愛を渡す日

愛を渡す日

心がほっこりするエピソードを得意とする福田素子が挑んだ、人生の機微を3つの視点から描いた短編集。父親の再婚をきっかけに、父に対して距離感を感じるようになった博子。臨終の席でも、一人だけ涙が流れない。義母を「お母さん」と呼べない博子は、父の死に伴う煩雑な作業に忙殺され、その死を悼む余裕がない。博子は家族の一員ではない気持ちにとらわれるのだが……。「愛を渡す日」のほか、自分の容姿にコンプレックスを抱いている佐枝子は、学生時代からスッピンで過ごすことが多かった。娘からも化粧っ気のないことを責められるのだが……。「バラ色にほほ染めて」、余命告知を受けた男が出会った、自殺志願の女性との淡い恋を描いた「サンセットサンライズ」の3編を収録。
ワルツ

ワルツ

両親が亡くなり、大病院という家に住んで10年が経つ27歳の神田あかねは、筋ジストロフィーという難病で、現在の体重は25キロ。明るく健気に生きる彼女は、周囲の人々も元気にさせる。ある日、あかねが外出から病院に帰ると、22歳の新人看護師、山城鼓太郎が待っていた。山城を見たあかねは、昔好きだった男性を思い出して…。
イエローブリックロード

イエローブリックロード

1週間以内に見つけてくれなければサヨナラ。と書いたメモを離婚届と一緒に置いて家を出た、結婚25年目の妻・美枝。突然の出来事に戸惑う夫は子供たちに美枝の行き先を訪ねるが、仕事人間の父親に子供たちは冷たい。一方、旅先で偶然、青年と知り合った美枝は、青年から名前で呼ばれ、いつから夫は名前で呼んでくれなくなったのか考えて…。「イエローブリックロード」「みちづれ」「黄金の庭」の3編を収録。
続・きりんが丘のココロ屋

続・きりんが丘のココロ屋

「ほんの少しほっとできる時間と場所を」と元心療内科に勤めていた緑(みどり)が、きりんが丘に小さなお店「ココロ屋」を開いた。今日も、日常にほんの少し疲れた人が訪れる。結婚して半年、新婚の石塚瑞穂は、夫・泰彦との単調な生活に、ときめきを感じなくなっていた。そんなある日、友達の晴美から子どもができたとの連絡を受ける。久しぶりの再会を約束する瑞穂だったが、晴美の夫には泰彦と出会う前に一目惚れしていて……。「ときめきのガーデン」「夢といっしょに召しあがれ」「オカリナを吹きながら」「お誂えの贅沢」「失敗のレシピ」の5編を収録。
新・コドモのお医者

新・コドモのお医者

せわしい日常にほっとひといきつける物語や心動かされるドラマを多数手がけている福田素子が、小児科医・せつ子の奮闘を描く。轟せつ子は東京・亀戸の小さな小児科、轟医院に務める美人妻女医。子どもがいず、家事に協力的な夫を持つせつ子は、患者の親から言われたひとことが気になって……。何となく過ごす日常に、ささやかな幸せを感じるせつ子を通して描かれる良質な人間ドラマを無料でお届け。
星たちの学校

星たちの学校

心温まるエピソードや、せわしない日常に一服の清涼剤となるような作品を発表している福田素子が手がけた未単行本作品を電子書籍化。花島五月(はなじま・さつき)は夜間の定時制高校、若葉高等学校で教壇に立っている。かつて全日制で教えていた五月には、そのとき救えなかった生徒がいた。辛い記憶から逃れるように一時は教師を辞していたが、ガンが転移しすべての病巣が取り除けないことを知ったとき、改めて教壇に立つ決意を固めた。生徒と正面から向き合う五月の姿を通して学ぶことの意味を問う「星たちの学校」、町の小さなパン屋を営む父が、ある日、脳梗塞で倒れ、10年以上意識が戻らない状態になった。いつか意識が戻ったときのため、母と二人でパン屋を続けることを決めた真澄だったが……。意識の戻らない父と、その家族の葛藤を描いた「あなたがいること」の2編を収録。
スペシャル・デー

スペシャル・デー

リラクゼーションサロン「猫の手ハウス」の店主・神山未弥(かみやま・みや)は、月に数日、普通の人には見えない、その人の“前世人”が見え、その言葉が聞こえる。何のためにこんな力があるのか、疑問に思う未弥だったが、「やるべき仕事」がある、と未弥に寄り添う“前世人”は言う。はたして未弥の「やるべき仕事」とは? 生きることが少し楽になる福田素子の包容感あふれる物語。