平太郎に怖いものはない

お好み焼きが食べたくなりました

平太郎に怖いものはない
ママ子
ママ子
1年以上前

いきなりのSF展開?大きな手が平太郎を握って異世界へ?!一つ目の子どもが出てきたり主人公たちの幻想なのか想像を掻き立てられます。冒頭のごんちゃんは何に怒っていたのか。「うちのこと…」の先はなんていうつもりだったのか展開がわからず試し読み終了。続きが見たい!

ここは鴨川ゲーム製作所

漫画の続きを勝手に妄想しました

ここは鴨川ゲーム製作所
ママ子
ママ子
6日前

表紙のデザインと文字の面白さで選びました。おばあちゃんちの雰囲気だからこそゲームのアイディアが浮かぶこともありそう。最新の高層マンションでは思いつかないような発想が出てきて大ヒットのゲームが作れそう…と勝手に漫画の続きを妄想しながら読みました。お試しだけではなく続きが気になります。

秒速5000km

恋愛における速度差が浮かび上がらせる本質

秒速5000km
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前

新海誠さんの『秒速5センチメートル』は2007年公開。 この『秒速5000km』は2010年に出版。 タイトルをどれだけ意識して付けたのかは不明ですが、少なくともこの両作品の間には『君に届け』と『島耕作』くらいのスピード差があります。それは、実際の日本と海外における恋愛の速度差がかなり如実に表れている部分で興味深いです。 ただ、どちらも作品を彩る独特の色合いのセンスが抜群で、かつ存在する男女感の甘苦さという点で共通しているのは面白いです。この重なりから、場所を隔てても変わらない人間の本質が浮き彫りになってきます。 本作は2011年のアングレーム国際漫画祭最優秀賞を受賞した作品で、ここマンバでも原正人さんがかねてより注目しており邦訳化したいと仰っていた作品でもあります。今回、この日本語訳版が出たのは海外マンガファンからすれば念願が叶ったというところでしょう。 透明水彩で描かれるオスロのフィヨルドや、エジプトの黄砂に咽せるような熱気と夜の寒さは非常に鮮やかです。筆者のマヌエルさん自身が「知らないことについて語ることはできない」という教えからオスロやヴェネツィア、また建築家としてアスワンに住んでいた経験を元に描いており「たぶん、漫画を描くことを通じて、これらの土地をより深く、それまでとは違った仕方で理解するようになるのだと思います」と語っているのは興味深いです。 求めていたはずの幸せをどこかで見失いながら生きる人間たちの姿は、国境を越えて読む者の胸に響きます。 「私はまた息ができるようになった」 のような印象的な言葉のセレクトが、そうした感情を増幅させています。 普段、海外作品にはあまり触れないという方もこの機会にいかがでしょうか。

おいしい二拠点 単行本版

憧れの田舎暮らしと都会の利便性の両立 #1巻応援

おいしい二拠点 単行本版
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前

都会に住む人が、田舎にしかない自然や忙しなくない時間の流れに憧れを抱くケースは多々あります。かくいう私もそのひとりでした。 本作の冒頭で、長野の名もなき林の中で裸足で川に入り青空の下で清冽な空気に全身を浸した瞬間に主人公の麻胡(まこ)が ″困ったな まだ帰ってもないのに  またすぐここに来たい″ という想いが浮かび上がり、そしてその直後に ″そっか  「また来たい」んじゃないや″ と気付いて、夫に「東京で働いて長野に住む」と宣言し二拠点での生活を始めていくシーンが描かれます。ここにまず大きな共感を覚えました。 私も吉野山の世界遺産になる程の絶景と空気の美しさにほぼ同様の想いを抱いて、移住しつつ何かの際には東京へ出向いていた経験があるので正に「まだ帰ってもいないのにまたすぐここに帰りたい」「何なら永住したい」という感覚になりました。コンクリートの山によって空も狭まった場所で疲弊していると、緑の中で呼吸することで人間に還れる感覚があるんですよね。 ただ都会には都会にしかない便利さや人が集まっているが故に催される営みもあり、それはそれで大きな価値です。仕事を含めた多くのことがインターネットを介しリモートで行えるようになってきてはいても、どうしても大きなイベントは都会中心で(最近はそういったものもオンラインで行われるようになってきましたが)、リアルの場に行かないと人との生の交流という真価は味わえません。田舎に憧れ田舎で暮らしてみてから初めて解る都会の良さや田舎の大変さもあります。 ″梅ささみ一本だけ焼いてもてなしていただくのって  都会のうれしさだったのね″ の部分も高解像度です。 そしてこの作品でも描かれている部分ですが、人付き合いは田舎で暮らす上での大事な課題です。最近でも話題になっている事件がありますが、その土地の権力者が大変な人物だと大きな苦労を強いられることになります。上手く行けば良いのですが、ずっと住む上では死活問題です。 しかしながら、そういった部分はあったとしても、夜に見える美しい星空ひとつでお釣りがくるものでもあるんですよね。人の世の事柄など、全て些末になり吹き飛んでしまうような。私も引退したら田舎に居を構え直したいです。 この物語の中ではコロナ禍という状況というのがひとつのキーポイントとなっており、その中での夫婦間の関係の亀裂の入り方、そこから取り直して共に進んで行こうとする瞬間の細やかな機微などにイシデさんらしい良さがよく出ています。夫婦に留まらず、人と人とが上手くやって行くために大切なことがいつも描かれているところが好きです。 また、木曽の名産「酸茎(すんき)」を使った新たな名物を作ろうとするところの楽しさなども。麻胡のフードライターという職業はイシデさん自身食べるのが大好きであることから設定されたそうですが、同じく食べることが大好きな私は豊かに描かれた食べ物のシーン全般興味深く読めました。 舞台となる長野も個人的に思い入れのある地なので、非常にfor meな作品でした。麻胡と扇の夫婦が、どのような壁にぶつかってどのように乗り越え、どのように人生を満喫していくのか。続きもとても楽しみです。

夢なし先生の進路指導

「夢を諦めさせる」新しい教師像

夢なし先生の進路指導
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
1年以上前

めちゃくちゃ面白いですねー! これは令和の新しい教師像とも言えるんじゃないでしょうか。 学校の先生といえば、「夢を持て」とか「諦めるな」とか「夢の力を信じろ」とか力強く生徒の背中を押すような熱い言葉をかけるのが一般的なイメージがあります。 でも、このマンガは一味違って、夢を見る残酷さ、そのリスクを先生が徹底的に調べ上げて、夢を否定してるとも取れるような手厳しいことを言ってくるんですね。 挙句の果てには「夢にはくれぐれも気をつけてください」、「夢は人を殺しかねない」と生徒に言う。 そして、この先生が何故こういう指導方法なのかというと、実は元キャリアコンサルタントなんですね。 だから生徒にとっては厳しいかもしれないけど、敢えて良い部分だけじゃなくて客観的な事実としての夢の危険性を伝えてたってことが分かるんです。 夢を追いかけるリスクを聞いても夢に突き進む生徒たちですが、一時的に望んだ仕事をできるようになっても仕事によっては数年後に心身ともにボロボロになってたりする。 そんなときにそっと会いに来て前向きに諦めることを教えてくれて、新しい道を一緒に探す手助けをする。 夢を諦める手助けをする教師って聞かないので新しいし、面倒見よくていいですよね! 「ビッコミ」でも読めますね! https://bigcomics.jp/series/a9c40aa96eed5/

タワマンに住んで後悔してる

魑魅魍魎跋扈する魔塔 #1巻応援

タワマンに住んで後悔してる
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前

「お前なんて安い低層階に住んでるくせにっ!」 子供同士の喧嘩ですら、こんなセリフの出てくる世界の何と歪なことか。 Twitterで大人気の窓際三等兵さんが原作の、タワマンを舞台にした群像劇です。 野球少年の息子を持つ九州から引っ越してきた淵上家の舞の視点から始まり、瀧本家、堀家の3つの家庭の様子を中心に描いていく構成となっています。 田舎では誰もそんな話はしていなかったのに、東京に来たら皆が子供の受験の話で持ちきりというのは大いにあるあるでしょう。私も、都心で育ち小学校6年生のころには半分くらいの生徒が登校しなくなりそれぞれ家庭教師や塾で毎日12時間以上勉強しているような環境にいたので、理解できる部分は非常に多いです。 夫の勤め先・年収・学歴や、子供の成績・特技、住んでいる階層など、すべてにヒエラルキーを作り終わりなき不毛なマウント合戦が繰り広げられる世界はそこらのホラーよりよほど恐怖に思えます。これが現実にも存在するので恐ろしいです。読んで、恐らく死ぬほどマウントを取られ続けて心を擦り減らしてきたであろう母に思わず改めて感謝してしまいました。 ただ、この作品の面白いところはステレオタイプなマダムとマウントバトルするだけではなく、それぞれの家庭の外から見た部分とは違う内情が描かれていくところです。どんなに華やかに思えたり羨ましいと思えるところでも、その裏には何があるか解らないというのもまたリアルです。そして、逆に元々は普通の田舎の家庭であった淵上家が都会の文化に染まり狂っていくところも見ていて苦しいですが見ものです。グラハム子さんのかわいい絵柄がクッションになっていますが、総じて現代の「人間」が色濃く描かれています。 ある種、今のタワマン最高層並に豪奢な生活をしていた友人の家庭の闇を直視した経験もあるので「幸せとは何だろう」「それは相対比較し続けた先に見つかるものなのだろうか」と考えずにはいられません。タワマンに限らず、SNS全盛で人間は羨望や嫉妬という感情を抱きやすい時代です。皆『ブッダ』や『咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A』を読んで、他人と比べて苦しむことから解き放たれて生きれば良いのにと思わざるを得ません。それができないから苦労するのもまた真理なんですけれども。 余談ですが、「第4章 嫌よ、埼玉なんて住みたくない」というサブタイトル、そして「埼玉はね みんな色々抱えてるのよ」というセリフが愛しくて堪りません。

エマの樹

憎らしかった義姉が死んでしまい…

エマの樹
名無し
1年以上前

最初は不憫さ故の同情だったかもしれないけど、主人公の律がずっと抱えていた寂しさを義姉であるエマが埋めてくれていたことに、居なくなってから気付いたのかなと思いました。もしエマが死なずにいたら、ふたりはどんな関係になっていたのだろうか。いがみ合いながらもなんだかんだ一緒にご飯食べたり愚痴を言い合ったりしていてほしい。とてもいい話でした。

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