「美代子阿佐ヶ谷気分」「軍刀」「無頼の面影」「阿佐ヶ谷心中」「ピストル」「川」「静かなピンク」「落下傘」「恋愛」「キス」収録。私は三十二歳の頃に分裂病を発病し、以来、十七年間まともな考え方が出来にくくなった。今回の作品集は、分裂病以前の作品であるが、発芽の模様はすでにある。――私はいつ死ぬか判らないが、漫画も小説も油絵も死ぬまで画く事になるかも知れない。(安部慎一)
私は友人を殺した――で始まる、永劫の鬼才ジョージ秋山、衝撃の告白。妄想なのか、それとも現実なのか……。自身の混沌とした苦悩を綴った著者入魂の衝撃作――。
6年連続日本一という偉業を達成したジャイアンツだったが、川上監督はいまのジャイアンツにはいない、荒々しいサムライのような選手が必要だと感じていた。そんな折、二軍選手の八幡のすすめで、川上監督は長島とともに四国の土佐に渡る。そこで、八幡の高校の後輩・番場蛮(バンババン)と出会った二人は、常識では計り知れないその野球センスに惚れ込む。そして後日、川上監督は番場をドラフトで指名する。入団をいったんは断った番場だったが、最終的にはジャイアンツへの入団を決意する。
ふろやのせがれ・聖徳十円はクラス一のどじでおっちょこちょい。やることなすことすべてをドジり、善意で起こした行動も裏目に出てばかり。成績が悪くて親に怒られ、ガキ大将にはいじめられ……。だけど心はまっすぐで、曲がったことは許せない。かわいい妹・太子のために、立派なお兄ちゃんになりたいけれど!?
今世紀初頭、南米マヤで日本人の学者によって不思議な予言板が発見された。複雑な神聖文字とマヤ式数字で飾られたその巨大な石碑……そこには歴代の世界征服者たちに続いて『ジャパッシュ』の名が記されていた。マヤは後世の征服者を予言していたのだ!世界征服の野望を抱く日向光はジャパッシュを組織し、数々の謀略によって征服への道を驀進してゆく――!!
ブンは走ることが好きだった。うれしいとき、悲しいとき、ブンは思いっきり野山を走った。走れ!!泣くかわりに思いっきり走れ!!走ることが大好きなブン、兄貴分の一郎、ブタのヨシ子をかわいがるボウシ、過疎化が進んだ田舎の分教場の個性的な子供たち。永島慎二の、子供たちへの愛情が生み出した珠玉の名作!!
ロサンゼルスの日本人街をさすらう吉良旭。落ちぶれた空手家・甲賀正清と出会ったことから、ケンカ殺法を美人女子プロレスのチャンピオン・ローザに伝授することになった。ローザは正統派のレスラーだったが、悪役の挑戦者にタイトルを奪われ、タイトル奪還のために旭からケンカ殺法を学ぶことになったのだが…。悪魔に魂を売った男・旭のケンカの極意とは!?熱血格闘漫画!!
岩崎隆は業界最大手の東亜繊維の売れっ子ファッション・コーディネイター。彼は今、秋冬モノのCMモデルを探している。結局は父が東亜繊維の専務である優香梨を起用して、やがて彼女と結婚もしてのし上がっていくのだろう…周囲の誰もがそう読んでいた。しかし隆は10年前の杏子のような、優香梨の所属事務所の社長で、かつてトップモデルだった杏子の様な逸材を探し求めていた。そう、かつて隆がモデル生命を絶ってしまった、恋人だった杏子のような…。
グズで泣き虫な少年・グズ六こと大西六郎(おおにし・ろくろう)と相棒の馬・ゴン太(ごんた)の活躍を描いた人情ドラマ。北海道で祖父と暮らすグズ六は、何をやっても失敗ばかりで悪ガキ達にからかわれていた。そんなある日、狂暴な熊に襲われて命を落とした祖父から、その死の直前に九州で母親・柳子(りゅうこ)が生きていると知らされたグズ六は、相棒の馬・ゴン太とともに九州を目指して旅に出るのだが……!?
息子は息子、親は親、それぞれで稼いで生活する奇妙な親子関係のゴン父子の、ハチャメチャな日常を描いた赤塚不二夫のシュールギャグ作品。大工と酒を飲んでゴキゲンなゴンのおやじだぞ。そこへ仲間に入れてくれって変なおじさんがきたぞ!ええっ?ゴンの学校の先生だって?それがどうした、スルメだってやらないぞ!だって、我が家は別々に暮らしているから、ゴンの事なんか関係ないもんね!サンデー連載時の扉絵や編集者によるアオリも“そのまま”収録した特別編集だ!
祖母の遺言を胸に秘め、たったひとりで上京してきた天涯孤独のサブやん。そして、「釘師の神様」と呼ばれていた根岸に師事して、日本一の釘師を目指すことに。そんなある日、サブやんが働く店に玉1個だけを買った奇妙な客が来て……!?大衆娯楽の王様・パチンコに命をかけた釘師・サブやんの娯楽超快作!!
2000年後の未来社会。時間と空間を征服した人類の宇宙帝国イース(EHS=TheEmpireofHundredSuns)の幾百の遊星領には、前史時代以来の英王統の女系の女子が女王として君臨していた。女性が政治・軍事・司法・経営等の社会活動の一切を掌握し・・・
ガロ作品の中でも「美代子阿佐ヶ谷気分」はファンが多い印象があったのですが、読んでみて納得しました。これはカッコいい。同じく「赤色エレジー」も貧乏同棲カップルのアート系なカッコいい漫画だけど、「美代子阿佐ヶ谷気分」にはフランス映画っぽいカッコよさがある。作者のあとがきを読むと永島慎二が好きだったようで、リアルに「漫画家残酷物語」みたいな生活をしていて、それをそのまま漫画にしてるだけなんだけど、美代子の存在によって傑作になってる。漫画の中で美代子は男に振り回されっぱなしの女性なんだけど、とにかく美しく描かれてる。作者自身も自分は絵が下手だと書いてたけど美代子だけは上手い。この2人が別れることなく今も夫婦でいるってのはすごいことだなぁ…。