兎来栄寿
9ヶ月前
ドラマ化もされ大人気を博しながら先日最終話を迎えた『明日、私は誰かのカノジョ』ですが、いわばNEXT『明日カノ』となりそうな風格を感じる作品がこちらです。
女性向け風俗をメインテーマとした群像劇で、最初は小説家の女性・晴海の物語から始まります。中学時代の経験から恋愛に向いてないことを自覚しその時に死んだと思っていた感情が、女性向け風俗を利用することで想像もできなかったほど劇的に蘇っていくさまが描かれていきます。
サブタイトルが「アポトーシス」ですが、晴海の父親が元化学教師であるというところから夜職のマンガでしっかりとネクローシスとアポトーシスが語られるのは面白いです。そうした育ってきた家庭環境を含め登場人物それぞれにあるバックボーンが詳らかに語られていくことで、現実にもありふれていると感じるようなエピソードでも独自の色が生まれて深く入っていけます。
また、晴海を担当するセラピストのアキトはその次の章ではまた別の立ち位置で違う側面を見せてくれます。仕事では誰かの支えになりながら、プライベートでは自分も他の誰かに支えられて生きている。この群像劇ならではのそれぞれのキャラクターの多面性を見せてくれる構成が、夜職などの華やかな面と現実の対照性とも非常にマッチしていて面白みを感じさせてくれる部分でもあります。さまざまな利用者やセラピストを始めその周囲の人物たちを通してそれぞれの物語を見せてくれます。
人間はつくづく幻想に生きているし、それでも幻想によって生きられるのならそれでいいと思います。ただ、幻想を追い求めすぎて幻想を見せてくれる現実の人間に縋り過ぎるようになってしまうと破滅の足音が忍び寄ります。それでも追い求めてしまうのが人間というものですが。強く共感できる部分もあり、共感はできないけど理解はできるという部分もあり。
近年は女性向け風俗がマンガで扱われることも急増してきたと感じますが、この『東京宵街シンデレラ』は最大手の「東京秘密基地」への取材も行いながら丁寧に描かれていることもあってリアリティがあります。
あとがきマンガにその取材の様子も描かれていますが、そこの元オーナーさんの浮世離れしたコメントの数々だけでも面白いです。
東ねねさんの絵もアシスタントの方が描く背景も非常に美しくヴィジュアル的にも人気を得やすいと思いますし、今後実写化などしてブレイクしていくことが大いに期待される作品です。
あいざっく
1年以上前
現代のニッチな層が抱える闇や悩みにスポットライトを当てる大きなきっかけになったと思います。
私も登場人物に共通する部分が多々あるので、
(整形や歌舞伎町など諸々。。。) 共感というよりは、定期的に心が抉られました。
例えば、萌ちゃんが楓にされていた言動は明らかに営業なので (分かる人には分かる!)
友達と心を痛めながら鑑賞しておりました笑
読む人によって色んな感情で読める、面白い作品だと思います。
「夜王」など歌舞伎町などをテーマにした作品は今までにもよくありましたが、
ゆあてゃなどのキャラクターが可愛くて印象に残りやすい、
パパ活やレンタル彼女など現代で注目され始めているテーマも取り上げている、
SNSが売上を左右するようになり、SNSで有名なホストがで一般人の目にもつくようになってきたタイミングでホス狂を取り扱ったなどのポイントが
明日カノがヒットした大きな理由なのかなと思います。
個人的には、今までのどの話よりも最新シリーズがリアルで共感もできるのかなと思いますが、
皆が求めているのはゆあてゃや萌ちゃんが出てくる辺りの、馴染みのない世界だけどリアルに感じるようなものなのかなとも思います。
名無し
1年以上前
雪は、彼女代行サービスで日々お金を稼ぐ女子大学生。
ある時は妹ロリ系、ある時はスポーティ女子と様々な”彼女”になる。
そんな毎日を送る中、ニセ彼女としてレンタルしてきた辻と出会う。
そんな辻にも理想の彼女を演じる雪に、惹かれていく辻。
ふたりのどこか歪な関係が、今始まる──。
今回は趣向を変えて、超話題作の「明日カノ」を紹介したいと思います!
レビューを投稿するにあたり、雪編を久しぶりに読んだんですが、いや一話目から面白い…!
辻の真っ直ぐさと、雪の不安定さといいますか、よく対比されているなと思います。
是非一度読んでみてください~
名無し
1年以上前
明日、私は誰かのカノジョ
→明日カノ