まみこ
10ヶ月前
寂れた商店街、空き家だったパン屋、居抜きで開く、ケーキ店。 ここからはじまる、再生物語。 無名剛腕菓子職人、熊谷周作が、理解ある人々に担がれ、寂れたシャッター商店街に店を興し、そこから始める街の再生物語、と書くと噺は早いんですが、それでは始まらないし終わりもしないのです。 熊谷周作が、とにかくクセ強過ぎ超人であるわけですね。フランスで修行し、様々な菓子店を経由し、古くからの菓子の知識を備えている。計量しないでも、粉や砂糖の量を正確に測る。その日の空気の温度で、買いに来る客のオーダーを見越して、ロスの出ないように商品を作る。筋骨隆々、太極拳の達人にして、腕力も強い。曲がったことが大嫌いで、そのためには腕力を使うことも厭わない。曲がったことが大嫌いなので、その菓子にも、それが反映された、誰にでも美味しい味が提供される、しかも低価格で。 言っている意味が全く分かりませんよね?でも、こう言うストーリーです。 (読んだ人には自明ですが)この物語の登場人物、全員、機能不全家族の出自なんですね。 勿論、熊谷周作とて例外ではないのですが、彼は自ら発するパワーワード/パンチラインで、人々をねじ伏せ、巻き込み、家族の再生も生み出していくのです。 * 「まぁ漫画家とパティシエは似たところがありますね / かけがえのない何かになるため全力を尽くして戦う」(1巻第2話) * 「俺ですよ / あそこで菓子屋を始めようって馬鹿野郎は」(1巻第3話) * 「単語一つ一つ意味はなさなくとも繋げれば文になるように…」(1巻第5話) * 「誰かの誕生日にコンクールなんか出ていたらこれを作れないだろう!!」(1巻第6話) * 「プチ・セヴェイユは日本一の菓子店です」(1巻第9話) * 「揺るぎない信頼と矜持があるから店を開けました!!」(1巻第9話) 言っている意味が全く分かりませんよね?でも、こう言うストーリーです。