名無し1年以上前編集羽生という男は山でしか生きられない。 そしていつかは山で死ぬしかない男だ。 危険なルートと安全なルートの選択を迫られたとき、 迷わないわけではないだろうが、 危険なルートを選んでしまう。 そうでなければ登る意味が無い、と思い、 それが美しい登り方だと思ってしまうから。 人間関係でもそうで、 良好な人間関係を保つために 言葉を選び表現を変えることが出来ない。 変えたら話す意味がない、と。 もしも羽生がマロリーのカメラを世に出して、 世界中が世紀の発見だと賞賛しても、 羽生は 「所詮は過去の記録だ」 くらいに言いかねない。 羽生という男は山でしか生きられない。 そしていつかは山で死ぬしかない男だ。3わかるfavoriteわかるreply返信report通報
あらすじエヴェレスト初登頂の謎を解く可能性を秘めた古いカメラ。深町誠は、その行方を追う途中、ネパールで“毒蛇(ビカール・サン)”と呼ばれる日本人男性に会う。彼がネパールに滞在する理由とは!? そして、彼の正体とは…!? 巻末に、夢枕 獏[『神々の山嶺』漫画版によせて]+谷口ジロー[もうひとつの山嶺]収録続きを読む
羽生という男は山でしか生きられない。
そしていつかは山で死ぬしかない男だ。
危険なルートと安全なルートの選択を迫られたとき、
迷わないわけではないだろうが、
危険なルートを選んでしまう。
そうでなければ登る意味が無い、と思い、
それが美しい登り方だと思ってしまうから。
人間関係でもそうで、
良好な人間関係を保つために
言葉を選び表現を変えることが出来ない。
変えたら話す意味がない、と。
もしも羽生がマロリーのカメラを世に出して、
世界中が世紀の発見だと賞賛しても、
羽生は
「所詮は過去の記録だ」
くらいに言いかねない。
羽生という男は山でしか生きられない。
そしていつかは山で死ぬしかない男だ。