごく強いわけではない。 忘れかけるけど、彼らは普通の中学生。 これが一番残酷な設定にも思える。 ちなみに、「100万の命の上に」という一文から、ゲームの「俺の屍を越えてゆけ」が思い浮かんだ。 この作品の「100万の命」は、いったいなんのことなんだろう。

人間消失

謎すぎる世界

人間消失 江戸川エドガワ
六文銭
六文銭

進路希望を提出していないことで居残りさせられていた同級生4人。 すると突然、4人以外の人間がいなくなってしまったという話。 ちょっと何言っているかわからないかもしれないが、本当にそうなんです。教室に風がふき、カーテンがふわっとなったら、もう誰もいない感じ。 パラレルワールドに迷いこんだとか、そんな描写や説明もなく、一瞬で世界に取り残された4人。 学校はもちろん、街も誰もいないし、電車もこない。 コロナ感染など息苦しい世界に辟易としていたこともあって、4人しかいない世界に恐怖するよりも、その自由を楽しみ始める。 カラオケいったり、お店で好きなもの取ったりやりたい放題していく。 が、数日経つと、徐々に電気がとまり、食料も腐りはじめ、ネズミが蔓延し(動物はいる?)だんだんと自分たち以外の人間がいないことで、当たり前の生活のが保てなくなってくる。 そうなると当然4人の関係にも綻びがでてきて・・・という展開。 (1巻の冒頭がその結果です。) こういう、ディストピア的な話、大好物なんで本作も好きな部類なのですが、世界観の設定がいかんせん謎すぎる。 なにかの陰謀で・・・とか、戦争によって崩壊された世界で・・・とか、そういう説明があったほうがまだ納得できるタイプなので、この一瞬で今までの世界とは違う世界にいってしまうとか、むしろ恐怖でしかない。 この展開が自分的には新鮮で、 だから、逆にどういうオチがつくのか気になって読んでしまっております。 誰もいない世界でどうやって生きていくのか? この世界の意味は? など、謎を念頭に最後まで読み続けたいと思います。

離婚しない男

社会問題に斬り込む意欲作 #1巻応援

離婚しない男 大竹玲二
兎来栄寿
兎来栄寿

近年、「実子誘拐」が大きな問題になっています。もっと言えば、そうした人権にまつわる問題に関わる弁護士や政治家、官僚、NPO、活動家等に対して強い疑義が呈されるようになってきています。 「実子誘拐」という言葉を聞いたこともない、という方は以下のような記事を読むとその内容が解るかと思います。 「実子誘拐ビジネス」とは?共同親権問題、マスコミが報じない弁護士業界のリアル https://sakisiru.jp/37276 「実子誘拐ビジネス」の闇 人権派弁護士らのあくどい手口 https://findmyparent.org/ja/knowledge-base/「実子誘拐ビジネス」の闇 人権派弁護士らのあ/ 先日、そんなとんでもない助言を行なっていた弁護士と元妻を訴訟した裁判の2審判決が出て、子連れ別居を助言したことは違法とされました。 「子連れ別居を助言」は違法 元妻と弁護士2人、2審も敗訴 - 産経ニュース https://www.sankei.com/article/20230126-GDW6NAGO3FJF3N3YN3VUPZKFXA/ 何とか1審に続いて人倫に悖る判決が出なかったことに安堵しています。しかし、この件で助言をした弁護士のことを数十人もの弁護士が擁護しているのは異様です。子供を不幸にしながら、直接的にしろ間接的にしろ利益を得るなどということが断じてあってはいけません。 どうしてこんなことが起こってしまうのかは上記の記事にもある通りですが、何しろ母親の権利があまりに強く、仮に母親が子供を虐待していて父親の方が適切な子育てを行なっていたとしてもなお父親が親権を得るのが非常に難しく、またその勝ち目の薄い仕事を引き受ける弁護士も非常に少ないという現実があります。 そこに果敢に切り込んでいったのが、本作です。不貞を働くあまりに酷い母親から愛娘を引き離して暮らしたいものの、正当な方法で親権を得るために、法的な制約により離婚をすることすら許されない父親の重苦の戦いが描かれていきます。 娘を大事に育てたいという真っ当なその願いを、人間を守るはずの法が阻害するという矛盾。父親の怒り、悲しみ、憎しみ、無力感、やるせなさ……さまざまな感情が強く伝わってきます。 この物語を読めば、誰もが「こんなことが罷り通るのはおかしい」と思うことでしょう。でも、独身で興味がなくそんな法になっていることを知らなかったという人も多いと思います。それを知ることのできる作品として価値があります。 カバー下の描き下ろしでも、浮気調査の良い依頼の仕方や、離婚の時効が成立するための期間や始点についてなど詳しく解説されています。 既に他のクチコミも複数あり非常に盛り上がっていますが、1巻発売を機により注目されて多くの人に読まれて欲しい、そして不幸になる親や子供が1人でも減って欲しいと思い、書かせていただきました。