なおなお1年以上前編集金丸刑事の気付きの続きから。さすがに読者には知りようがないけれど、確かに「抵抗したときにできた傷」と首のまわり(両側)にできた「あざ」とは傷の質、というか傷を付けた人間の目的が違う。それぞれ別人と考えるのが妥当。そして青酸を使った殺人であるはずが分量が少なかったので予定外にそれを行った、というのが金丸刑事が生前に言った「素人の犯行」の理由か。一回目には行われた田中老人などへのテストの機会が心の例えば立ち回りにより阻止された影響がここに出たといえる。一方では翼は明音の推定死亡時間には現場ではなく下に降りていたことが心に目撃され、公式情報となっている。結局のところ殺人犯は別にいることを示したに過ぎないかもしれない。それでもそこから何かが進展することを期待したい。少なくともこのタイミングでこれが注目されるのだからこれで終わり、ということはないと思う。 後半は心の発案による「家族の時間」。今回のタイトルである「最後の家族」のとおり、「心おじさん」を含めてはこれが最後というのはちょっと寂しさとジーンとくるものがある。そしてこのタイミングでのタイムカプセルは絶好の小道具になった。みんな揃ってしんみりしているのを見ていると、今度こそ一回目の母子家庭と家族離散、二回目の無理心中とみなしご人生は降りかからないで欲しいと思う。 ハーモニカのエピソードは親子を実感した。そして大切な指輪を家系図と共にタイムカプセルに入れた心には覚悟を感じた。その延長の現代に戻ったとき、ベストの形でそれを再び手にして欲しいし。その時ちゃんと過去の記憶が残っていて欲しい。考えてみると無事音臼事件を阻止して解決して現代に戻った場合も、家族皆と過ごした幸福な28年間の記憶が共有できないのは心にとっては可哀想ではある。 今回はとにかく戦前最後の佐野家の時間を楽しませてもらえた。是非とも今度こそ28年後も幸福な家族、タイムカプセルを開けたいと思える家族でいて欲しい。11わかるfavoriteわかるreply返信report通報
あらすじ1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童含む21人が毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。続きを読む
金丸刑事の気付きの続きから。さすがに読者には知りようがないけれど、確かに「抵抗したときにできた傷」と首のまわり(両側)にできた「あざ」とは傷の質、というか傷を付けた人間の目的が違う。それぞれ別人と考えるのが妥当。そして青酸を使った殺人であるはずが分量が少なかったので予定外にそれを行った、というのが金丸刑事が生前に言った「素人の犯行」の理由か。一回目には行われた田中老人などへのテストの機会が心の例えば立ち回りにより阻止された影響がここに出たといえる。一方では翼は明音の推定死亡時間には現場ではなく下に降りていたことが心に目撃され、公式情報となっている。結局のところ殺人犯は別にいることを示したに過ぎないかもしれない。それでもそこから何かが進展することを期待したい。少なくともこのタイミングでこれが注目されるのだからこれで終わり、ということはないと思う。
後半は心の発案による「家族の時間」。今回のタイトルである「最後の家族」のとおり、「心おじさん」を含めてはこれが最後というのはちょっと寂しさとジーンとくるものがある。そしてこのタイミングでのタイムカプセルは絶好の小道具になった。みんな揃ってしんみりしているのを見ていると、今度こそ一回目の母子家庭と家族離散、二回目の無理心中とみなしご人生は降りかからないで欲しいと思う。
ハーモニカのエピソードは親子を実感した。そして大切な指輪を家系図と共にタイムカプセルに入れた心には覚悟を感じた。その延長の現代に戻ったとき、ベストの形でそれを再び手にして欲しいし。その時ちゃんと過去の記憶が残っていて欲しい。考えてみると無事音臼事件を阻止して解決して現代に戻った場合も、家族皆と過ごした幸福な28年間の記憶が共有できないのは心にとっては可哀想ではある。
今回はとにかく戦前最後の佐野家の時間を楽しませてもらえた。是非とも今度こそ28年後も幸福な家族、タイムカプセルを開けたいと思える家族でいて欲しい。