今まであまり見かけなかった、ハーフと呼ばれる人視点のお話。迫害というか、差別というのか、まあそういったことはたまにあるんだろうなぁとしか思ってなかった。
私は観光地近くの接客業でアルバイトをしていて、海外の人っぽい風貌のお客様は頻繁に来る。海外からの観光客は日本語が通じないことが結構あるので、そういう時はゆっくり話してみたり身振り手振りを使ってみたりして必死に伝えている(情けない事に英会話が出来ないので…)。でもごく稀に、日本人にしかできない独特の言い回しをナチュラルにする人が居るので本当に驚いてしまう。日本住まいが長いのかな、いっぱい勉強したのかな、外人さんなのにすごいなーなんて考えてしまう。
いま思い返せば、とても失礼なことだったかもしれない、その人たちは海外の人の血筋に生まれただけの、日本で生まれて日本で育った普通の日本人だったかも…今更ながら少し反省。
彼らに限らずの話ではありますが、あらゆる立場の人の事情を理解し、その人の視点に立って、よく考えながら思考や発言をしていきたいですね。そのためには、本作のような漫画は必要だと思います。長々とすみませんでした。
この作品は「この世のものとは思えないほど美しい宝石を売っているが金銭は受け取らない」という不思議な宝石商を営む男と、彼が出会う様々な登場人物が織りなす物語です。
この宝石商の持つ石櫃には特別な力が宿っていて、石櫃に入れたものが”持ち主にとってどれだけ価値があるか”を反映して入れたものを宝石に変えることができるというのです。
この作品ではそんな石櫃を持つ宝石商と出会い、さまざまな理由から自身の”大切なもの”を宝石と変える人々のドラマが描かれていきます。
オムニバス形式で展開するこの作品は、土地も時代も飛び越えた多種多様な舞台が登場し、作中で登場する”宝石”にも引けを取らないほど美しい絵で物語が描かれています。
また、物語によっては史実に沿っているような展開を見せるものもありハッとするような仕掛けもたくさん仕込まれている、そんな作品です。
1巻まで読了