たか
1年以上前
小学生の頃ものすごく読みたかった短編集。漫画禁止の家だったので、ワンピースを集めることはできないけど、これ1冊を所持するんだったらバレないだろうと。そうこうするうちに真正面から親に反抗するようになり、開き直って他の漫画を買い集め始めたのですっかり存在を忘れてました。 執筆が古いものから順に WANTED 神から未来のプレゼント 一鬼夜行 MONSTERS ROMANCE DAWN の5つの短編が収録されています。 高校生の時(しかも交通事故に遭った翌日)に描いたというWANTEDは、絵こそ拙いけどストーリーも演出も最初から全部「尾田栄一郎の漫画」ですごい。あの特徴的な柔らかな書体の描き文字「どん」もすでに完成されてる。すごい…! 大学生の時に描いたという『神から未来のプレゼント』は、ご自分がコメントで「名作」と言う通り、「ノートに書いた内容で未来が確定する」という仕掛け、主人公がスリであるという設定を存分に利用した展開になっていて、ものすごい完成度。 最後の2作品はアシスタント時代のもので、かなり画力があがって初期のワンピースに近づいています。 『MONSTERS』は甲斐谷忍先生のアシを辞め徳裕正也先生のお手伝いをしていた時期、『ROMANCE DAWN』は和月伸宏先生ところを辞めて連載の準備をしている頃の作品とのこと。 全然知らなかったんですけど、『ROMANCE DAWN』って同名タイトルで2作品存在するんですね。 (ここに収録されてない、もう1個の方がワンピースの連載のプロトタイプ) コメントで、「『ワンピース』という連載漫画はつまり、その読切をたくさんのページを使ってじっくり描いているものなので」と書かれていました。 言葉の通り、読切が単行本97巻(刊行継続中)になるってすごすぎる。 日常の一部になりすぎて当然のものと思ってしまってますが、23年もアイデアが尽きず毎週新しいストーリーを描き続けるって……とんでもないことですよね。 ちなみに中学生の時にも海賊漫画を描いていて、その結果「ノート1冊では自分のイメージが描ききれないとわかった」ため、海賊ネタはジャンプの連載まで取って置くことにしたそうです。 果たしてワンピースの世界を描き上げるのに、果たして何冊の単行本が必要になるのか。答え合わせが楽しみになりました。