かしこ
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2020/10/06
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「学生島耕作」の感想まとめ
まさに原点。最初は田舎から出てきた普通の男の子だったけど、だんだん読者がよく知っている島耕作らしくなっていった。戦後のベビーブームに産まれた島耕作は集団就職で金の卵と呼ばれた人達と同じ世代なんですね。大学では学生運動が盛んだったけどそういうのに流されないところは昔からだったんだなと説得感がありました。 【学生期】 まず樫村が大学も寮も一緒だったことに驚いた!まだ好意はなさそうだけど島耕作がきっかけで樫村も初芝電産に就職したんだね。 会長島耕作に登場した大学の同級生・東北沢(あだ名がクラムチャウダー)は学生島耕作だと準主役級の重要なキャラクターじゃないか!芥川賞を受賞したことは覚えてるけど、最上陶子とは離婚したって言ってた気がする…。 少年島耕作に登場したファーストキスの相手でもある三沢純子はタレントとしては売れなかったけどすごく綺麗になってた。ちょっと大町久美子にも似てる。島耕作の好きなタイプの女性はこの人がベースになってるのかなと少しと思った。 元妻の岩田怜子は大学の後輩だったんだ。最初の出会いは樫村が紹介だったんだ…!これはこれでまたドラマチックだな。 探偵のグレちゃんも大学時代に出会ってたのね!登場した瞬間テンション上がった。 ここからいいところだ!と思ったら学生島耕作は完結。続きは学生 島耕作 就活編とのこと…。
かしこ
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2020/10/05
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「会長島耕作」の感想まとめ
こんなに偉い人が何をしてるかなんて考えたこともなかったですが、会社の仕事よりも日本の経済の為に働いてる方が忙しそうですね。これまでは言わばサラリーマン・ファンタジーでしたが、ここからはテーマが変わって「島耕作と日本の未来を考えよう!」になったと思います。 【会長就任期】 経済界での活動として島耕作が色んなところに視察しに行って勉強するのがストーリーのメインになる。内容はマグロの養殖から素粒子物理学までと幅広い。漫画だからまだ分かりやすいけど、今までより内容が難しくなった気がする…。 大人になった樫村の息子が登場。父の秘密を知りたがる息子に対して「お父さんが撃たれて亡くなる前の最後の言葉は『島 俺のことを愛しているか』…でした」と打ち明ける。 福岡テコット販売センターの祝典に出席。元秘書の高石と今野社長が登場。今野社長が老人性鬱になって自殺未遂した後に病院で亡くなる。またショッキングな最後が…。 典子ママは相変わらず元気そう。 ラスベガスのシューターだったパメラは若年性アルツハイマーになっていた…。 新社長は風花凛子。急に出てきたキャラクターが社長に就任?しかも女性だ!と驚きましたが、本編と同時掲載された特別編の主役が彼女だったんですね。ちなみにパナソニック史上2人目の女性役員の方がモデルだそうです。
かしこ
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2020/10/02
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「社長島耕作」の感想まとめ
社長になった島耕作がしたことで一番大きな出来事は社名変更じゃないかな。もう初芝じゃないんです「TECOT(テコット)」なんです。もはや島耕作は会社だけじゃなく日本を背負うような存在になってきました…。 【社長就任期】 いつもは最終回にあるスタッフクレジットですが、今シリーズは第一話の1コマ目が「作画・弘兼憲史」で始まるオシャレな演出。しかもタイトルが「Chenge The World」なんてカッコよすぎる。やはり社長ともなると気合が違います。 八木取締役がフロンティア音響が買収される情報を銀座のクラブのロシア人ハーフの女に横流しする。女のバックにはロシア大使館の男がいて、騙されたことを知った八木取締役は女を殺す。しかし全ての証拠を消す為にロシア側の人間に自分も殺される。色々あったけど八木取締役の最後がまさかこんなだとは…。 社名が初芝五洋ホールディングスからTECOT(テコット)に変更される。ちなみにTECOTの由来はTechnologyとEcology。 出発のナンバー2だった曽烈生が上海マフィアのボスで中国政府公認の交渉人になっていた。孫鋭と男全マキの息子が誘拐された時には島耕作が彼に助けを求めて無事に救出される。DNA鑑定の結果は本当の親子だったんですね。 万亀会長と秘書の謝が結婚する。万亀会長がこんなに長く活躍するキャラクターになると思わなかった。そして結婚までするとは…。 尖閣諸島問題が起きる。ここで登場した加治一明代議士は「加治隆介の議」のスピンオフキャラクターってことかな? 東日本大震災が起きる。郡山社長が推進した原子力発電事業から撤退し、海外を中心とした原発事業に専念する日芝と技術交換することになった。 ヤング島耕作 主任編に登場した後藤がソラーの社長に就任する。 大町久美子がガンになり「形だけでもいいから…私と結婚してくれない?」と言われ、その日のうちに籍を入れる。いつも強気な大町久美子が「やっぱり怖い 死ぬのは怖いわ」と泣くのを島耕作が何とも言えない顔で抱きしめるシーンが印象的でした。結婚しなくても二人はベストカップルだったと思うけど、これはいい変化だったんじゃないかな。手術も成功したし本当によかった!おめでとう! インドネシアの視察で課長時代にフィリピンで秘書をしていたローラと再会する。彼女は次期大統領候補と言われている男と結婚していたが、二人きりで会いたいと誘われる。島耕作も揺らいでたけど今回もプラトニック・ラブを貫いた。社長としての最後の仕事先でローラが登場するなんて大町久美子との結婚よりサプライズでした。さっきまでの感動を返してくれ!とも思ったけど、相手が歴代の秘書の中でも優秀で美人なローラなら揺らぐのも仕方ない…。 新社長の候補は三人。元五洋電機の勝浦社長、中国で腕をふるっていた国分専務取締役と小栗専務取締役。その中から国分専務取締役に決まった。初めはひょうきん者でしたが徐々に社長になるべきキャラクターに成長していきましたね。ちなみに私は小栗専務取締役を推してました。 エピソードがあり過ぎるし内容が難しくなって書ききれない!大企業の社長になると色んな国のダークサイドに直面することも多々ありましたね。島耕作のプライベートは充実していたと思いますが、クーデターに失敗したTECOTの副社長や事業に失敗した同級生が自殺してしまうエピソードが複数ありました。キャラクターも高齢化してますし、次のシリーズで亡くなったりする人が出てくるんじゃないかと心配です。典子ママは元気なのかな?
かしこ
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2020/09/29
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「専務島耕作」の感想まとめ
これまで読んできたシリーズの中でも巻数が少ないので社長就任前のウォーミングアップくらいに思ってたら、ここがクライマックスなんじゃないかと思うくらい盛り上がりました。まだまだ先があるなんて本当に信じられないです。 【アメリカ期】 専務取締役になり担当区域が北米経済圏にまで広がる。ここではショッキングなことが起こりましたね…。島耕作がプロデュースしていた歌手のNyaccoがアメリカで人気低迷してからアルコールとドラッグに溺れるような生活をしていて、誤操縦した小型飛行機が彼女の部屋に突入する事故で亡くなる。息を引き取る直前に父親であることをカミングアウト出来たからよかったけど、あまりにも悲惨でショックでした。それとは別にまさかラスベガスで出会ったパメラがこのタイミングで登場すると思わなかったな〜! ヤング島耕作 主任編をまだ読んでないので分からないけど、主任時代に研修をしたホセズマートの社長が登場して、妻のマリ子はチャイナタウンで殺されたと言っていた。複雑なシリーズ構成だからネタバレはしょうがないですね…。 その頃インドでは大町久美子と電報堂の古波支局長と親しくなる。部長時代に「あなたには反省して欲しくない いちいち女の行動に干渉するなんて島耕作じゃない」と言ってたけど、やっぱり島耕作はモテ過ぎるから大町久美子ほどの女でも嫉妬と不安はあるんだろうな。二人はとてもお似合いだけどたまに大きくすれ違っちゃうんですね。 【五洋電機買収騒動期】 韓国のソムサン電子が五洋電機を買収しそうになる。初芝電産がホワイトナイトになるべきだと島耕作が提言して助ける。久しぶりに大町愛子も登場するし、探偵のグレちゃんも死にかけるし、とにかくハラハラドキドキで面白い展開でした。一時的に鶴寿司の女将と五洋電機の社長と島耕作が三角関係になったけど丸く収まりましたね。女将が言っていた「島さんは完璧すぎて女にコンプレックスを持たせるところがあるわ そこに本人も気づいてないみたい」は、恋人としての島耕作に対する厳しい評価だけど…その通りです。郡山社長の経営方針はやり過ぎなところがあるけど上手くは行っていた。恋愛関係になっていた坂東社外取締役がスパイだったことを見抜けなかったから辞任するなんて真面目すぎるくらいの人だったんだな。 五洋電機と経営統合して初芝五洋ホールディングスを設立し、島耕作が初代代表取締役社長に就任する。最終回ではまた娘の奈美とツーショットになり「いつまで社長やるつもり?」「そうだな…このマンガの作者が生きてる限り続けてみようかな」「あの人もお父さんと同じ年だものね」と会話してた。どのシリーズもいい終わり方をするけど、今回は特に好きかも。 私も「シンクグローバル」を掲げて、島耕作社長について行きたいと思います!!
かしこ
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2020/09/27
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「常務島耕作」の感想まとめ
前シリーズの取締役島耕作では日韓ワールドカップやSARSの話題が出てたけど、今回の常務島耕作でも愛・地球博とか自分も記憶にある出来事が増えてきて、反日デモ、環境問題、高齢化問題などの社会問題も現代になってきたし、島耕作も同じ時代に生きてるんだってようやく実感し始めたかも。 【中国期】 中国全土を担当する常務取締役になる。優秀な部下だった八木董事長が今野社長みたいな悪役になっちゃった。もう一人の後任の小栗董事長は上手くいきそう。 新しい秘書は今までで一番パワフルな女性・謝。美人じゃないけど愛嬌がある。爺フェチだからって万亀会長の愛人になるとは思わなかった。 ついに総理大臣も登場。名前が鯉住。 東京で行きつけの中華料理屋の女将・紫雷は三田村政調会長の元愛人だった。彼女の故郷を訪れたことがきっかけになり、西安に初芝電産のIT部門を進出させる。 【インド期】 インドの市場視察をしようとしたタイミングで大町久美子が「ロスにも少し飽きたわ これからインドに住むことにした」と登場する。もう大町久美子が何をしても島耕作は驚かないね。 厄介な女・男全マキが子供を産んだけど、父親は孫鋭じゃない疑惑が浮上。本当は平瀬の子供なのかな?島耕作がまともに見えるくらい他のキャラクターの異性関係がすごくなってきた。 連続爆破テロの黒幕に接近して外務大臣に情報を提供する。鯉住総理大臣からインドと中国担当の無任所大臣にならないかと言われるが「私には初芝の仕事が山積していますので」と断る。 勝木社長がガン闘病の為に引退。郡山専務が社長になり、島耕作は専務取締役になる。 郡山社長になったことで初芝電産はどうなるのか?アジアを股にかけ、政界からも注目されるようになった島耕作。その活躍を見届けなければ…!
かしこ
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2020/09/27
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「取締役島耕作」感想まとめ
前シリーズの部長島耕作より面白い。やっぱり大町久美子と典子ママは島耕作に欠かせない登場人物だと思った。 【セレブレーションファック期】 ついにここまでたどり着いた…!言わずと知れた島耕作の名シーンですが一瞬で終わった。あの有名な「じゃセレブレーションファックしよか」「了解」のコマが盛り上がりのピークだった。しかし大町久美子はこれ以降は一切登場しない!ワンシーンで強烈な印象を残す女…大町久美子。流石ですね。 【上海初芝電産の董事長(会長)就任期】 島耕作の後を追ったバー・チャコのママが上海に出店するが、裏社会の組織に巻き込まれ薬物中毒になる。もちろん島耕作はそんな彼女を放って置かないのだが、まさか「愛してる」まで言うと思わなかった。島耕作らしくないぞ…! 島耕作と同期入社の男がリストラされた逆恨みをして初芝本社で切腹自殺しようとする事件に続き、中国でも初芝が取引を中止した日系部材メーカーの社長が交通事故に見せかけて自殺する事件が起こる。「仕事って何だ その仕事に支配される人生って何なんだ 55年間生きてきて初めて先が見えなくなった」年齢を重ねる程にセリフが重くなっていく…。 アメリカで働いていた娘の奈美と既婚者の黒人との間に初孫が産まれる。耕太郎と名付けられた孫に「島耕作です これからもよろしく!!」と丁寧に挨拶してたのが印象的だった。 大泉相談役が亡くなったが典子ママは初芝電産の株を相続するのを断った。島耕作がいるからと典子ママも中国に店を出したところ、初芝電産と提携している大手中国メーカーCEO・孫鋭に一目惚れされる。おいおい大泉相談役より金持ちだぞ!こんなことあるかよ!じゃなくて、典子ママならあり得るなって思えちゃうのが面白い。この2人はずっと仲良しでいてくれたらいいな。 探偵の木暮が再登場した!ちゃんと年を取ってて安心した。 5年前の記憶がない女・周紅梅に惚れて、彼女の姉を殺した高級売春組織を壊滅させる。無事に記憶が戻ったらフラれた。 常務取締役になり中国全土を任されることになる。 元部下の八木はライバルとしてふさわしくなさそうだった。最終的に郡山取締役と社長の座を争うことになるのか?また大町久美子にも再登場して欲しい!
かしこ
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2020/09/25
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「部長島耕作」感想まとめ
日本の不況がこんなに島耕作に影響するとは…。前シリーズの課長島耕作では海外に行ったり、巨額の資金を動かすような仕事がしょっちゅうでしたが、あれは幻だったんじゃないか…?と思うくらいスケールが小さくなってしまった。しかし思い出せるキャラクターは全員再登場するのでそういう面ではとても楽しい。 【バブル崩壊期】 初っ端から不況。あんなに苦労したコスモス・スタジオ買収やベトナム半導体工場も結果的に失敗し、中沢社長もそれらの責任を取り辞任することになった。中沢社長が活躍する話を期待していたから残念だけど仕方ない。島耕作も早期退職か出向をしなければいけない立場になる。 【ワイン貿易会社期】 初芝電産貿易でワイン部門の新専務になり完全にワイン漫画になる。大町久美子とは結婚を前提としない真面目な交際をしていたが、彼女に他に恋人が出来たこともあり何となく疎遠になる。島耕作から「年齢のせいか…50歳をすぎたら恋愛に対して億劫になってきてる…」という弱気なセリフが出るとは思わなかった。それと入れ替わるように女秘書の高市とバー・チャコのママが登場する。 【レコード会社期】 今度は子会社サンライトレコードの立て直しを命じられる。リストラする側になるのも心苦しいですね。美空ひばりをモデルにした大物歌手も登場したけど、まるで宇多田ヒカルみたいな14歳の天才少女がアイリーンとの間に産まれた島耕作の娘だなんて…欲張り設定すぎないか!と笑ってしまった。島耕作プロデュースのオーディションも実際に開催したんですね!大人になった奈美と一緒に仕事をしたり、中沢相談役が亡くなったり色々あったけど、京都で出会った元芸者のかつ子が再登場したのが一番ドキドキした。 【福岡の販売センター期】 博多山笠でふんどし姿になったりご当地ネタが多かった。ここで再会した今野社長は前シリーズから悪役として島耕作の邪魔ばかりしていたけど、最後は良好な関係になれてよかった。自殺した大学時代の同期は学生島耕作にも登場するのかな。最終回はモーニング編集部から電話で「次回から取締役島耕作にタイトルを変えます」と告知されるお茶目な演出だった。 ライバル候補の元部下だった八木の存在も気になりますが、大泉相談役の財産を典子が相続したら初芝電産の株はどうなるんでしょう…?取締役島耕作の活躍を読むのが楽しみです。
かしこ
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2020/09/22
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「課長島耕作」感想まとめ
島耕作シリーズに手を出してしまうと道のりが長いので尻込みしていたが、課長島耕作を読み終えた今は次の部長島耕作が早く読みたくて仕方がない!その前に自分の為の備忘録として感想をまとめておこうと思う。 【オフィスラブコメ期】 読み切りのつもりで描かれた第一話の時点ではまだ係長だった。「島耕作 本日35歳 胸がキューンと熱い 人生まん中あたり」なんてモノローグのつくようなラブコメちっくな話が多い。今思えばこの時の島耕作は本領発揮していない。若かったな〜。 【ニューヨーク期】 ここで出会ったアイリーンとボブとの三角関係は楽しそうだった。ただアイリーンの子供の父親がボブじゃないことを島耕作は知らない。後に離婚する妻に対しては「結婚前から上手くいかない予感がしてた」というセリフをもらしてたので、これがどういう意味なのか他のシリーズで確認するのが楽しみだ。 【大町久美子初登場期】 初めはなんだこの気が強そうな女は…と思ったけど大町久美子が登場してから更に面白くなった。島耕作らしくなり始めたと思う。でもまだ銀座のクラブのママ典子との関係の方が濃厚だった。典子のパトロンである大泉専務に関係がバレたけど、専務が典子に「別れたくない」と言って土下座したのが印象的だった。典子が大泉専務を「裕介ちゃん」と呼んでいるのもいいですよね。同期入社のエリート樫村はライバルだと思ったら島耕作のことを好きだと言い出したので驚いた。男にもモテるんだ…。 【京都期】 前後の展開からすると一番地味かもしれない。宇佐美専務やフグ料理の女将など親しかったキャラクターが亡くなることも多かったけど、忘れられないのは元芸者のかつ子かな。あまり良くない言葉だけど本当にいい女だったと思う。島耕作との別れは読んでて切なかった。 【派閥争いに巻き込まれてクビ寸前期】 大町久美子の父親は初芝電器創始者の吉原初太郎だったことが判明する。派閥争いに勝つ為に1千5百万株を持っている創始者の愛人だった久美子の母親を探しにバリ島まで行く。母親の愛子は規格外すぎるアグレッシブさで圧倒された。特に創始者の吉原会長とその後を継いだ木野会長と愛子の三人の関係がすごい。そんな中でも一番の見所は中沢部長の裸踊りでしょうか。 【フィリピン期】 島耕作が仮面舞踏会に忍び込む話はここだったのか…!非日常的でエロティックなシーンだったけれど相手のソフィアとはワンナイトラブだった。確かに島耕作はモテるけどやたらめったら女とそういう関係になる訳でもない。優秀な秘書のローラとはお互いに好意はあったがプラトニックな関係を貫いた。帰国するきっかけになったのはフィリピンで一緒に働いていた樫村が反政府ゲリラに襲撃されて亡くなったから。ゆくゆくは社長になるだろうと言われてた樫村の死は衝撃的だった。 【コスモ・スタジオ買収期】 すっぽん料理屋の女将のアフターサービスも有名なシーンだと思ったけど、女将はそれ以後は登場しなかった。今度はハリウッドの映画会社を買収する為にロサンゼルスに行く。ここで会社を辞めてニューヨークで社交界デビューした大町久美子と再会する。一方、日本では社長に就任した大泉が脳梗塞で倒れる。身体に麻痺が残り落ち込んでいる時に典子が言った「羊羹友達でもいいからずっと私の側にいて!」のシーンは感動した。 【クライマックス期】 買収に成功したのでタイに滞在している有名プロデューサーをスカウトしに行ったりもするが、なんといっても中沢部長の社長就任がめでたい!いかにも脇役といった風貌だったのが社長にふさわしいキャラクターになっていくのを見ていたので、中沢部長が社長になる決意をした時に島耕作が涙を流した気持ちがとてもよく分かる。大町久美子は別の男との結婚が決まっていたが結納の席を抜け出して島耕作に「きちゃった!」する。結婚はしないけど関係は続くという終わり方だった。いつだって島耕作にアプローチするのは女からなんだなぁ…。最終回では「部長の島耕作です」と自己紹介している。典子と娘の奈美がそれぞれ島耕作とツーショットになるシーンがあるが、これは課長島耕作の中で最も優れた脇役が二人だったからだそう。 部長になった島耕作も一寸先はセックスしてるのか見届けたいと思います。
かしこ
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2020/09/06
オリジナル・ウエディングの制作会社を経営するカップル
『にれこスケッチ』をきっかけに鴨居まさね先生を知って過去作を読み始めました。『SWEETデリバリー』は「もうすぐ2000年だ!21世紀だ!」なんてセリフも登場する20数年前の作品ですが、読んでて古いな〜と思うような違和感とか物足りなさが全くなかったです。ドラマ化したらいいんじゃないか!?と思ったら、もうしてました!そりゃそうか。でも原作とは大幅に違う筋書きだったようですね…。原作ではオリジナル・ウエディングの制作会社を経営している実与子とマコトはもう5年も付き合ってるという設定なんです。これがいいのに変えちゃったのか。仕事もプライベートもずっと一緒だけど、実与子はマコトのことが好きで好きでたまらない、だから不安になっちゃう…でも、そんな実与子をただの重い女と感じさせないのが鴨居先生の力量ですね。喜怒哀楽の心の動きにユーモアを含めてくれるから重い愛情も毒っぽくないのかな。ウェディングを依頼した新郎新婦も社員のデコラちゃんも第2の主役のような感じなので脇役らしい脇役がいない、登場人物全員が主人公のような漫画でもありました。
かしこ
かしこ
2020/08/10
笑ったり泣いたりするだけが青春じゃないんだ
10数年前の多感な時期に読んでものすごく印象的だった作品。途中までは学園生活の楽しさ満載なので、当時キャラと同じく学生だった自分は夢中で読んでたんですけど、結末がとてもシリアスでショックを受けました。それまでが楽しすぎるんです!私にとってよしながふみ先生のイメージは「フィクションだけど容赦なく現実を突き付けてくる」ですが、この作品がきっかけだと思います。だからこそ信頼できるし面白いんですけどね! 主人公の花園春太郎は白血病の治療の為に一年一ヶ月遅れで高校生になりますが、自己紹介で病気のこともカミングアウトするし、すぐにクラスメイトとも馴染みます。注目すべきなのは漫研メンバーです。その一人である武田さんの作品「ルイジアナにひな菊咲いて」がきっかけで展開していくエピソードが最高に面白いです。最初はひっそりと趣味で描いていましたがクラス中で人気になり、文化祭で演劇をするまでに発展します。漫画の中の漫画をここまでネタにしてくれるなんて感動ですよね。気になった方は読んでみて下さい。そういえば初めて油淋鶏の存在を知ったのはこれがきっかけでした。