ひさぴよ
ひさぴよ
2021/09/20
ビル窓ガラス清掃の仕事を通じた人間ドラマ!
camera
昔の学生時代に求人誌を見て、ビルの窓ガラス清掃って楽しそうだなぁと思ってアルバイトに応募しようとしたことがあったけど、高い所が好きだということと、高所で作業することは全く別次元の話だと気付いて結局やらなかった。それでもいつかはビル窓拭きの仕事やってみたいなあと思っていて、今でも高所で作業する人たちにはどことなく憧れを抱いている。 さてこの漫画、窓を拭くだけの地味な漫画と思うなかれ。高所からの構図が半端なく上手く、ザイル、ブランコ、ゴンドラといった道具設備がやたらとリアルに描かれ、高所作業の臨場感といったら凄い。そこに加えて人間ドラマが展開されるのだから、面白くないわけがない。 主人公は夢を諦めかけているミュージシャンで、社員ではなくアルバイトという身ながら、現場のトラブルに怒りながら対応し、この危険と隣り合わせの仕事を、何かの意地とプライドだけでこなしている。同僚もヤンチャな奴が多くて、すぐ殴りかかってくる奴、薬をキメて現場に来る奴などさまざま。途中、漫画の展開が売れないミュージシャン漫画みたいに変わるが、主人公が大量の葉っぱを一気に吸ってガンギマリになる絵面が衝撃的なのでそこも見所の一つ。 ラストはグッとくる話だが、単行本だけで読み進めると「川室」という男が突然登場するので???となると思う。あらかじめ「染盛はまだか 単行本未収録作品集」(2)を読んでおくと、最後に登場する「川室」のくだりが分かりやすくなるんで併せて読むのが良い。ちなみに未収録作品集は各巻110円。 https://manba.co.jp/boards/134900 できれば一冊にまとめて販売してほしかったが、とにかくこの素晴らしき窓拭き漫画を電子書籍で復刻してくれたことが嬉しい。
無用ノスケ子
無用ノスケ子
2020/08/10
80年代女子校の日常
「その女、ジルバ」で手塚治虫文化賞を受賞した有間しのぶ先生のデビュー作。デビュー雑誌はヤングマガジンだったんですね。しかも、2巻で「作者は女子高校を卒業して大学生になりましたが」とありますので、もしかしてデビュー当時は現役女子高校生だったのでしょうか!?驚きです。1982年から8年間に及ぶ長期連載だったそうですが、青年誌で女子校日常マンガなんて、当時のヤンマガ読者さんに受け入れられていたのか気になります。絵について少し触れますけど、大変失礼ながら絵はほとんどノートに描いたような絵でした…。(漫画原稿用紙でもない?)トーンも使われてないようで、落書きにしか見えないコマもありました(←ホント失礼!)でも、絵がどうこうより、漫画に描かれている人達が面白いんです。淡々と学校や周りの出来事を描いてるように見えて、実に多種多様な生徒たちが漫画に登場します。よくある思春期の一コマであっても、一人ひとりの内面に踏み込んで描かれています。だからギャグ漫画なのにどこか嘘っぽくなくて、その人の本音を感じるのです。このような人間への観察力・洞察力こそが、有間しのぶ先生の凄いところなのだなあと思いました。