人の心のドス黒い闇を、闇金を通じて描いている。 ストーリーの中には人の善意などもみられるが、救いようのないエピソードのほうが心に残る。
どんなに踏みつけられへし折られても、まっすぐに空を見上げ続けていれば、いつか花を咲かせることができる。まるで演歌のような主人公・コージの生き方に勇気づけられる人は多いと思います。私はリアルタイムで読んでいた世代なもので、当時まさにそう感じていました。この作品が連載されていた時期はちょうど私が社会に出て働きはじめたころ。田舎出身のマイノリティであるコージやオキナワに自分を重ねたりしていて、未来への不安定な感情とともに存在している思い入れ深い作品です。なので、著者の訃報を聞いて真っ先に読み返したのがこの作品でした。泥臭くて暑苦しくも、一直線に心の叫びが伝わってくる力強い作風。鼻の穴とか服のしわとかどうしてここまで描き込むのかと思える自己主張の強い墨っぽい絵柄。ひとコマひとコマにやっぱり気持ちが入ってしまいますね。こんな思いにさせてくれる作品には、これからもなかなか巡り合えないじゃないかと思います。
※ネタバレを含むクチコミです。
連載時はF1ブーム真っ盛りのころで、表紙を眺めていても懐かしい。ジャッドエンジンにキャメルイエローのロータスなど、当時のF1の印象的な写真が1巻から散りばめられています。にもかかわらず、本編ではF1のくだりが核ではないんですよね。求道的ストーリーだと最終的には頂点を目指す、となるはず。確かに主人公の赤木軍馬は「何人たりとも俺の前は走らせねェ!」と言ってます。しかしその究極のスピードの先に見ているものは…若者ならではの試練。乗り越えていかなければならない壁。そんなことを訴えかけられます。F1ブームを思い出そうとしたら、以外にも約20年のときの流れを感じ、受け取り方も逆になった気がします。。ラストシーンも40歳をすぎた身には少々切ないなあ。。。
まず絵を見て作者はいくえみ綾だと思ってた。姉妹で描いてる方だそうな。 「泣きたいあなたにこのマンガを薦めます」という帯文句の通り、感動して泣きたい人には良いです。登場人物全員いい奴だし、少女漫画の理想設定が盛り込まれているなぁと。低刺激で年配にもウケが良さそう。 救急救命士・警備員・高校生。制服フェチ的にもナイスな漫画だと言えます。
「酒を飲むとカワウソと話せるようになる」という、ナチュラルにキマってる設定に笑った。 これを機に「カワウソ」でググったら、予測変換に「獺」と出てビックリ!(ちゃんと店長の飲んでる酒が「だっさい酒」なのもそういうことか!) ぬいぐるみみたいにキュートなカワウソより、逆作画崩壊してるおっさんみたいなカワウソの方が好き
自身のアイデンティティをかわいいだけだと諦めている少女の話。 脊髄反射的に自分の「かわいい」を消費してしまう主人公の『しょうちゃんの前だとかわいくなれない』がとても刺さった。 だからこそラストの展開は胸が痛くなった。男の子も悪い子じゃないんだろうけれど、どこかやりきれない……
キャラが可愛くて、とても癒されます。たまに美味しくなさそうなのもありますが 笑
分類をするなら探偵物とかミステリーになるか? 特殊能力を有する主人公のディテクティブ・ストーリー と言うべきか? だがそれだけにとどまらず、少々SF的な設定だが、 SFとしてもミステリーとしても ホラーだとかサスペンスだとかとしても 命とか人生を問う作品としても、とても良作だと思う。 主人公が有する特殊能力は「ほぼ不老不死」 息長(オキナガ)という殆ど不老不死の人間が、 1000人に1人くらいの割合で存在し、 世間もタテマエ的には認知し行政も仕組みを整えており、 一般人とオキナガがちゃんと共棲している、 とされている現代日本が舞台。 しかし現実にはマイノリティな存在のオキナガは 色々と差別・迫害を受けている。 厚労省の新人・伏木(身長180cm近い女性)は 行政側の人間としてオキナガと関わることになる。 オキナガにはほぼ不老不死と言うこと以外にも特徴があって ・オキナガとして「成り上がった」時点で容姿その他? の成長が止まる ・日光を長時間浴びると死に至る ・食欲や性欲レベルで喫血嗜好が沸くこともある その他にも色々と特殊な面があるオキナガだが、 伏木が担当したオキナガ・雪村カイはさらに特殊だった。 見た目は18歳前後の少年。実年齢は88歳の雪村。 彼は、12年ごと70年以上に渡って羊年の年末に 繰り返されている連続殺人事件「羊殺し」の 真犯人を執拗に探していた。 伏木は巻き込まれる形で雪村と行動を共にすることになり、 「羊殺し」に関わっていくことに。 模倣犯罪やタテマエや現実や、行政の施策と効果のギャップ、 そして不老不死の人間達がそれゆえに直面し、 抱えこみ、蓄積していかざるを得ない社会的現実。 雪村と行動を共にすることでそれらを実体験しながら、 羊殺しの真相とともに思いもよらなかった世界を 伏木は知ることになる。
裏社会を描いた、救いのない話ばっかりかと思ってたけど、そうじゃなかった。だからこんなに支持されてるんだな。 最近読み始めたのでまだ全部読み終えてない。「サラリーマンくん」の完結と「タクシードライバーくん」の12巻が凄くて、ここまで読んできて良かったなと思えた。 続きが気になって単行本ちょっとずつ買い足す感じが闇金借りる感じに似てて(?)スリルがある。
人の心のドス黒い闇を、闇金を通じて描いている。 ストーリーの中には人の善意などもみられるが、救いようのないエピソードのほうが心に残る。