恋と仕事は人の数だけある 週刊マンバ  No.22 2020年4月13日(月)〜2020年4月19日(日)

秒でいいマンガが見つかるクチコミサービス「マンバ」。その1週間のアクセス数・クチコミ投稿を振り返ることで、マンガ界の動きがザックリわかる連載がこの「週刊マンバ」です。

今週はリモートワークになってから背中と腰の痛みが消えたマンバスタッフ・高橋が担当します。クシャミをするたびに激痛が走っていたのが嘘みたいになくなりました…!

今回ピックアップしたのはこちらの4作品。人の数だけ仕事と恋があるんだなと、多様性を実感するラインナップとなっております。

今週のおすすめ4作品

先週よく読まれた『クチコミ』

『グッドジョブ』原作:高野洋 / 作画:本宮ひろ志


ポジティブなタイトルとおどろおどろしい表紙のギャップが印象的なこの作品。巨匠・本宮ひろ志先生による、全ての働く大人たちに贈る職業オムニバスストーリーです。

お仕事漫画と言えば、若い主人公が一人前を目指してエネルギッシュに頑張る爽やかなイメージですが、本作はその真逆。

「根暗な元いじめ被害者」、「娑婆に戻ってきたヤクザ」、「人と同じ当たり前の生き方する気ゼロ男」という、世間の冷たい風にさらされ生きる中年のおじさん達が1巻の主人公となっています。(表紙をよく見てみると、「我慢しろ、仕事だ。」の文字が…。)

なんだかこれだけ聞くと日陰者のおじさん達のジメジメした暗い話だと思ってしまいがちですが、全ッ然そんなことないんです…!!
主人公たちは卑下することなく自らの境遇を受け止め、確固とした「自分の生き方(=働き方)」を心の中に持っている。与えられた環境でしなやかに生きる強さがあるんです。

持って生まれた質を肯定し、生き方に信条を持っている姿はまるでジョジョ4部のラスボス・吉良吉影のよう。「税務署員編」全3話がウェブで読めますので読みましょう…!!

▼みんなの感想
グッドジョブについて話そうぜ!!

 

つづいてはこちら!

『ワンナイト・モーニング』奥山ケニチ


同級生・セフレ・出会い系・バイトの同僚…。様々な男女とその愛の営みのそばにあるご飯を描く『ワンナイト・モーニング』は、1巻発売以前から漫画好きの間では超大注目されていたグルメラブストーリー短編集。4月10日に待望の2巻が発売されたことでアクセスが増加しました。もしかしたらウェブのバナー広告で見たことある人も多いかもしれません。

2巻と一緒に1巻も読み直したんですけど、んも〜〜!!! 本当に良さしか無い…!!

出てくる男女の距離感が絶妙にリアルで、2人で食べるご飯もすごく生活感が漂っている。サンドイッチやおにぎりのような普通のご飯が、男女のドラマと相まってメチャクチャ美味しそうに感じるところがたまりません。

ウェブで「タマゴサンド」と「梅干しのおにぎり」の2つのエピソードが読めてしまいますので、さっそくムズキュンに身悶えしてください!

▼みんなの感想 
ワンナイトからの朝ごはん
「朝ごはん」という名の最後の審判
人に薦めたくなる短編集

先週アクセスが多かった『マンガ』

『昭和オトメ御伽話』桐丘さな

先月第4巻が発売された『昭和オトメ御伽話』は、昭和3年の神戸が舞台の痛くて甘いラブストーリー。継母からのイジメに遭う常世(12)と、無関心な親の下で育った仁太郎(14)。幼馴染の2人は「死ぬまで一緒にいよう」と約束するものの離れ離れになってしまう。3年後に再会を果たすものの、優しかった仁太郎は人が変わってしまっていて…。

 

とにかく1話を読んでください。2人の愛の大きさに「うわぁああああ〜〜ッッ!!!」と叫んで転がりたくなります。ローティーン時代から始まる恋愛は俺に効く…。

▼みんなの感想
[ネタバレあり]前作を読んでなくても楽しめる。読んでればもっと楽しめる(かもしれない)

 

最後はこちら!

『山田とせんせい』(上) 五十嵐藍

こちらの『山田とせんせい』も、最近ウェブ広告で見る機会の増えた作品。生きづらさの塊のような男性教師・高橋と、掴みどころのない女子高生・山田が主人公。2人は学校裏の森で出会い、お互いに優しくする「優しさ部」を結成して昼休みに交流を重ねていくというストーリー。

この「せんせい」こと高橋の精神の破滅っぷりがなかなかに凄まじい。昼休みに落ち葉の上に転がってタバコを吸っていたり、突然怒り出したり、無礼な発言をしたり…とにかく精神の安定を欠いており見ていてハラハラする。そして対象的に、山田は感情の起伏が非常に少なく穏やかで、あらぶる年上男性に淡々と優しさを与えていく。

「先生にとって山田は不可欠だけど、山田にとって先生はそうじゃない」という、非対称な2人の関係が今後どうなるのか目が離せません。

▼みんなの反応
山田と先生、読んだ

漫画の広告って結構気になる

ネットをしていると目にする漫画の広告ってついつい読んじゃいますよね。漫画好きなら、なおさらブラウザに広告が表示されまくり読んでいるはず…! 今回紹介した作品もウェブ広告が掲出されているのを見たことがあります。そんな漫画のバナー広告の話題がこちら!

「この作品をよく見る」「紹介の仕方が面白い」、などなど、好き勝手にコメントしてみてください。「広告で見た思い出せない漫画」を探すのにも役立ちますよ。それではまた来週〜!!

 

▼次に読むおすすめ記事
知ることで偏見がボロボロと剥がされる60代男性。ピンサロ再就職マンガ『はたらくすすむ』(安堂ミキオ)を読む。

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話題に出た作品のクチコミ

いさお
いさお
2019/11/23
「朝ごはん」という名の最後の審判
「ワンナイト・ラブ」というテーマがあります。恋人でない男女が一夜限りの関係を持つ。一夜限りであるがゆえに激しくて、はかない。だからドラマが生まれるのです。 本作は、そんな男女の特別な夜ではなく、その翌朝に2人がともにする朝ごはんを描く短編集です。 夜って不思議な時間です。世界が暗がりに沈むと、人は社会的動物であることから解放されます。大いに食べる、大いに飲む、大いに遊ぶ… 自分の本能に従って生きることを許されるのです。 そして、男女が2人になったら… 夜は時にその暗がりに紛れて、2人の背中を様々な形で、半ば強引に押してくれます。ずっと言えなかった想いを伝えることができたり、大切な人に救いの手を差し出す勇気を持てたり、はたまた体の関係を持ったり… しかし、再び朝は来るのです。そして、2人が朝最初にともにする行為が、「朝ごはん」です。 朝ごはんを自分のために、あるいは他人にために作り、そして食べる姿。それは、暮らしをともにする人にしか普段は見せない、無防備で、かざらなくて、現実的で、そしてあたたかな生活感にあふれたものです。 そんな朝ごはんの食卓でそれぞれの一夜を振り返りながら、おいしいね、とか、眠いね、とか、とりとめのない会話を紡ぐ。 そんな時間の中で、日の光に強く照らされながら、2人は試されるのです。 わたしたちは、特別な一夜のおかげで少しの間だけつながれた、かりそめの関係なのか? それとも、昼の世界をともに生きていける、かけがえのない関係なのか? 朝ごはんとは、ある特別な一夜を過ごしてしまった2人の関係を試す、神聖な最後の審判なのです。 卵雑炊、ハニートースト、コンビニの肉まん、梅干しのおにぎり…本作の描く朝ごはんはほんとうにおいしそうで、あたたかで、リアルで、彼ら彼女らの生活感にあふれています。 そんな朝ごはんが、2人の関係に先がないことを暴いてしまうなら、そのはかなさに想いを馳せる。 朝ごはんが2人の明るい未来を予感させるなら、お互いを見つけることができた2人を祝福する。 「朝ごはん」から人の関係の機微に心うばわれる、すばらしい作品です。 ぜひ、ご賞味あれ!
たか
たか
2019/05/08
老若男女必読! いま最も応援したいおじさん
マンバ通信で知った、下着を作っていたおじさんが下着で働く女の子たちと出会う物語。⚠️ネタバレあり⚠️ https://manba.co.jp/boards/103525 地味で真面目なおじさんが慣れない環境で頑張っているのを見ると泣きそうになる。妻を亡くし、いままで縁のない風俗業に飛び込んでるならなおさらです。 下着メーカーの営業を定年まで勤め上げた進さん。1話では最初風俗と知らずに出勤し抵抗感を感じたまま働いていたのに、最後にはワイシャツに汗ビッショリかきながら掃除をしている。 そして必死に掃除する進さんの尻ポケットには、若かりし日の妻との写真があって…んもう!そういうところが本当に素敵…!! https://i.imgur.com/deFlUCK.jpg (『はたらくすすむ』安堂ミキオ) (ネタバレになるのであまり書きたくないのですが、進さんは元々ファッションデザイナーを目指していてお洒落への感度が高かった、というギャップもまた萌えます) 2話の「ナプキンを買って来い」と若い女の子にパシられるエピソードでは、予想を裏切る120点の完璧な対応で一瞬で進さんに惚れてしまいました。格好良すぎる(震え) 気づけば心の中で「進さん…!」と、さん付けしていました。**持ち前の真面目さで、毎回毎回、自分で気付きを得る進さんに好感度うなぎ上りが止まらない。** 進さんが好きすぎてここまで進さんのことしか書いてないですが、いままで漠然としか知らなかったピンサロとはどんな場所で、どんな業務があるのかしっかり描かれていて、大変勉強になります。 今後いつ娘にピンサロのことを打ち明けるのか、回想でしか登場していない息子との関係(これは来店フラグか)、和子さん視点での夫婦生活など、まだまだ気になることがたくさん。 風俗に縁がある人もない人も、どんな世代・性別の人が読んでも楽しめる作品だと思いますのでぜひ…!