Gペンマジック のぞみとかなえ
待望の単行本化! 熱いし厚い!! #1巻応援
Gペンマジック のぞみとかなえ 崇山祟
兎来栄寿
兎来栄寿
5ヶ月前
鬼才はいる。悔しいが。 崇山祟さんの作品を読むと、そんな風に感じてしまいます。 『ミステリーボニータ』で2020年〜2022年にかけて連載されていた怪作が、待ちに待った単行本化を果たしました。2年分の連載が1冊にまとまっており、400ページを超えるボリュームとなっています。 古き良き筆致と世界観で描かれるのは、一言で表せば少女たちの「まんが道」。 ただ、一線を画しているのは全編にわたる超絶ハイテンションかつシュールな怒涛のギャグ。試しに1話を読んでみてください。何十箇所ツッコミどころが出てくるでしょうか。 圧倒的にパワフルなギャグが前面に出ていて意識しにくいですが、全体を通して描かれるひとつの物語は構成的にもしっかりしており最終話まで読み終えたときの満足度もとても高いです。 何より、根底に流れる熱いマンガ文化への愛とリスペクトが最高です。たとえば、神やA先生やF先生もデビューにあたって描いていた4コママンガについてであったり、原初のSFマンガについてだったり、あるいは神が手がけていた自由な表現を模索した某マンガ雑誌だったり……。 また、主人公たちがSFマンガを描いたら「もっと女性らしい表現をすべき」と審査員に言われるところなどかつての時代性に対する批評的な部分も見受けられます。加えて、自らが表現者となる道だけではなく誰かを支えることの方が生きる道となることもあり、それはそれで素晴らしいことなのだという肯定なども込められており、さまざまな目線で読める作品です。 マンガを通して共通の感動体験をし、絆が生まれる様。 マンガに対する飽くなき愛と情熱。 共に苦労を乗り越えてひとつの作品を創ること。 マンガを超えて何かに夢中になることの素晴らしさ。 何より楽しむということの大切さ。 マンガを愛する人には必ず響くであろう物語です。マンガって、本当にいいものですね。 細かい好きポイントは数限りないですが、一部を抜粋します。 ・吉良星子 ・ブルボンが作っていそうな名作お菓子ロマンロール ・ナイスヤング ・学校のインサート背景でずっと出てくる謎生物 ・月を背にした跳躍 ・ちくわぶともちきんちゃく弁当 ・死 イマージュ ・Gペンはふたりの聖剣(エクスカリバー)!! ・P100の吉良星子 ・アダルティーに乾杯(チアーズ) ・どんぐり食べますか? 元気出ますよ ・イノシシの毛皮で作った服 ・Doki Mune ・おたより募集コメント
エルピーと推しの生活
推し活、してますか #1巻応援
エルピーと推しの生活 えるたま
兎来栄寿
兎来栄寿
2ヶ月前
webとはいえ『ちゃお』系列でこの作品が連載されている日本の未来は明るいなと思います。 学業と弁当工場でのバイトをこなしながら推し活に邁進する21歳の女子大生エルピー。 エルピーと地元が同じで中学時代の同級生でありエルピーによって沼に引きずりこまれたプ〜コ。 オタク歴の長い古参で経験豊富なチョキ単推しの年上お姉さんペチねえ。 彼女たち3人が「ジャンケンボーイズ」(通称:ジャンボ)を推して推して推しまくる日々の様子がコミカルに、しかしリアルに描かれる作品です。 絵はかわいくデフォルメが強くて小学校低学年くらいでも親しみやすそうな感じですが、彼女たちの繰り広げる推し活模様は″ガチ″です。 トレカやコースターの交換 ぬい ライブ前の物販 現場でのマナー 店舗別特典 リリイベ お渡し会 コラボカフェ 誕生祭 自作グッズやケーキ カラオケや上映会 などなど、推し活経験者ならいろいろな感情を持って″理解る″であろう様子が描かれていきます。 とりわけすごいなと思ったのが、大阪遠征編です。ヤコバ(夜行バス)での移動はまだしも、某地区の安宿の様子まで克明に描いているのはびっくりでした。繰り返しますが、『ちゃお』系列作品なんですよこれ。『ちゃお』系列で西◯が描かれることあります?  「2段ベッドとかたたみの部屋はあいてるし安い!!」 で笑ってしまいました。ちょうど、私も最近泊まったところですが、昔と比べると治安もだいぶ改善して宿も星野リゾートが進出するなど綺麗なところも増えたので女性ふたりで行ってもまあ大丈夫かなと思えるようにはなってきましたが。でも、そういう経験がまた思い出に残るんですよね。 何しろ、推しを推すことによって人生が充実してエネルギーに満ち溢れるのは素晴らしいことです。推しを推している人であれは、ジャンルを超えて共感が吹き荒れるであろう作品です。
あたしンち SUPER
令和になったあたしンち
あたしンち SUPER けらえいこ
かしこ
かしこ
10ヶ月前
2021年個人的に一番嬉しかったのは久しぶりにあたしンちの新作単行本が発売されたことです。あたしンちは子供の頃から読んでいて大学卒業くらいの時に休載したんですが、自分のお金で単行本を買うようになってからは、年一回の発売日がちょうど誕生日に近かったので自分へのプレゼントとして買っていたんです。なので休載が本当に悲しくて、空白の6年が体感として10年に感じるくらい長かったです。それからのAERAでの連載復活のニュース、そして今年になっての単行本化はとっっっても嬉しかったです。しかもその発売日がちょうど私の30歳の誕生日だったので、まるでタチバナ家のみなさんに祝福されているかのような気持ちになりました。 待っている間はあんなに長かったのに、新刊を読んだら「お久しぶり感」がゼロでした。あたしンちの世界もコロナ禍になっていて、お母さんはAmazonで買い物してるし、お父さんはUber eatsを使おうとしてるし、しっかり現代にアップデートされてるのに、いつもと同じタチバナ家の日常にするっと入り込める。こんなに自然な続編を私は他に知りません!でもこれはいつも「当たり前の日常」を汲み取って形にしてきたけらえいこ先生だからこそ成せる技だと思います。これからはいつもの面白さにプラスしてあたしンちの絶妙な進化も楽しめるなんて最高です!!
ノブナガン
偉人の力で怪獣と戦うジュブナイル・ビルドゥングス・SFアクション
ノブナガン 久正人
ANAGUMA
ANAGUMA
1年以上前
主人公のしおちゃんは女子高生。織田信長の偉人遺伝子が宿り「ノブナガン」として宇宙怪獣から世界を救う戦いに巻き込まれていくのですが、JKでミリオタで作戦参謀まで務めるっていうギャップが効いてます。 久正人作品らしくアクションのかっこよさ、偉人の逸話や能力を使った戦闘のギミック、怪獣のディティールや掃討作戦のカタルシスは文句なく最高です。久正人×宇宙怪獣の組み合わせに間違いがあるわけがない…。 『ノブナガン』がとりわけ魅力的だなと思うのは、しおちゃんの成長を描くビルドゥングスロマンでもある点でしょうか。 (甘酸っぱいラブロマンスもあるぞ!) 人付き合いが苦手で「オタク」として孤立しがちな彼女に手を差し伸べる親友にしてヒロイン、浅尾さんとの関係は読んでいるこちらが恥ずかしくなるほどにかわいらしく、そして美しいものです。 しおちゃんは浅尾さんのために銃を取り、やがて仲間と手を取り合うことを学び、最後には全人類のため、愛する人とともに戦います。 ひとりだったしおちゃんの世界が広がっていく、そのキッカケになるのは他ならぬ浅尾さんなのです。 自分はこの作品、かなり正統派のセカイ系マンガなのでは?と読んでいたのですが、壮大なストーリーの中心には必ずしおちゃんと浅尾さんの物語が据えられていたからだろうと思います。 特に終盤、進化侵略体との決戦が近づき戦闘がスケールアップしていくのと対照に、決着へ突っ走るための力強いエンジンとして彼女たちのミクロな関係性が描写されていくのは圧巻の快感があります。 パワフルなストーリーと巨大な感情が全6巻のなかにギッチリ詰め込まれてます。ボリュームたっぷりの一作、ぜひ読んでみてほしいです。
腐女子になって四半世紀経つとこうなる
かつての同人事情と大バブル同人時代を描く
腐女子になって四半世紀経つとこうなる 御手洗直子
ANAGUMA
ANAGUMA
1年以上前
個人的なネタで恐縮ですが通っている美容師の方から大昔にコミケの売り子バイトをされていた話を聞いたことがあります。なんでもバイト先は大層羽振りがよいサークルさんで、あまりにすごい勢いで売上があがるのでお客から受け取った札を片っ端からゴミ袋に突っ込んでいき、バイト代はそこから手づかみでバサバサと支払われるありさまだったそうな…。 聞いたときはオタク向けに面白エピソード盛っていただいてありがとうございますあっはっはとテキトーに笑ってたんですが本書を読んだ今、このコミケ昔話にナマのリアリティが乗っかってきてしまい震えが止まらなくなってます。 TwitterもPixivも存在しない時代の同人あるあるを克明に記録していることで知られる本書。個人サイト、便箋、カラス口、晴海トークなど鋭いジェネレーションギャップが次々繰り出されてきますがまだこれは序の口です。 なんといっても時代の証言者・高河ゆん先生が当時の大手サークルの実情をガシガシ語るパートがド迫力すぎて手に汗握る。がゆん先生が登場してからマジで空気変わります。 当時でも都市伝説とされていたエピソードの一例がこれ。 ・売上の入ったゴミ袋を廃棄したサークルがある ・会場に銀行員が来て売上を数えていた ・スタッフ全員でハワイ行った 結論から書くとどれも“真実”だったようです。なので私が伝え聞いた札束ゴミ袋日当の件も多分マジですね。なにこれ? でもなんかパワーとエネルギーが溢れる時代だったんだなーとか、今も昔も好きなものに全力でやるのが楽しさの秘訣だよなーとか夢もらえる気がしますね。全然まとまった感ないですが一旦これでお願いします。 繰り出される情報がカロリー高すぎてまだ受け止めきれずにいるので皆さんも是非読んで面食らってほしいです。
江戸城再建
これはワクワクする…!
江戸城再建 三浦正幸 黒川清作
さいろく
さいろく
1年以上前
この漫画はベンチャー企業に務めた経験がある人には刺さるんじゃないだろうか。 もちろん、それ以外の人にも普通に面白いし、ザーッと流し読みするだけでもどうなっていくんだろうと展開が気になってくると思う。 物語の大半は主人公である堀川が「自社役員会」や「取引先」ひいては「国民」「皇室」を相手取って立ち振る舞う大活劇。 (皇室を相手取るというと不敬に聞こえるかもしれないけど他意はないです) 実際にハードルとなるのはどういうところなのか?現代に江戸城再建したい、しかも皇居内に、となると「そういう問題もあるのか」と全く知りもしなかった障壁がどんどん出てくる。 もちろん日本という国のもとに生まれ育った日本人ならではの感性であったり、東京で暮らしている人たちは肌で感じているであろう皇居という存在と尊厳の重要さ、さらには現代におけるジャパニーズエンペラーが世界中にとってどういった可能性を持つ存在なのかをしっかりと描いてくれている。 モニュメントがない!と言われる東京。東京タワーやスカイツリーなんかはあくまで高い塔で、心で支えられていない。これも他意はないんだけど、日本という国の象徴にはならないであろう。 何故なら日本の象徴は皇居内にあるもので、目に見えているものではなかったりするから。この曖昧さが逆に日本人の自由さかもしれないけれど。 色々と考えさせられるし、堀川の背景も深いものを感じる。 適当に取って付けたような設定ではなく、本当にやろうとしたらこうなるだろう、こういうのが必要だろう、というのがしっかり描かれていてとてもとても興味深い(本当に足りてるかはわからないけど) あとテンポもいい、すごくサクサク進むし、面白い。 これを学生時代に読んだ若者の誰かが偉業を成してくれると日本の未来は明るいだろうな。 追記:1巻のあとがきにある「誕生秘話」がちょっと良い。こういう感じならここまで真剣なのも納得できるなと思った。
ハカセの失敗
「失敗」の意味を知る物語
ハカセの失敗 七野ワビせん
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
史群アル仙改め七野ワビせんさんがTwitterで2018年〜2020年にかけて描いていたシリーズが単行本化されたものです。古き良きを感じさせてくれる可愛らしい絵柄で、心の奥深くに響くものがある作風は健在。 本作では世界征服を目論む博士が作った自分のクローンと二人暮らしをしていた過去の失敗の日々を最期に回想するという設定で進行していきます。 クローンは生まれたての赤ん坊と同様で、シングルファザーとして子育てに勤しみ喜怒哀楽にまみれる姿は半ば子育てエッセイのよう。子供が見せる純朴な姿に心を奪われたり感心したり、一方で子育ての大変さに心身を窶してストレスが爆発したり……。 博士がお土産にもらったかわいいウサギの置物を壊されてしまった時の、「誰も悪くないけれど大切な人に大切なものを壊されてしまった時のやり場のない感情」をマンガに落とし込む巧さは流石だと思いました。 偏屈で人間嫌いな博士と、無垢に色んなものに触れて育っていくクローン、博士の発明に目を付けているハリスら中心となるキャラクターが立っており、彼らのストーリーは無限に生み出せそうなほど。単体でも関係性でも好きになる要素が豊富にあります。 脇役の犬猿も絶妙。特に猿社会でも人間社会と同様のストレスを抱えて自分で処理していることが見受けられる猿に心を寄せてしまいます。 七野ワビせんさんのマンガは本当に愛おしいですし、スランプに陥ってしまったそうですがこれからも無理のないペースで執筆を続けて欲しいです。
食糧人類-Starving Anonymous-
人類VS人外ものの名作
食糧人類-Starving Anonymous- イナベカズ 蔵石ユウ 水谷健吾
六文銭
六文銭
1年以上前
個人的な感想で恐縮なのですが、正直コレ系の作品って冒頭からインパクトのあるテーマ・設定とショッキングなシーンがテンコもりなので、後半はダレる傾向にあると思っているんですよ。 最初の期待値を超えてこないというか。 でも、本作は最後まで読めてしまい、最初から最後まで裏切らない感じが面白かった証拠だと思います。 7巻で短くもないですが、長編ほどでもないのも良かった。 さて内容ですが、 とある星からきた虫みたいな異星人の食欲を満たすために、人間が食料になるという設定。 その異星人は、想像にもれず大きくて凶暴。 そこで国が、核処理場と偽って、人間を家畜のように繁殖・飼育できる施設をつくる。 主人公は、その施設に入れられてしまい、現実離れした世界に恐怖し脱出をはかろうとします。 同じように施設から出ようとする、ないしはこの施設と深い関係のある2人の人間、山引とナツメと出会い・・・という流れ。 この2人の人間が、特殊能力があったり色々いわくつきで、そこから展開されるストーリーは、想像の斜め上をいって飽きないんです。 (若干、ご都合主義的な部分もありますが、それはご愛嬌で。) 特に、最終的に上記の異星人と対峙するのですが、その倒し方が秀逸すぎて・・・ 過去こんな残虐な(色んな意味で)倒し方があったのか?と唸りました。 また、虫みたいな異星人のフォルムがキモい上に残虐で、そのグロ表現も本作の魅力です。 文明が高度に発達した星から来たとか言っているけど、腹減りすぎると共食いはじめるとか、その知性のカケラもない行動に不気味さを加速させます。 人外VS人類、パニックホラー、SFにピンときた人はおすすめしたい作品です。
そのへんのアクタ
殺戮マシーン、一般人になる? #1巻応援
そのへんのアクタ 稲井カオル
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
この作品を稲井カオル先生の前作『うたかたダイアログ』で例えると、 「片野さんは心が生まれたばかりのロボットみたいなことを言う……その内『これが…ナミダ…?』とか言いそう」 と言う宇多川さんのセリフ。これを全編に渡って繰り広げる感じになる。 地球外生命体の襲来で滅びそうになりながら、何となく滅びなかった世界で、最前線で戦った英雄・芥は次第に煙たがられ、緊張感の無い鳥取部隊に左遷される。 14歳から7年間、戦い以外を切り捨てて戦闘マシーンとして、英雄とした生きた芥は、ゆるい鳥取で気持ちを持て余す。 人間らしい感情や常識の無い芥が、色々教えられて新しい自分の在り方を探していく物語になるのだが、その物語は決して一筋縄には描かれない。 普通、可愛い子供や仲間、美しい光景などとの出会いで、人間らしい情緒や愛情を取り戻していきそうなものだが、芥が出会うのは、生意気なガキンチョに、ちょっとズレた感じの女性副隊長・百福。年長の隊員・古賀がツッコみ切れない程の、百福&芥のボケに継ぐボケ。更には生意気なガキンチョの遊びや語彙を、貪欲に吸収する芥。 結果、彼が獲得する新たな感情は、人間らしいと言うより……? 結構真剣な話や、「深いい」話もしつつ、様々なズレと畳みかける細かなボケに含み笑いが止まらない感じは『うたかたダイアログ』と同様。結果なんだか不思議な読後感のこの作品、是非人類と共にグダグダと続いていって欲しい!
めだかボックス
あらすじ詐欺とかいうジャンプの伝統芸
めだかボックス 西尾維新 暁月あきら
mampuku
mampuku
1年以上前
 「化物語」スタート記念カキコミ。  今や講談社ノベルズのレジェンドでありキラーコンテンツの西尾維新作品ですが、当の本人はデビュー作「戯言シリーズ」作中からずっと「ジョジョ」などをはじめとするジャンプ漫画の大ファンであることを公言していて、「ジャンプで連載」という長年の夢を叶えた瞬間がこの作品でした。  「化物語」大ヒットの只中にババ~ンとジャンプに降臨し、新人ながら妙にエロティックな存在感のある絵柄で(調べたらMAJORなどの男性向け同人誌などで有名な方だったようです)話題をさらい、掲載順こそ後ろの方でしたが、2度のアニメ化という輝かしい実績を残しました。  球磨川禊や安心院なじみなどの強烈な人気のサブキャラが数多く生み出された一方、主人公のめだかちゃんや狂言回しの善吉はあくまで「主人公キャラ」を貫くことを是とし、完全無欠の無敵キャラっぽく登場しためだかちゃんでしたが難敵に苦戦を強いられたりボコられたり正しくバトルヒロインでした。「ジャンプらしさ」「らしくなさ」をメタ的に弄り倒す西尾イズムは、敢えて斜に構えて見せることで読者に自らを他の凡百の読者よりも賢くなったと錯覚させ、めだかボックスの良さがわかる俺という優越感を与えてくれました。スピンオフが作られるほど球磨川が人気になったのもその辺が理由じゃないですか。見てて気持ちいいんですよね球磨川。  まあでも自分は断然めだかちゃん推しですけどね可愛いから
百合好きの男子高校生の話
もっと早く教えてほしかった百合好きコメディ…!
百合好きの男子高校生の話 あさがお
天沢聖司
天沢聖司
1年以上前
全然存じ上げなかったんですけどこちらの作品はTwitter発でバズりまくってたんですね。 https://twitter.com/asa_gao45/status/1090825080307777536?s=20 アマゾンで見かけて「ほーん、百合好きくんと百合好き好きくん的なやつか?」と思って買って読んでみたら想像以上にキレの良い百合好き男子高校生コメディで最高でした…! 読み終わってから評価2件しかついてないの嘘だろ…!? ってビビリました。 物語はヤンキーの杉川がオタクの須原に絡んだところ、まさかの推し百合絵師だったと判明し力関係が崩壊するところから始まります。そりゃクラスメイトが神絵師だったらもう拝むしかないじゃない…! 杉川は元々ヤンキーとして振る舞っていただけに最初は須原とその友人・吉田とちょっとギクシャクするのですが、途中から開き直ってただの百合好きとして仲良くなっていくところがホント好きです。高校生っぽい…! 絵師・須原のことを「先生」って呼んじゃうところとか、百合作品の良さを噛みしめるときに顔覆っちゃって語彙力フニャフニャになっちゃうとことか。ヤンキーのくせに中身完全にオタクな杉川がものすごく可愛い!! 良い百合小説を書くのにPixivアカウントを持っていないという吉田に杉川がバチギレするとこが最高でした。その気持ち痛いほどわかる。 スーパーヒロインボーイ、神絵師JKとOL腐女子が好きな人には特にオススメです…! 【追記】 あさがお先生について調べたら、『ジンガイさんとニンゲンくん』の人じゃないですかやだ〜〜!! いつも読んでます大好きです…! https://twic.jp/books/kLYh6kczFQoVZskEd8Qq/1 (↓自分の好きなアニメについてツイートしたら推し絵師が二次創作絵を描いてくれたの図。お金払いたいのわかりすぎる)
全知的な読者の視点から
縦スクロール漫画の人気作品がめちゃくちゃ面白かった!
全知的な読者の視点から singNsong Sleepy-C UMI
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
3ヶ月前
最近、縦スクロール漫画をいろいろ読み漁っているところです。 この『全知的な読者の視点から』を読み始めてまだまだ序盤ですが、いろいろ読んだ中でも特に面白かったです! https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0000822 平凡なサラリーマンのキム・ドクシャ(金独子)が、趣味でWeb小説『滅亡した世界で生き残る3つの方法』を中三から10年以上も毎日読み進めていたがついに最終話となってしまう。 その小説には最初こそ読者は何人かいたものの最後の方は自分しかいないようだった。 読み終わると突然、世界に異変が起こり、これまで読んできたファンタジー小説『滅亡した世界で生き残る3つの方法』に起こっていたことと全く同じ状況が目の前で繰り広げられていく。 自分だけが、これから起こる出来事のすべてを「読者の視点から」知っている状態で、モンスターが現れ特殊能力を手に入れ、人間同士でさえ殺し合いに発展していく滅亡していく世界で生き抜いていく! ファンタジー的なことが巻き起こりますが、登場人物も世界も一応現実の延長線上ですし、ピリッと緊張感漂うシリアスな状況で、絵も上手いのでかなり引き込まれます! ゲームのメニュー画面みたいなものが出てきたり、レベルや能力もあるので、いわゆる「強くてニューゲーム」的なシステムかと最初思ったんですが、微妙に違うのが面白いところ。 こういうのでよく見られるようなタイムリープしたり、やり直すような形ではなく、あくまで読者として、知識として知っているというのがポイント。 というのも、読んでいた小説の主人公ユ・ジュンヒョクこそが何度もやり直している最強の男として存在しているから。 それでも、あくまで知識だけとはいえ、知識こそ武器です。 知識があれば、どうやって強くなればいいか、誰と仲間になればいいかもこの先の展開で何を準備したらいいのかも分かるので、アドバンテージとしてかなり強い! どうなっていくのか楽しみで仕方ありません。 「トッケビ」という、妖怪?妖精?の存在と、彼らが「星座」に対してこの状況を配信するという形は、ある意味デスゲームで富豪が配信を見てる状況のようで面白いですね。 規模が世界規模だから人知を超えたそういう形になってるのかな? 「星座」という概念は、神様みたいなものでしょうか。 神話で語られたり、歴史上の偉人だったりした人たちが宇宙のどこかからこっちを覗き込んでるような。 そして配信を通して化身と呼ばれる人間(プレイヤー達)に投げ銭したり、直接能力やスキルを授けるような支援をしていくものとなっています。 韓国発のマンガでも日本へローカライズされたときには、名前や地名などなど日本のものになることが多いですが、こちらは主人公の名前・ドクシャに意味があるからなのか、韓国の名前や地名のまま。 個人的には無理に日本っぽくしなくてもと思うこともあるのでこうやって読むのも好きです。 第1話で語られますが、ドクシャは韓国語で「一人っ子」という意味もあるようですが、父は「強い男になれ」という意味で付けたとのこと。
徘徊女子
これ大好き!!!ダイヤの原石すぎる街歩き漫画 #1巻応援
徘徊女子 やんむら
天沢聖司
天沢聖司
1年以上前
新刊ページで見つけて値段見てみたら220円だったので買ってみました(※各巻約20ページ)。そしたらメッッッチャいいじゃないですかこれ…!!すごく好きなやつでした! 正直本編を読む前は 「何でもない街を精細に描き込み、タイトスカートのOLさんがブラブラ徘徊する、マッタリゆるゆるの癒し系お話です。私の好きなものを詰め込みました。」 というあらすじで、よくある可愛い女の子が何もしない日常漫画かな…とあまり好みじゃなさそうだなと全然期待していなかったのですが、読んでビックリ! よつばと!のような緻密な背景! なんてことない街並みを1人で内心味わう孤独のグルメのようなモノローグ! なんと中身はブラタモリでした。最高〜〜!! https://twitter.com/yanmura/status/1186292824972521477?s=20 もっと言うと、「ブラタモリみたいにマニアックな視点で街歩きをしつつ、そこからアカデミックな部分を抜いて、街並みを眺めて自分が『いい…!』と趣を感じる心を大事にするお散歩」という感じ。 自分もこれよくやるので仲間がいる〜!! と読んでいて嬉しくなってしまいました。 これ絶対鉄筋入ってないだろみたいなブロック塀とか、玄関と公道がゼロ距離で家の壁に沿って植木鉢並べてる平屋とか大好きで、街中で見つけると「うわ〜、いい…!」って見ちゃうんですよね。 シーズン1の主人公女子アナ・早乙女さんの萌えは、早乙女さんが「スパッとハウス」と呼ぶ元長屋をぶった切って、一部だけ駐車場にしたりリノベーションした建物。 これ今度散歩するとき絶対探しちゃう…! 何よりこの漫画に共感したのが、早乙女さんがスパッとハウスの写真をSNSに上げないところ。 決して映えないし万人には理解されない風景でも、自分は確かにそこに趣を感じたから撮った写真。自分が好きで「いい」と思ってるから、他人からの「いいね」は別にいらないんですよね。 4巻からはシーズン2となり、主人公は親が再婚して高校生の妹ができたサラリーマンの来人に。 いきなり出来た女子高生の妹・美里という存在に戸惑いながらも、歩くのが好きだという美里に付いて行き、自分が「なにも見るものがない」と思っている地元・尾張瀬戸を美里の視点で見て回る。 この2人の距離感がすっっごくいい…! こういう義理の兄妹ものっていきなりゼロ距離でベタベタするエッチなJKが出てきがちですが、こちらはあくまで現実的な壁のある距離感。 特に来人のJK相手にキョドるわけでもなく、「あのお邪魔じゃなければついていってもいいですか?」大人に接するのと同じようにとても丁寧な言葉遣いで接しているところが素敵でした。 2人散歩の続きが早く読みたい! こちらの作品は漫画家の背景アシスタントをしているというやんむら先生の同人作品のようなのですが、大手出版社で連載始めればメチャクチャ人気出ると思います…! 月スピとかモーツーとかに載っててほしい。 というか本当に背景がうますぎる…これ写真加工じゃなくて描いてるんですよね? すごすぎる…。 あっという間にファンになりぜひ応援したいので全然1巻出たばかりじゃないんですけどマンバの「#1巻応援」タグで応援させてください。 いい漫画に出会えてよかった〜!
映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ ストーリーブック
映画を見てから読みました
映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ ストーリーブック サンエックス 主婦と生活社
酒チャビン
酒チャビン
1年以上前
マンガというか、絵があって、キャプション的な文章がついてるというもので、どちらかというと、字の多さ的にはけっこうある方なので、小さいお子さん向けに購入を検討されている親御さんは注意です。(そもそもすみっコたちは話せませんので、マンガにするとスラムダンクの山王戦の後半みたくならざるを得ず、その方がお子さんには理解が難しいかもしれません) 私は大人なので、難なく読破できました。 基本は映画があって、それを再構成したものなので、映画を見た自分としては特に目新しさはなかったのですが、映画を見て感じたジンワリとした感動を手元に何かしらの形で残しておきたく購入しました。たまに今でも見返しています。 終盤の、帰り道にふぁいぶがとかげののほほんとした顔から何かを感じ取ってしまうシーンと、その夜にふぁいぶがとかげの宝箱をぶちまけてしまうシーンはいつ見てもほのぼの泣けてきます。 再構成のレベルも総じて高く「映画を見逃してしまったけれどもDVDを買うほどでもないんだよな、レンタルも返すのめんどくさいし・・・」という方は、こちらの本だけ読んでも十分余すところなく魅力を堪能することができると思います。 イノッチと本上まなみさんの音声が聞きたい方はごめんなさいDVDでお願いします。 ちなみにこの映画はすみっコぐらしの映画の第2弾なのですが、第1弾と比べると、人気のとかげをメインにしたり等、少し「すみっコスピリッツ」を忘れてるところがあるんじゃないかと感じてしまいました。ほんの少しですが。 第3弾があるようなので、ぜひとんかつメインでお願いしたいです。
人間不信の冒険者たちが世界を救うようです
正直ラノベ版の方が好きだが
人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 川上真樹 富士伸太 黒井ススム
ピサ朗
ピサ朗
1年以上前
美麗な絵が付くとやはり読みやすいし、短くされているとはいえ冒険者たちのダメダメな表情が実に愛おしい。 ストーリーを言うと中堅どころの冒険者PTに所属していたニックだが、細々とした裏方仕事をウザがられて追放されて…といういわゆるなろうの「追放物」のテンプレっぽく、実際なろう版も存在するのだが この作品の実に面白い所は、そうして身を堕としたダメ人間描写が一々説得力と生命力にあふれまくっている所。 メンバーが落ち込んだ時に出会ってしまった趣味がアイドルオタク、キャバクラ好き、賭博好き、食い歩きなのだが、小説版ではここがまあ実に生き生きとしたダメな趣味に出会ったダメ人間を軽妙な筆致で描いていて、感心した物。 漫画版ではこの部分が、主人公ニックのアイドルオタクになる部分しか描かれていないが、実に残念。 とはいえ人間不信なりに仲間との絆を作っていく姿、その為のルール作りなどは所謂ぼっちの人には中々共感できそうな部分も有り、何だかんだ仕事と生活が充実して、現実から逃げるようにハマったダメな趣味が、健やかに自分の生きがいとなる健全な趣味になっていく様なども中々読ませてくれる。 戦闘部分は小説版ではそれ程しっかり読んでいなかったのだが、作画担当の絵が上手いのでここも楽しめる物になっていて、コレは漫画版ならではの利点と言える。 タイトルからするとこの後は大きなヤマにぶち当たるのだろうが、なろう版を読んでも世界を救うのはだいぶ先になりそうである。
構成/松永きなこ
表紙に惹かれて1巻読んでみたらグサグサ刺してくるお仕事マンガだった
構成/松永きなこ 清水しの ピエール杉浦
nyae
nyae
1年以上前
学生時代の一番の思い出は、イケメン男子に笑顔で話しかけられたこと。 そんな三軍のオタク女子のまま25歳になった松永きなこ。 お笑いが大好きで、ラジオでハガキを読んでもらうことが何よりの幸せ。そんな中ある出来事をきっかけに「放送作家」という職業を知り、こんなにも自分の"好き"が詰まった仕事はない!と、なりたい気持ちが湧き上がる。 が、だいたい想像ができるように、なろうと思ってなれる職業ではない。作品の中で挙げられる代表的な放送作家は、鈴木おさむや秋元康など雲の上の存在。 学歴もコネもないきなこは、お笑いライブを担当していた放送作家に声をかけ、根性で企画をいくつも提出するも、ぶっ倒れるほど面白くない。そんな中でも運良くとある新番組企画の会議に参加できることになるが… ここからわりと心がえぐられる展開。 クリエイターやメディア関係の仕事を志した経験があると分かる人が多いかと思いますが、好きなことだけをやっているとどうしても自分の実力を過信しがちで、いざ新人として業界に足を踏み入れた時、自分の無力さ、無能さ、凡庸さを思い知ってプライドがズッタズタのボッロボロになります。 きなこは完全に心が折れて、自分がここにいてはいけないと思い親の病気をでっち上げて逃げようとしますが、鬼のように怖かった制作会社の社長がきなこに大変ありがたく優しいお言葉をくれるというところで1巻読了です。 きなこは最高にツイてると思いました。だって普通だったら「あ、そう」で終わりなのに。 また、きなこの同級生で当時一軍として輝いていた人たちも同じように25歳になっているわけですが、今も一軍でい続けているということは全く無く、環境が変われば誰もが三軍なんだということもちゃんと描かれています。それもわかる…今ならわかる! まだ何も手にしてない、身についてない、実績がない時にもがき苦しんだ記憶はなるべく思い出したくないものですが… 自分が何歳のときに読むかによって、捉え方が大きく変わる作品ってありますが、これがまさにそうで、20代前半の自分に読ませたいなと思う半面、むしろ30を過ぎた今のほうが刺さるかもとも思いました(思い当たることがある人は特に)。 原作のピエール杉浦さん自身の経験をほぼそのままマンガにしたとあとがきに書いてありました。ピエールさんは一旦辞めて田舎に帰って、やっぱり諦められなくてもう一度チャレンジしたそうです。 まだ1巻を読んだところですが、4巻まで一気読みしてしまうと思います。

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